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劇部屋24シアターズ

劇部屋24のオリジナル作品「月羽妖夢伝」制作近況や
劇部屋24での上演記録を残していきます!!

第九条~幻燈狼狐伝3 <非公開作品群>
●コウエン●
メリーさんの人形の事件が解決してから
僕たちの中では些細な喧嘩が起こる
■ツキ■
その内容は、先に進むのか
●コウエン●
それともカマド猫の鍵の報酬をもらいに行くのか
■ツキ■
先に進むんだ!!
俺はもうこんなところとはおさらばしたい
●コウエン●
報酬を貰いに行こう!
もらえないとまた食いっぱぐれてしまう
■ツキ■
俺は先に進みたい!
先に進まないと元の世界には帰れないんだぞ
●コウエン●
何を言っているんだ
報酬の回収が先だ
もしもらえなくてただ働きになったらどうすんだ
■ツキ■
お金もらったって元の世界に戻れりゃ、紙くず同然になるだろう
●コウエン●
でも、出口がわからない以上、ここで少しは生活することになる。
もしもこんなところで行き倒れたら
それこそ時の忘れものになっちゃうんだぞ!
■ツキ■
でも僕は帰りたい
●コウエン●
でも僕は死にたくない
■ツキ■
ぬぬぬぬぬ・・・
●コウエン●
ぬぬぬぬぬ・・・
■ツキ■
そのとき、俺は、心惹(ひ)かれるものの姿を見て、
心トキメク感情を覚える。
●コウエン●
その時僕は邪なものの姿を見て毛を逆立たせる
あ!あれは!!あれは!!!
■ツキ■
黒猫ちゃんだーーーー!!

■ツキ■
んーヨシヨシっと
●コウエン●
すごい・・愛(め)いでている・・・
それに引き換え僕に対しては・・・
イテテテテ・・・・
ひっかかなくてもいいじゃないかよ
■ツキ■
ハハハハハ・・・・
コーエンはえらい嫌われてるな
●コウエン●
いいなあ。ツキは。
イケメンはいつも得をするって本当のことだな(シュン
■ツキ■
キャハハハ 
 ハハハハハ
●コウエン●
くっそーくやしいなー

●コウエン●
結局、黒猫と行動に一緒にすることになった僕たち・・・
相変わらず月にはよく懐いたが
僕にはまったくなついてくれなかった
■ツキ■
よしよし~
じゃあ新しい街に着いたら猫じゃらし買ってやるからな
●コウエン●
僕は思う。なんて態度の変化だ
人が変わったかのようだ


●コウエン●
道を歩いて行くと僕たちはまた一つの町に差し掛かる
■ツキ■
あ!町だ!! まってました~~~~!!
●コウエン●
到着するなり、一目散にツキと黒猫はホームセンターへと走っていった
●コウエン●
いつもは到着しても
興味を持たないくせに
まるで人が変わったかのようだ・・・・・

●コウエン●
ホームセンターのレジにて・・・・・
■ツキ■
店員さん!すいません・・・かるかんじゃなくて
かるかん EX ありませんか?
●コウエン●
かるかんEX!?
猫の餌になんか全く興味がなかったのに
まるで人が変わったかのようだ・・・・・
■ツキ■
おいコーエン。次はこっち行くぞついてこい
遅れんなよ
●コウエン●
わかったよ。まってよぉ・・・・・

●コウエン●
今まで先頭なんか切ったことなんかなかったのに、
まるで人が変わったかのようだ
まあいずれにせよ、前向きになったことが非常に嬉しいのだが
それにしてもどこか動きが不自然ぽい。
ツキのやつ疲れているのか?
それとも、なにかバチでもあたって、何かにとりつかれちゃったか?
■ツキ■
ん?コーエン?何か言ったか?
●コウエン●
い、いや? なにも言ってないよ・・・・
■ツキ■
そうか・・・・じゃあ。いっておくがな
おれは取りつかれているわけじゃないからな。
勘違いすんなよ。
まかりまちがって、陰陽師なんかよんでくれるなよ!?
●コウエン●
わかったよ・・・まちがえないよ・・・・・
■ツキ■
・・・・フン!

●コウエン●
ツキを先頭にした僕たちはやがて街の大通りから
日本中に入りやがて住宅地に入り・・・
ついには赤茶けた煉瓦造りの家に着いた。
■ツキ■
コウエン!ついてこい!!入るぞー
●コウエン●
お、おい!そこは人のウチだよ!
●コウエン●
ツキは、ボクが止めるのも聞かずに、家の裏口からドアの上に
隠してあった合鍵を見つけ、開けるとドアに入った。
●コウエン●
おいおい。なんで、そんなところにあることがわかるんだよ・・・・!
●コウエン●
ボクが驚愕の声を上げた、その瞬間・・・・・
ツキの腕の中からさっきの黒猫が飛び出した。
黒猫は、ベッドに横になっている男の側に行くと、
そこにちょこんと座り込んだ
●コウエン●
うわ・・・うわあああああ!!
死んでる・・・・死んでる・・・・・!
●コウエン●
ボクはその男の方に行って絶句する。
男はすでに息絶えていたのだ
■ツキ■
・・・・そうか・・・・結局、こうなったか・・・
そこに、意外と冷静なツキのこえが響く。
●コウエン●
つ、ツキ! こ、これはいったい・・・・・
こうなったかって・・・どういうことだ!?
■ツキ■
おれ、操られていたんだよ。実は・・・・・
●コウエン●
ツキは声を落とす
どういうことだ!?
■ツキ■
こいつ、すっげー強力な魔力もってんだよな・・・・
全然太刀打ちできなかったもん
●コウエン●
なんだと
■ツキ■
ただ、わかってやってほしい点もあるんだ。
こいつが魔力で俺に話しかけた。
自分は会いたい人がいると。
でも自分一人ではどうすることもできないから
手伝ってほしいと
●コウエン●
おい・・・・ツキ・・・・・
■ツキ■
もちろん魔力の猫だから嫌な予感はしていた
だが猫は心を振り絞って訴えてきた
だから、あえて、許したんだ。
●コウエン●
それで・・・黒猫はなんと?
■ツキ■
主(あるじ)が病気にかかっていて助けてほしいのだと言っていた
寝たきりになって、声をかけても返事がない!!ってことだそうだ

●コウエン●
だけど・・・・残念ながら猫の言葉が人に通じることはなかったようだ
主は死に供養もされないまんまこのようにミイラになってしまっている
じゃないか。
■ツキ■
そうなんだよな・・・・・
人間は孤独なものだな・・・・
他の動物と感情すらかわすことができないなんて
●コウエン●
だからせめて言葉でも使えるになったのかもしれない
■ツキ■
コウエン・・・・・
●コウエン●
ずっと考えてきたことがあるんだ
確かにヒトは賢い。だが、人間が生まれてから12000年。
コミュニケーションの研究が続けられてきたにも関わらず

人間以外の生物とやりとりができないというのはどうして

だろうって。
ずっとずっと 後の時代になってからやっと・・・・
心を通わせられるようになるのかもしれないな

■ツキ■
・・・・・・・

●コウエン●
寒い風が吹きすさぶ中
黒猫はやがて白い霧に包まれ大空へと帰っていった
■ツキ■
魔力の気配がなくなり、静寂に包まれた瞬間・・・・
妖狐は巫女服のまま鎮魂の舞を踊り。
ヒトに近い狼は虚空にむかって遠く吠えた。
●コウエン●
これは、とある寒空吹きすさぶ夜の話。
■ツキ■
いつまでもその声は響いているかのように思われるのだった

●コウエン●
そして、翌日・・・。
僕たちはまた見果てぬ旅に旅立っていくのだった。
■ツキ■
次の事件はなんだろう。それを話すのは またこんどだ!

おわり
 

第九条~幻燈狼狐伝2 <非公開作品群>
●コウエン●
かまど猫の件が解決しても、
僕たちはまだ元の世界に戻れないでいた
■ツキ■
なあ、コウエン。
●コウエン●
なに?ツキ。
■ツキ■
あのさぁいつになったら戻れるんだ?
●コウエン●
わかんないなあ。そんなことは
■ツキ■
わかんない?ウソだろ?
ちょっとはわかってんじゃねえのか?
●コウエン●
ごめん本当にわかってない
■ツキ■
だってお前昨日俺のしっぽにくるまって
寝てる時、あーだこーだ言ってたじゃねえか。
●コウエン●
ああ確かに言ってたね
でもあれは考えてみたら
何の確証も根拠もないことだったんだ。
■ツキ■
ゲーーー
●コウエン●
でも確かに言えることは
ここが元の世界とは違うこと
■ツキ■
確かに。それは確からしいな
●コウエン●
そして必ず事件に巻き込まれること
■ツキ■
そ、それもそうだな。
●コウエン●
ツキ。話は後だ。また事件が起こりそうだよ
■ツキ■
どういうことだ
●コウエン●
ほら
●コウエン●
指差した道端の真ん中には
古ぼけた一体の人形があった
■ツキ■
おい、あれすごく禍々しくないか
●コウエン●
うんちょっと禍々しいね
■ツキ■
ああれは見たことあるような気がする
●コウエン●
ほう!!
■ツキ■
何でも捨てちゃったら私メリーさんここにいるのって追いかけてくる系のやつじゃないか
●コウエン●
あーなるほど。あれかー
■ツキ■
ある少女が引越しの際、古くなった外国製の人形、「メリー」を捨てていく。
●コウエン●
その夜、少女に電話がかかってくる。
■ツキ■
「あたしメリーさん。今ゴミ捨て場にいるの…」
●コウエン●
少女が恐ろしくなって電話を切ってもすぐまたかかってくる。
■ツキ■
「あたしメリーさん。今タバコ屋さんの角にいるの…」
●コウエン●
そしてついに「あたしメリーさん。今あなたの家の前にいるの」という電話が。
■ツキ■
怖くなった少女は思い切って玄関のドアを開けたが、誰もいない。
やはり誰かのいたずらかとホッと胸を撫で下ろした直後、またもや電話が…
●コウエン●
「あたしメリーさん。今 あなたの後ろにいるの」
ぎゃ~~~~!!!
って やつだよね??
■ツキ■
そうそう
●コウエン●
そのメリーさんが今目の前にいる
■ツキ■
そう
●コウエン●
こんなに魔力ビンビンだから、捨てても当然追いかけてくる
■ツキ■
そう
●コウエン●
だから解決しなけりゃ帰れない
■ツキ■
キッサマーーーーーー!!

■ツキ■
あのさぁコウエン。
●コウエン●
なんだよツキ
■ツキ■
何で俺が人形を持つことになってるんだ
●コウエン●
それはなりゆきだよ。仕方ないじゃないか
■ツキ■
仕方なくないよもう
●コウエン●
だって、もし俺がメリーさんに取り憑かれて
ツキの魔力で抑えきれなくなったら一体どうするんだ?
■ツキ■
それは・・・
●コウエン●
だろ?それにさ・・・
■ツキ■
それになんだよ
●コウエン●
それにほらメリーさんだって
ツキのコト気に入っているよ
■ツキ■
え!?
●コウエン●
私メリーさんツキさんに抱っこしてほしいの
■ツキ■
なになになになになにいいいいいい?
●コウエン●
あ、悪い。今のボク。
イタズラしてゴメンネ。
■ツキ■
クソ野郎!!いつか、ぶっ殺す!
●コウエン●
ごめんって。でも、見て。月に抱っこされたら、
この人形の表情が柔らかくなったと思わない?
■ツキ■
そ、そうか??
●コウエン●
まんざらでもないね
■ツキ■
うるせえよ。
それより・・・こいつ、どうすればいいんだ?
●コウエン●
うーん・・・とりあえず・・・
元の持ち主のところに
持っていくべきだとおもうんだ。
■ツキ■
それは賢明だな
●コウエン●
だろ?さて、と・・・
この人形の持ち主さんは誰なのかな?
えーっと・・・
■ツキ■
待て。コウエン。
オレに考えがある。
●コウエン●
どうするんだ
■ツキ■
その人形の匂いを嗅がせろ
そうすればそこに残った香りから
所有者を特定できる
●コウエン●
なるほど。
■ツキ■
クンクンクンクン
●コウエン●
俺には何も臭わないぞ
■ツキ■
おいコウエン。ヤメロ。
●コウエン●
え?
■ツキ■
人形のパンティーをクンクン嗅いでも
臭うわけねえだろ・・・
●コウエン●
そお?
■ツキ■
バカかてめえはそんなところ好き好んで
触るヤツなんかいねえっての!!
それに!この台本、成人エックス設定がついちゃったら、
作者立ち直れなくなるんだぞ!
セリフの訛り治らないレベルじゃないんだぞ!!
●コウエン●
えーーー
■ツキ■
えーじゃねーの!!
落ち込まないの!!
よこせ。俺がやる
●コウエン●
はーい
■ツキ■
ったく!クンクンクンクン

■ツキ■
甘酸っぱい匂いがするななんだろうこれは
●コウエン●
何かわかるのか
■ツキ■
あーこれは赤くて甘酸っぱいそうりんごだ
■ツキ■
芳醇で濃厚なりんごの匂い
●コウエン●
なんだよそしたらこれは市場で捨てられたものだというのか
■ツキ■
俺はそう思う。だって、これはリンゴの臭いに他ならない!
●コウエン●
じゃあ行ってみよう

●コウエン●
なァ ツキ。
■ツキ■
なんだよコウエン。
●コウエン●
市場に来てみたけどさ~ここには人々の雑踏ばっかりで
人形なんかおいてすらないよ
■ツキ■
おかしいそんなはずはない
●コウエン●
じゃありんご屋のところを探してみようか
■ツキ■
ああ。
●コウエン●
ここだ市場のはずれの
りんご屋だ!!
■ツキ■
んーーー
●コウエン●
あれどうしたんだ?ツキ?
■ツキ■
違うんだ!違うんだ・・・
何かが違うんだ
●コウエン●
どういうことだ
■ツキ■
匂いが違う
●コウエン●
え?
■ツキ■
ここには確かにリンゴがある。でも、ないんだ。
●コウエン●
どういうことだ
■ツキ■
どう言えばいいかな・・・
確かに俺達の求めているのはリンゴだ
しかし探しているりんごの匂いがここにはないんだ
●コウエン●
ほう!じゃあ場所を変えてみればいいってことだね
■ツキ■
あーそうなるな
●コウエン●
じゃあ行ってみよう
■ツキ■
いってみようって、アテがあるのか
●コウエン●
んーよくわかんないけど・・
行ってみよう!!
■ツキ■
って、コウエン・・・
●コウエン●
なに?
■ツキ■
ここ・・・どこだ??
●コウエン●
ここは洋館だよ!素敵なところだろう!
■ツキ■
すげえところだなー
●コウエン●
たろたろすげえだろ行ってみよう
■ツキ■
って、あれ?コウエン?
●コウエン●
あ!!すいませんすいません・・・・
それで・・・・ご主人様には、お話は、通してあるんですが・・・・
ここのお館に化け猫の気配がするということで、
ちょっと捜索にあたらせて頂きたいんですよ
・・・はい・・・・化け猫というのは非常に恐ろしい生き物でして、
人を読むと食らうという風に申されておりまして・・・はい・・・
確証ですか?確証は、ここにいる、妖狐の「ツキ」というものがおりまして、
ここには、確実に、化猫が居ると確信しておりますもので・・・・
はい・・もし、誤報でしたれば、妖狐の肉を1 kg もれなく、差しあげますので、
それで晩御飯の足しにしていただければと・・・・
妖狐のお肉はグラム1万円のお取引でゴザイマス・
はい!妖狐の肉は誠に美味というふうに聞いておりますので!はい・・・・
では、よろしくお願いいたします・・・・・
■ツキ■
おい?コウエン・・・?
●コウエン●
なに?
■ツキ■
なにやってんだ
●コウエン●
なにやってる?って・・・・やだなぁー。
洋館立ち入りのアポ取りじゃないかアポ取り。
■ツキ■
アポ取りだあ??
●コウエン●
そうだよ。人間という生き物は、格式にこだわる生物だよね。
段取りとか、そういうことだとか、どうでもいいことに時間を費やすもんなんだ
■ツキ■
それは分かってる!!だけどさ・・・・
●コウエン●
だけど・・・・どうしたんだ?
■ツキ■
なんで、失敗したら俺の肉1 kg だとかそういう話が出てるんだ
●コウエン●
小声(チッ 聞こえていたか地獄耳)
■ツキ■
何か言ったか?
●コウエン●
いやいや・・・・・何もお前の肉のことについて削り落とすとか、そういう話はね
してないよ~してたけど。・・・・あ、そうだ。あの話はな・・・担保の話なんだよ
■ツキ■
担保・・・・だと??
●コウエン●
そうだよ!!もしも約束したことができなかったらどうするかっていうことなの!
でも、今の場合は。単なる儀礼的なものだよ。
まさか、お前が失敗するとなんか誰も思ってなんかいない。
あてにしているからこそ、担保というものを作るんだよ
これは、人間の習慣と伝統というものなんだ。いいか?
■ツキ■
そうか・・・そういうものなのか・・・ならいいけど
●コウエン●
よきよき
■ツキ■
まだだ!!まだ聞きたいことがある。
この場所と、りんごと、どういうの繋がりがあるんだ?
●コウエン●
そこなんだよそこの確証が欲しかったからこうして僕たちは来たんだよ
■ツキ■
確証・・・ね・・・
●コウエン●
あ・・・・すいません・・・・・
娘さんの部屋見せていただける件どうでしょうか?
ご了承いただけないでしょうか??

●コウエン●
あ Ok ですか。
じゃあ いまから家に入らせていただきます。
ありがとうございます
■ツキ■
おい
●コウエン●
うん?どうした??
■ツキ■
この部屋何もなさそうだぜ
●コウエン●
いやそれは・・違うとおもう・・・
■ツキ■
なんだと? どう、ちがうっていうんだ・・・?
●コウエン●
なるほど!そういうことか!!わかったぞ!
■ツキ■
おいコウエン分かったって何が
おい、おおおーい
●コウエン●
あ、そういえば・・・娘さんのお部屋、見せていただきまして
ありがとうございました。やっと例の化け物の正体が分かりました
■ツキ■
ちょ!ちょっとまってくれ!
ええ?本当なのか??
●コウエン●
ハイ。そうです。ご婦人様、そして、ツキ。
■ツキ■
じゃあ・・・・正体は何だったんだよ。
●コウエン●
はっきり申し上げましょう。それは「霊魂」なんです。
■ツキ■
れ、霊魂(れいこん)!?もしかして、呪ったりする、悪さするって、あれか?
●コウエン●
それは、悪霊!ちがうよ。霊魂はね・・・・
あなたを守護しようとうろついているのです
■ツキ■
何と??どういうことだよ?コウエン!?
ご婦人、驚いていらっしゃるじゃないか
●コウエン●
前後してすみません。お尋ねします。
小さい頃家が引っ越すとかなんとかで
大事にしていた人形を
捨てられた思い出はありませんか
■ツキ■
・・・・・・・・・・・え!えええ!
奥様あるんですか!?
●コウエン●
その時に捨ててしまった人形は
これじゃなかったですか?
ツキ。悪いんだけど
さっきの人形を見せてあげて
■ツキ■
こ、これか?
・・・・・・・・・え!えええ!?
コレが、ご婦人の幼い時
捨てられた人形!?
●コウエン●
この人形はお返しします。
良かったですね。これからも 大事にしてあげてください

●コウエン●
お代金はまたいただきにきますよ。
一か月後。またよろしく。
行こう。ツキ。
早く行かないと
ご婦人方の
貴重な再会の時間が短くなってしまう。
■ツキ■
あ、ああ。そうだな。



●コウエン●
なァ。コウエン。
どうしてわかったんだよあの人形が
ご婦人の捨てられたものだって。
●コウエン●
一つはあの人形から
りんごの匂いがしたことにある。
市場に行った時に君はそのニオイが無いと言った。
すると残りはそのりんごがかおる場所
つまりはゴミ捨て場だと踏んだんだ。
■ツキ■
でもあの家のものだということはわからないだろ?
●コウエン●
それは人形をからわかる。
このご時世にあんなに手の込んだ装飾をする
というのはよっぽど裕福な家か人形マニアか
そのうちのどちらかだけさ。
■ツキ■
婦人の持ち物ということについては
●コウエン●
雑誌を読んだんだ雑誌にあった服が
人形に着せられていたからね
■ツキ■
あの人形も最高に思い出のある服を
着たかったに違いない。
お気に入りをそばに置こうというのは、
どうやらいつの時代の人間も同じようだな
■ツキ■
そしてまた一つの事件が終わる。
●コウエン●
僕たちはまた見果てぬ旅に旅立っていくのだった。
■ツキ■
次の事件はなんだろう。それを話すのは またこんどだ!

おわり









 

第九条~幻燈狼狐伝1 <非公開作品群台本>

設定
1、登場キャラ
コウエン・・・狼人(ロウニン)
魔力が薄く、人に近いワーウルフ。やさしい丁寧な口調。
北陸の地で生まれたが、自分が野性的に弱いことから群れから取り残され、

裏伊勢の地にたどりついた。腕っぷしは強い。だが、残酷性はない。
獲物とわかっていても、憐れんでしまう。
属性は炎。テーマカラーは赤。
コスは和服かさらし(白か赤)

ツキ・・・・・妖狐(ヨウコ)
裏伊勢に生まれた狐。ややぶっきらぼうな口調。
孤高に林の中で生きていたが、とあることから月の魔力を得ることになる。
魔力が強く、妖狐に近いヒトの姿をする。
腕っぷしは弱いが、反面、魔力による攻撃力が高い。
属性は聖。テーマカラーは白。
コスは巫女服か、和服、さらしでもOK。

★エピソード1★


●コウエン●
そのとき、僕たちは
半分砂漠と化した道をあるいていた
■ツキ■
なぁ?
●コウエン●
何だい?
■ツキ■
この道さぁ、どこまで続いてんだよ?
一体全体どこに行くんだ?
●コウエン●
さぁ……
いったい、どこへ行くんだろう
■ツキ■
なんだと!
てめえも知らねーってか
●コウエン●
うん。そうだよ
まったく・・・見当もつかない
■ツキ■
チッ……あきれた。
やってらんねェ
●コウエン●
ツキの魔力のカンでわかったりしないの?
よくボクの考え言い当てるみたいに
■ツキ■
あぁン?おれの魔力にゃそんなカンなんかねぇよ?
言い当てるのは、オメーが単純だからだ!
●コウエン●
そっか。そうだったんだ・・・
ボクの魔力でもからっきしダメなんだよな~
■ツキ■
コウエンは元々魔力ゼロじゃねーか
へんなところで見栄はるな!
●コウエン●
そうだった。ってことは・・・
ボクたちいつの間にか、迷子ちゃん?あはは
■ツキ■
あははって・・・・テメェ!
それで良いとおもってんのか?
●コウエン●
良いとおもっては・・ないよ
迷惑だって かけてるわけだしさ・・・
■ツキ■
だろ?だったらなんかしろよ
●コウエン●
はぁい。善処します~


●コウエン●
……クスクス
■ツキ■
なンだよ?
●コウエン●
そういう君と一緒にいると楽しい
■ツキ■
ったく。他にアテも無いんだし、
しょうがねえだろうっ?
●コウエン●
あぁ、そうだったね
■ツキ■
で? いつか元にもどれるンだよな?
元の世界に、元のような生活に。
●コウエン●
多分、ね。今は謎だけど
■ツキ■
テメェ!謎ってなんなんだよ!謎って!
●コウエン●
知らないか?謎は謎のままが一番楽しいって
ことわざ
■ツキ■
なンだそりゃ?
俺・・・きいたことないぞ?初耳だ!!
●コウエン●
うん、ないだろね。だって、ボク、
今作ったばっかりだから
■ツキ■
・・・オレをからかってンのか?
●コウエン●
からかうのも、からかわれるのも、
それは、面白いもの。知ってる?この名言
■ツキ■
そりゃまた、だれの名言だ?
まさか、オメェの自作だっていわないだろな
●コウエン●
すごい!ばれちゃった!
さっすが~~ 今作ったんだよ!

■ツキ■
はァ?テメェを襲って殺してやろうか?
●コウエン●
僕を襲ってもいいけど、殺せるかな?
それに加えて、帰るアテだって、なくなるよ?
■ツキ■
ちっ!まけたよ。お前には
●コウエン●
はははは・・・
■ツキ■
さっさと連れてけよ。
こうなったらとことん付き合ってやるよ!!
●コウエン●
ああ。わかったよ
■ツキ■
なあ、コウエン
●コウエン●
なに?ツキ?
■ツキ■
なんで、こんなことになったんだっけ?
●コウエン●
それは・・・
■ツキ■
もともと、俺たちは
三重(みつえ)神社のかまどで
ご飯を準備するのが仕事だったはずだ・・・
●コウエン●
うん・・そうだったよね
■ツキ■
いいか?たしか、俺が朝ごはんの準備をしててさ
●コウエン●
うん
■ツキ■
おまえが、鍋が思いっきり吹いたから
フタを取ろうとしてさ
●コウエン●
うん
■ツキ■
おいらは それはコメ炊いてるから
フタはまだ取るなって止めに入って・・
●コウエン●
うん
■ツキ■
そしたら突然カマドが閃光を放って
●コウエン●
うん
■ツキ■
気づいたらここにいた・・・
●コウエン●
うん
■ツキ■
ほれみろ
お前のせいだぞコウエン。
●コウエン●
わかってるよごめん
■ツキ■
おまえが、あんなことさえしなければ
●コウエン●
うん。わかってるよごめん
■ツキ■
どうするんだよ
●コウエン●
わかんないよ。ごめん
■ツキ■
なんだよ!ごめんごめんごめんごめん
謝ってばっかりだな
●コウエン●
ごめん
■ツキ■
まただよ。大体においてお前狼だろう!?
なんで歯向ってこないんだよ!?
●コウエン●
それは・・・わかってるくせに
そう言うと、僕はツキのツヤのいい
ピンとしたシッポを憎々しく見つめた。
●コウエン●
そう、普通、狐と狼が喧嘩したら、
狼は狐に負けるはずはない。
■ツキ■
だが、しかしそこに魔力が入ると結果は一変する
●コウエン●
僕がツキに喧嘩を吹きかけた時、
腕っぷしだけでは主導権を握ったはずだった。
■ツキ■
しかし、コウエンは詰めがあまい!
あと一歩のところで、逆転した!
●コウエン●
そう、あのとき、ボクは突然動けなくなった。
ツキがそのシッポを思いっきり尖らせ
僕の尻を責めたからだ。
●コウエン●
僕はそっちの方は初めてだった。
だから激しい痛みのあとの快感に、
ボクの理性は爆ぜたのだ。
■ツキ■
18禁シーンの
応酬のあと、コウエンはなすすべなく
白目をむいて、よだれを垂らして
白い汚物をたくさん吐き出して、果てたのだ。
●コウエン●
一般にキツネは狼を苦手とされるが
僕たちの場合はむしろ逆だった
時に黄色い針のように見えるツキのシッポ。
しかし一方で快楽に誘ってくれる導火線。
僕にとってツキのそれは複雑な存在だった
■ツキ■
あれ?
●コウエン●
ん?どうしたの?
■ツキ■
あそこに人がいるぞ
●コウエン●
本当だ!声をかけてみよう

■ツキ■
よう!バアさん。なにしてるんだ?
●コウエン●
ツキ!そんな言い方じゃだめだよ!
おばあさん、驚いているじゃないか!!
■ツキ■
す・・・すまん
●コウエン●
あの・・すみません。
ウチの連れが失礼をこきまして・・・・
クソ生意気でクチの悪いバカキツネですみません
■ツキ■
なんだとおおお!?
●コウエン●
あ、それでですね・・・用事というのは・・
なにかをお探しのようだったので、
お声をかけました次第なのです。
●コウエン●
いったい、こんなところで
どうしたんですか?
■ツキ■
なんだって!?
飼い猫をさがしている?
●コウエン●
ふむ・・・ふむ・・・
家の中で大切に飼っていた猫なんですが
突然いなくなったと。
■ツキ■
消えたって・・・いうのか・・・・
え?でも、そんなに大変なことじゃない?
●コウエン●
あ、名前みぃちゃんっていうんですか・・・?
でも、時間がたったらもどってくる
・・・もどってこないこともあるけど
・・でも、それじゃおばあさんの身がもたないでしょう!
■ツキ■
<ワルヂエ>そうだ!!
なあ、バアさん。なんなら俺たちが手伝ってやってもいいぜ
●コウエン●
ツキ! そりゃいい考えだ!!
■ツキ■
でさ・・でさ・・・・
探すの手伝ったら、
晩御飯でもご馳走してほしいのだが・・・
●コウエン●
おい・・・・ツキ・・・・・・
なんてこと・・・
■ツキ■
すまん・・・実はわれわれ、
魔力を使う者でな・・・
お腹がすいていては、能力を発揮できねえんだ。
●コウエン●
そりゃ確かに・・・言ってることは、
ほんとうなんだけどさ・・・・
■ツキ■
お困りのことには、全力で対処します!
それが我々のモットーですから。
魔力一粒、力全開!!って、ここにいるコウエン
が申しておりましたっ!!
●コウエン●
ちょっとまって・・・
なんで、ボクなのっ・・・・?
■ツキ■
そうです!そうでございます!!
・・・あぁ!ありがとうございます!
商談成立ということで!
ではただいまからおウチのほうに
お伺いさせていただきますっ!

■ツキ■
こうしてオレたちは
貴婦人の家にご厄介になることになった。
●コウエン●
貴婦人の家はたいそうハイカラな大きな作りで
家族の他にメイドと使用人、合わせて10人も
召し抱えるブルジョアな生活様式だった。
■ツキ■
すげーなおい
●コウエン●
うん・・すげえよね
■ツキ■
メシもうまかったし、お茶もうまかったし・・
なんといっても、豪華なおやつが出た!
●コウエン●
うん・・・世の中には
食いっぱぐれてる人もいるのに・・・・
こんなことでいただいちゃって・・・
とても、もったいないよね
■ツキ■
ああン?なにいってんだ。いまさら

●コウエン●
あのさ・・・・ツキ・・・・・
悪いよこういうの・・・・
■ツキ■
何言ってんだよ いいじゃないかよ 別に
これは俺たちの 報酬なんだからさ
●コウエン●
まあ・・・・そうなんだけどさ・・・・
■ツキ■
テメェもおなかすいてただろっ!
こうしなきゃ メシにありつけなかっただろ!
それに、これから魔力をつかうんだ。
腹ごしらえでもできなけや
おれは 飢え死になんだぞっ!!
●コウエン●
ま・・・まあ・・・・たしかに・・・・
■ツキ■
コホン・・・・・
いいか、コウエン。
オメエには、野生的なカンがない。ゼロだ!!
モノゴトには食らいついてゆく気力が必要なんだ!
だから、オイラがこれからひとつひとつ手ほどきしてやるからな・・・
って、おい!聞いてんのかよッ!
●コウエン●
あ、あれれ・・・・ネコちゃんだ・・・
■ツキ■
あれ?さっきのバアさん・・・・すっげーヒステリおこしてる・・・・
なんだって?汚らしい・・・・ネコ??
●コウエン●
そのあと、ボクたちはバアさんから話をきいた。
▲BBA▲
うちの猫ちゃん、みぃちゃんといいましてね
ここ最近寒くなってから、
とんと姿を見せなくなったんですよ
代わりに薄汚い猫が出入りするように
なったんですよ
●コウエン●
薄汚い猫? ですか・・・?
▲BBA▲
そうですよ埃だらけの体で汚ならしいったらありゃしない。
●コウエン●
猫ちゃんにはいつもどのような餌をあげていたのですか
▲BBA▲
うちの猫にはカルカン。上等のエサをあげていましたわ。
●コウエン●
かるかんって何だ
■ツキ■
知らないのか人間が作った人工の猫の餌だよ
●コウエン●
へえ知らなかったお前食べたことあるのかよ
どんな味だった?美味しかった?
■ツキ■
バカにすんな!俺はキツネだ、キツネ!!
ネコのエサなんて食べたことあるわけねぇだろ!
●コウエン●
ふ~~~~~~ん
それで、奥様。その汚らしい猫というやつは
どんな悪さをするのですか
▲BBA▲
朝はね、私が起きて来る前にチョロチョロして、
朝ごはんになったら、誰よりも早く来て、
昼はね、リビングで我が物顔に昼寝して、
夜は夜でね、晩御飯だけ食べたら
さっさとどっかにいなくなっちゃって・・・
■ツキ■
ひでえ居候だな
●コウエン●
そうだね
■ツキ■
それでみーちゃんはいつ帰ってくるのですか
▲BBA▲
夜ですね。帰ってこないこともあります。
帰ってくるときは決まってずぶ濡れです
●コウエン●
ずぶ濡れなんですか・・・・
▲BBA▲
その時はかわいそうでかわいそうで・・・
一晩中ぎゅーってしてますわ
●コウエン●
へえ・・・それで、いつの間にか
変わってしまっていると・・・
▲BBA▲
そうなんです
■ツキ■
すげー変わり身が早いのな
忍びなんじゃねえのか?
●コウエン●
そうかもしれないね
■ツキ■
ええと 他に図々しいところはありますか
▲BBA▲
そうね例えば昼はあいつ昼寝してくんだけど
きたねえ腹見せてくんのよね
ベタねって言うんだっけ?
●コウエン●
え?ベタ寝って・・・どんなの?
■ツキ■
エヘヘ・・・・
これだよ、これ、これ~
●コウエン●
ツキ・・・やめろって・・もう・・!ゴンっ!
■ツキ■
いていていていていていて!
何しやがんだ馬鹿野郎!!!
●コウエン●
ゴメンって。
あ、そうだ。おばあさん
いろいろとお聞かせいただいて、
ありがとうございました。
▲BBA▲
みぃちゃん。
ちゃんっと見つけてくださいね
●コウエン●
はいわかりました


■ツキ■
おい、コーエン
●コウエン●
なに?
■ツキ■
大丈夫なのかよ
●コウエン●
何が?
■ツキ■
何がってあんな安請け合いしてしちゃってさ
●コウエン●
うん・・多分・・大丈夫だと思う
■ツキ■
どういうことだよ
●コウエン●
今回の問題。答えは意外と
近くにあるのかもしれないよ



▲BBA▲
え本当ですか
みーちゃんを見つけたって言うんですか
●コウエン●
はい
すいません。ちょっと失礼します
ツキ。ちょっと悪いんだけどさ。あの猫・・
魔力をかけて、眠らせて、連れてくれないか?
■ツキ■
ああいいぜ。
それくらいはお安い御用だ
それ!
●コウエン●
ありがとう!さすがツキの魔力は強い
■ツキ■
でこいつどうすんだ
●コウエン●
抱きかかえてっと
お風呂場に運んでえっと
シャボンを準備してっと
じゃぶじゃぶじゃぶじゃぶ!
■ツキ■
おお!キレイだ!!
ま、まさか!!こいつが!!
●コウエン●
おくさま~~みぃちゃんみつけましたよ!!
▲BBA▲
あら!ありがとう!!

■ツキ■
なあコウエン。
あのご婦人の驚きと喜びをといったら
半端なかったな
●コウエン●
うんそうだったね
この仕事引き受けてよかったよ
お腹もいっぱいになれたし
お金もたくさんもらえたし
■ツキ■
それでさあ教えてくれよ
お前、どうしてわかったんだよ
あの汚らしい猫がみーちゃんだってこと
まさか・・・このこと、もしかして気づいてたのか
●コウエン●
そのまさかだよ
みぃちゃんは実はずっとこの家の中にいたんだ
■ツキ■
どうしてあんな汚らしい格好になってたんだ
●コウエン●
それはこの家に原因がある
■ツキ■
どういうことだ
●コウエン●
ほらこのウチ・・・・かまどがあっただろ
■ツキ■
うん
●コウエン●
実は猫がそのかまどをネグラにしていたんだ。
■ツキ■
なんだと?
●コウエン●
本来猫はあったかいところを好む。
夜、食事のあと灰で保温されるかまどは
寒さしのぎにはもってこいの場所だったんだ
これをカマドネコと言うらしい
■ツキ■
そうなんだ

●コウエン●
どう?我ながら名推理だったでしょ?
■ツキ■
ま、まあな・・・・
●コウエン●
もし気に入ったならお礼が欲しいんだが。
■ツキ■
しょうがねえな何だよ言ってみろよ
●コウエン●
君のしっぽに・・・・包まれて寝てみたいな
■ツキ■
バカ!!
コホン・・・いいぜ。考えてみよう。
●コウエン●
ふふん♪楽しみにしてる。

●コウエン●
そして僕たちはまた見果てぬ旅に旅立っていくのだった。
■ツキ■
次の事件はなんだろう。それを話すのは またこんどだ!

おわり






 


俺は田中実(たなかみのる)
日本で一番、同姓同名の多い名前らしい。
俺はスカイプやディスコードを使った声劇を趣味としている。
人が俺のことを劇狂いと言われても仕方ない。
そこで俺は自身のありふれた本名ではなく、
珍しい名前であるガンマと言う名前でやっている。


わたし田中夏奈(たなか なつな)。最近、反抗期に入ったみたいだ。
暴言を吐くだとかかんしゃくを起こして皿を投げてくるだとか
そんなことはしていない。
だけど、声をかけられると、イライラする。
垣間見る、矛盾や理不尽さでまみれた大人社会の一端。
自分の中に潜む「やり場のない思い」が、
素直にならせてくれないのだ。


娘の夏奈は返事が素っ気ないというか、なんというか...
そもそも首を縦に振るだけで返事すらない。
「洗濯物は一緒にしないでー」と言われないだけ
まだマシなほうなのかもしれない。


いつかそういう日が来ると覚悟はしていた。
反抗期と言うのは一種の大人への階段でもあるし、
皆遅かれ早かれ通るものだ
話はそんな 家庭で 出てきたもの。
昔のような関係に戻らないものか
そんな非現実的な詮無きことを考えてしまった。
ヒトビトのモノガタリだ

???
ボイスドラマ
father-is-a-partner 父親はパートナー


24時30分
俺の時間が始まる。
いつものように妻と娘が寝静まったのを確認
そして劇部屋24にアクセス!
そして、その先にはいつものように楽しい仲間たちと
楽しい時間を過ごす自分の姿が・・・・。
あるはずだった。
だが、そのとき・・・・
冷え切った声が俺を現実に引き戻した。

「パパ何してるの?」
「夜遅いんだよ、もう・・・パパ?・・・」


振り返ると娘がそこにいた。
しかし、台本はボクに停滞を許さなかった。
「これで私が死ぬと思うなよぉお!」
「ハッハッハ、第二形態だぁ。
みての通り、我は全裸だ。ゆえに攻撃を受けると
闘志によって攻撃力が増すのだ!!
さぁ勇者達。パーティーの続きだぁ!!」
・・ここで台本は重い沈黙のシーンを迎えた。

リアルでも流れるのは違う意味での沈黙。
わたしの前には、いつもじゃない父の姿がある。

わたしの父・・・いつもの父は・・・・正直イヤだ。
パパが嫌いな訳ではない。むしろ毎日会社に行き、

夜遅くまで頑張ってくれていて感謝している。

だけれども、いつを境にであろうか?

一緒の空間にいると何故かゾワゾワ、イライラするのだ。

それを父に言いたくないし、

余計な事を言って傷つけたくないので声をかけなくなった。

つい、何か小さな事で当たってしまそうだから。

ついつい、暴言を吐いてしまいそうだから....

「ど、どうしたんだ? 
トイレか? それとも、電気でもきれたか?
・・・マイクのミュートに気を付けて声をかける。


そんなんじゃない。そんなんじゃないんだけど・・・


じゃあ、なんなんだ・・・・・


へた・・・・パパ、演技ドへたくそなの!!「最ッ低!!」


え、えええええ


なんなの? あの棒読みちゃんまっさおの棒読み!
まるでヒトとコミュニケーションをとれなくなって、
寂しくて脳内で私の幻影でも作り会話しているの
かとおもったわ!


すみません・・・・


あやまらないで!!
あと、さっきやった、あの劇!
このページの、これ!!読んでみて!!


「ンアァキモチィイ :この攻撃キモチィイ
:あぁあ感じる  :興奮するぅ・・・・:
あはああああみなぎってくるわぁああ」


はい カット!
気持ちよくも感じないし、モジモジしてるし・・・
なんにも感じてこない!!いい?こういうのは人間の感覚に
ストレートに訴えかけるものだから、テレるなんかいうのは
もってのほかなのよ!!


な、夏奈・・・・


何故戦うのか? 考えてた?
なぜあえておかまの声を出したの? 気持ち悪い!
それが趣味なの? なにに活き活きしていたの?
演じたかっただけ?
それじゃあ ただの オナニーしてるのと変わんないのよ!


吐き捨てるように言うと娘は部屋から出て行ってしまった。

しばらくの間、呆然と立ち尽くしていた。
どれくらいの時間そうしていたかは分からないが、

ふと我に返った俺は、明日からどうやって娘に声を掛ればいいのか

考えながら妻の眠る寝室へと向かうのだった。


翌朝・・・休日だった。
朝チュンで目を開け、歯を磨き、朝食を済ませる。40年以上続けてきた、
ルーティンであり、習慣・・・。


パパー ちょっと来て。


な、なに?


早く早く! ご飯食べ終わったんでしょ!?
さあ、やるわよ!!
なにをグズグズしているの!! さあ!パパ!来て!!
稽古!はじめるからっ!



はじめの一歩は怖いもの。勇気を出して踏み出そう。
定石とも言えるその決まり事をこなせないでいた。
「あぁ、悪夢を見た…のかもしれない」


「夢じゃないよ」


「え?」


「こうやって、やるのは 夢じゃない」
だって、私も声劇が大好きなんだもん。
演劇部でもあるしね。
あと、ママ。あの人はあの人で
昔、ボイスコやってたんだって。
だから、苦労とかよくわかるんだって。


え?そうなのか?
でも、なにも言ってくれなかったぞ?


ママが気づかないフリをしてたのよ。ママ言ってた。
昔は今と違って、ボイスコっていうのは、なかなか
友達とかに言うことはできない趣味だったって・・・
だから、パパにはそういう思いせずに存分にやってほしいって



そ、そうだったのか・・・・
で、でも、ママは?なんででてこないんだ?


卒業を決めたからよ。
気持ちに区切りをつけたから、もう、私はもどらない・・てさ
その代わり、私に自分の分も演じってほしいって言ってた。
あと、これ・・・見て?この設備。


お、おおおお・・・・?


ママのボイスコ時代の設備よ。どうせ使わないけど、高かったし
捨てるのもったいないから、使って。だってさ・・・・

ねえ、パパ。ママの分もがんばってみない?アタシといっしょにさ!?


ああ・・そうだな・・!!
その日は妙に絶好調で個人的には満足が行く演技ができていた。

仲間たちもノリノリでいつも以上に楽しい劇ができた。ついつい調子に乗ってしまい、

少しエッチな台本までもノリノリで楽しんでしまった。

そんなパパの姿に私は苦笑を隠せきれなかった。

夢について、趣味について、声劇について、思う。

夢とはなんだろう
夢とはヒトのみが見る未来予想図

大きく空に手を広げ、
もしもそれにたどりつこうとするのなら
その手をツバサに変えて、飛び立とう

もしもそれにたどり着けないと悟るなら
その手を心に押し当てて、
その場にあるものを駆使してかなえよう

ひとは100すすむ。でも追いついていけないとき、
あきらめないで。

100が無理なら50でも無理ならせめて20。
そのかわり20を身に着けよう

毎日のように繰り返して

あたりまえになるようになるまでやって、

OKになってから

さらに次の10を覚えよう。

そのときひとが200に到達して
自分が100しかできないなら

どうしてできなかったのかを省みて
それでもできなかったら100のなかで
満足するものを見つけよう。

もしもまだあきらめる以外の選択肢があるのなら
時間という財産を消費して
明日の道をきめるといい。
すべてに これという 答えはない
なぜなら これは 趣味だから。
答えは人の数だけある。
だが、正解は、その人の心にだけしか
ないのだから。

~終~


 

1、生成動画クラス   クラスA 一般公開/キャンペーンレベル →YouTubeの公開モードを使用するもの。全員が見れる。   クラスB 限定公開/関係者公開一般レベル →YouTubeの限定公開モードを使用し、コエゲキ動画関係者全員に見せるためのもの。 昨年までの全活動はこちらのモードを使用していた。   クラスC 非公開/極秘裏作成レベル →YouTubeの非公開モードを使用し、コエゲキでメンバーからの不許可になったものを ふくめて記録するためのもの。見るためにはメールアドレスが必要となる。 劇部屋24関係者以外視聴禁止を謳って作成するもので、動画の冒頭には15秒の 専用画像が流れる。今年から新設されたもの。クラス設定はすべてデルタの自由。 2、文字化けバスター機能の担当ソフトの変更と新式 これまでクラリスインパクトを使用してきたが、今回のアップによって使用できなくなったため MS OFFICE2000を代替えソフトに使用。

2017年5月になりました!ということで、やっと2万円の予算をくみたてることができたので、XEON搭載でグラボ2台メモリ6ギガWIN1064ビットのパソコンを購入しまして、ここはやってみたいとおもっていたこと、をやりたいようにやってしまおうという場所になります。いままで更新はへぼだったけど、今度からはアクティブだぜぇ。KOEGEKIDOGAそして、コエゲキ。やったらやったぶんだけ記録に残します。すべてはアメンバー限定記事!!2017年度のアップデートでハード的に不安はなくなりましたので、生成動画などについてランク付けをおこなって活動を行います。わかりやすいようにここからは単項目づつ。