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日々好奇心の趣くまま

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やっと本題。

 

まずは移動のツラい南ゴビの中では比較的楽に(短時間ということ)行けるYolyn Amという超絶地形が連続する狭い渓谷から。

 

 

見所の区間は4kmほどだが、息をつく暇がないくらいの見事な地形の間を渡渉を繰り返しながら進んでいく。

 


アップダウンはあまりなく道も整備されているので、山屋から見ると体力的に楽すぎて物足りないのが難点。

 

 

モンゴルの蒼過ぎる空の光と谷間の影のダイナミックレンジが大きすぎてなかなか撮影が難しい。

 

 

6月頃に来ると雪渓や氷瀑も見られて更に美しいということ。

ゴビという名前のイメージからはかけ離れたこんな場所があるとは少々驚き。

 

そしてもう一箇所、Bayanzag。

 

おそらく南ゴビ一番の人気スポット、いわばモンゴルのグランドキャニオン。

 

 

恐竜の化石が発掘されたらしい。

元祖グランドキャニオンよりはだいぶ規模が小さいが、秘境感たっぷりだし車で縁まで行けるし人が少ないのが嬉しい。

 

少々天気が悪かったので夕日に燃える写真は残念ながら撮れなかった。

 


ゴビは砂漠とはいえ、結構雲が多いときが多い。

 

周辺に生えている地名の由来にもなっているZagという木。絵になる。

 

 

昔は広大な森を形成していたのだが、よく燃えるために乱獲されていまではこのあたりの森を残すのみらしい。
 

 

モンゴルの奥地とはいえ、自然破壊とは無縁ではないようです。

 

ガイドさん曰く、休暇の長いヨーロッパ人はさておき、ここを陸路突破する酔狂な日本人はほとんどいないらしい。


とはいえ、ここの間は公共バスも多く走っているので長期バックパッカーとかは行っているのでしょうが。

 

前日夜着いた首都ウランバートルをほとんど散策もせず早朝に出発。

 


南ゴビ県の中心であるDalanzadgadまでの距離は500km以上。東京-大阪ほどの距離を丸一日かけて車でひたすら草原を走る。

 

 

唯一の救いはこの間だけは完全に舗装道路であることで、この旅唯一の揺れのない快適な(しかしちょっと物足りない)移動時間。

 

車窓にはいかにもモンゴルらしい広大な草原が広がっていて、いろいろな生き物が次々と現れて飽きない。

 

 

ゴビに近づくにつれて、こんな生き物も。

 

 

こいつ、最強の家畜だそうです。モンゴルの厳しい酷暑、厳寒、乾燥、絶食のすべてに耐え抜いてメンテナンスフリーで生き抜くそうで。


説明を受けて初めて知ったこと。フタコブは中央アジアあたりにしかいないらしく、初見かも。
そういえば以前にインドや中近東で見たのはすべてヒトコブだった。

 

 

夕方ついたDalanzadgadは南ゴビ観光拠点のそこそこ大きな唯一の街。

 


ここでガソリンと食料を補給してようやくここからが本番です。
 

司馬遼太郎氏の作品に、ずっと憧れていたモンゴルの地を訪れて広大な草原や遊牧民、更には降るような星空に感銘を受けたことを描いた随筆があった。

 

 

 

 

 

社会主義国だった当時はソ連経由で北側からかなりの遠回りをして時間と手間をかけなければ行けない場所だったらしく、この国の南の果てにある南ゴビは遠い桃源郷のような描かれ方をしていた。

 

そして今年、自身も長年憧れていながらずっと躊躇していた地を思いきって旅してきました。

 

 

 

現在では首都ウランバートルまで行くのであれば、たったの5時間ちょっとで行けるし航空券もさほど高くない。


しかしながら、一旦ウランバートルの外へ出て自由に旅をするとなるといろいろな障壁のために格段に難易度が高くなってしまう。

 

例えば

 

・国内線は予約が厄介で頻繁にキャンセルされる上、荷物の重量制限がきつくて撮影機材持参だと諦めざるを得ない。

 

・国際免許は通用せず、自力でのレンタカー旅ができない。

 

・舗装されている道路は限られた幹線のみ。それを外れると草原を貫く標識もない悪路(というより轍)しかなく、その悪路も時々刻々崩壊などでルートが変わり、状況に精通した現地の人でなければ運転不可。

 

・そのため広大な国土と悪路が相俟って膨大な移動時間がかかってしまう。

 

・とにかく店や食堂や宿など全く英語がダメで、モンゴル語(年配者ならロシア語)しか通じない。

 

・モンゴルに限ったことではないが、アウトドアでの(特に夜間の)撮影はどんな危険があるか情報がない。

 

このような状況の国なので、自身の旅行スタイルと相反してしまう上に割高になってしまうが、現地のガイドとドライバーをお願いした上で旅をすることに。

 

旅行時期は、観光客でごった返すハイシーズンの7,8月、更には雪で閉ざされてしまう10月以降を避け、その間を縫って9月。


更には氏が感嘆したという満天の星空を満喫すべく月の細い時期としました。

 

この時期選択は大正解で、オフシーズンの静かな南ゴビを旅しながら(観光向けでない)本物の遊牧民を訪問したり、砂漠の真ん中で星を撮影したり、平原で道に迷ったり、いろいろレアな体験ができました。

 

 

 

ゴビの砂のおかげで、帰国した今でもレンズを廻すとジャリジャリ音がして心臓に悪く、おまけにCanon純正タイマーリモコン(結構高い…)がひとつお亡くなりになりました。

 

以降写真の整理がつき次第何回かに分けて旅行記でも記すことにしようかと思います。
 

 

 

7月に引き続き伊豆の海触洞探索へ。



ほぼ通年で海遊びをやっていると、8月は鬼門になってしまう。

とにかく渋滞が激しいし(裏道を知っているので影響は少ないが…)、どの海岸も人で埋め尽くされ、駐車場は有料になるし、海上の監視はキツくなる…ほとんど良いことがない。

ということで、人混みを避けて海水浴客は間違っても来ない西伊豆某所の崖下で撮影してきました。
林道の端に駐車してガードレールの隙間から撮影機材を抱えて転げないように崖を降りていく。

海の中は波は穏やかだが、先日の降雨の影響か浮遊物が多くて透明度は5m以下。潜って楽しむのは諦める。

数100mほど泳ぐと4連の穴。



その中の一つに近づいてみると、見事な柱状節理。




内部の情景。



外の風景。



更に泳ぐと別の二連洞窟を発見。



中から外。面白い造形。



そして今回の圧巻はこの洞窟。



中に入ると全貌がつかめないほどの巨大な空間が空いている。おそらく伊豆でも最大級レベルじゃないだろうか。

ライトを忘れてしまったので辛うじて撮影できるのがここまで。これより先は暗黒なのでカメラは約にたたない。



遠くに反対側の出口が見えるが、暗いし足元が悪くてたどり着けない。100m以上の距離はありそう。

外側から回り込んだ反対側はこんな感じ。





海水浴シーズンが終了してから明かりを持ってリベンジですかね。


昨年の世界の新種トップ10にも選ばれ、摩訶不思議なミステリーサークルを作ることで話題になったアマミホシゾラフグ。

今月、子供向けにその生態を描いた絵本がほるぷ出版さんから発売されます。

アマミホシゾラフグ 海のミステリーサークルのなぞ (ほるぷ水族館えほん)

この本の中で、一昨年に奄美(正確には加計呂麻)で撮影した星景写真を使っていただきました。

しかも物語ラストのクライマックスの箇所で2ページぶち抜きで…ありがたいことです。

この写真なんですが。



ちなみに、この動画ではTime Lapseバージョンも見られます。



書店などで見かけたら手にとって頂ければこれ幸いかと存じます。
(リンクから購入などして頂ければもっと嬉しいですが^^)

とはいえ本人はまだ生で見たことはありません >> ホシゾラフグ。

話は変わって、先週あたりから広く知られるようになった奄美・龍郷に計画されていた某国の人向け巨大港湾リゾート。 

以前から話は聞いていて懸念していたのだが、中止になったということでホッとしているところです。

去年、裏山から撮影した龍郷の街明かりと天の川。




この光が更に明るくなって天の川が消えてしまう事態はさしあたっては避けられたようです。

自然を壊してリゾートやらゴルフ場というのは前世紀の価値観に過ぎず、今の時代にそぐわないことを多くの人々に周知できればと祈るばかり。