先ずは当日のダイジェスト動画をご覧ください。

江戸東京野菜コンシェルジュ協会江戸ソバリエ協会

共同主催し、総本家更科堀井 麻布十番本店で季節毎(年に4回)に行われている『四季の会』の今回は秋の会に参加しました。

 

今回も江戸時代からの江戸の食文化を学びつつ、江戸蕎麦と

旬の江戸東京野菜の共演を楽しませて頂きました。

 

この会は毎回、旬の江戸東京野菜などから料理研究家 林幸子先生(江戸ソバリエ協会理事)がレシピを考案され、そのレシピに基づき、更科堀井が調理する形式となっています。

 

※因みに、前回6月に開催された夏の会については下記から確認することが可能です。

季節を愛でる気持ち6⃣ 『更科蕎麦と江戸東京野菜を味わう 更科堀井 四季(夏)の会 』

 

そして当会において当初から7年間で林先生が考案された料理は、前回分までで全149品となっています。

 

参加者は、林先生が主宰するアトリエ・グー江戸ソバリエ協会江戸東京野菜コンシェルジュ協会の各会員の方たちととなっています。(四季に各1回、2日間連続、同じ内容で行われます)

 

会費は6,000円(税込)。飲み物は、含まれず各自注文の上

終了時精算となっています。

会場の総本家更科堀井 麻布十番本店は東京メトロ 大江戸線麻布十番駅より徒歩5分ぐらいです。

東京(江戸)の老舗お蕎麦屋さんの風情を感じますね。

会場は、店内奥のお座敷席です。

上記写真は、この日、調理されて登場する『江戸東京野菜』。

『江戸東京野菜』とは、江戸期から始まる東京の野菜文化を継承するとともに、種苗の大半が自給または、近隣の種苗商により確保されていた昭和中期(昭和40年頃)までのいわゆる在来種、または在来の栽培法等に由来する野菜のこと。

 

今回は、『千住ねぎ』、『滝野川牛ぼう』、『ごせき晩生小松菜』、

『紫芽(むらめ)』、『内藤南瓜』、『おいねのつるいも』、

『内藤唐辛子』)を使用した料理となります

(因みに『江戸東京野菜』は季節限定の野菜が多く、その上、今年の天候により予定していた野菜が集まらないこともあり、その選定が非常に大変だったようです。)

 

そして写真にはありませんが、野菜以外では、霧島サーモン、蛤、今帰仁(なきじん)アグー豚、鴨汁 が用意されました。

当会参加者限定、開催される2日間のみの特別な『献立』です。

司会進行は我らの江戸ソバリエ協会ほし理事長です。

先ずは、更科堀井堀井社長(中央奥)よりの歓迎の挨拶が

ありました。

大竹道重江戸東京野菜コンシェルジュ協会代表理事より、本日食す『江戸東京野菜』について説明がありました。

江戸時代からの東京(江戸)の野菜についての成り立ちなどについてエピソードを交えた説明は大変興味深いものです。

そしてこの会の為、季節毎に『江戸東京野菜』を使用した料理をお考え頂いている料理研究家で江戸ソバリエ協会の理事でも

あります林幸子(ゆきこ)先生から料理全品について説明が

ありました。

食事開始されます。

飲み物は各自(負担)で注文することになっていますので、私はいつも通り福島県会津若松の酒『名倉山(なぐらやま)』を熱燗でお願いしました。

お酒は料理の調味料ですね。

一品めは『霧島サーモンの江戸野菜カルパッチョ』です。

通常のマスターソースをわさびソースに、そして、千住ネギと紫芽(むらめ)を添えた前菜です。『和風カルパッチョ』ですね。日本酒の摘みにも合いますね。

 

※カルパッチョとは、生の魚介や牛肉を薄く切ったものにオリーブオイルやソースなどをかけたイタリア料理のこと。

 

養殖の美味しい魚は霧島サーモン.comまで気軽にお問い合わせください

霧島サーモンとは、鹿児島・霧島連山の綺麗な空気と豊かな自然水という、より自然の生育環境に近い条件で育てられた、引き締まった身と上品な脂のバランスに優れた完全無投薬の養殖サーモンのこと。

千住ネギ | 江戸東京野菜 | とうきょうの恵みTOKYO GROWN

千住ネギとは (JA東京中央会HPより)

千住ネギは、江戸時代、砂村から、千住に伝わってきた根深ネギ。千住はねぎ産地であったことから、集積地になり千住ネギの産地が他に移った後でも、千住に入荷したネギ(「千寿ネギ」はF1の別品種)を千住ネギと呼ぶ傾向にありますが、いわゆる「千住ネギ」の品種が残っています。

 

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※紫芽(むらめ)とは

紫蘇の若い芽のことで、大葉の双葉の芽を青芽(あおめ)、赤じその双葉の芽を紫芽という。 青芽、紫芽ともに刺身のツマや

薬味に使う。

二品目は『滝野川牛蒡入り蕎麦掻 山椒油添え』です。

生牛蒡をすりおろしたものをものを蕎麦掻きに加えている。

塩、山椒の油で頂きます。

古くから他の作物と練り合わせて風味を出すことも日本各地で行われてきたことは存じてますが牛蒡はなかったですね。

非常に斬新な発想に脱帽です。

 

滝野川牛蒡とは? (JA東京中央会HPより)

江戸時代元禄記(1688年~1704年)に滝野川村(現在の北区滝野川)で鈴木源吾により改良、採取され、地名を取って

滝野川牛蒡と名付けられました。国内で栽培される牛蒡の

9割以上は、この品種の血を受け継いでいます。

 

三品目は『ごせき※晩生(ばんせい)小松菜の蛤出汁お浸し』です。※『晩生(ばんせい)』とは、植物が、普通よりも遅れて生長すること。

お浸しとしての小松菜と蛤の食感の対比だけでなく蛤や昆布出汁のまろやかさも堪能できます。

 

江戸東京野菜「ごせき晩生小松菜」 | こんにちは!淀橋市場です 【新宿 淀橋市場】

『ごせき晩生小松菜』とは 

八代将軍・徳川吉宗が鷹狩りに出かけた際、小松川村で休息した。そこで接待役を務めた亀戸香取神社の神主が、この地で取れた青菜を彩りにあしらった餅のすまし汁を供したところ、いたく気に入り、「この青菜は何という名前か」「特に名はございません」「それでは"小松菜"と呼ぶが良い」となったとされています。
 時代は下り、小松菜発祥の地、江戸川区の後関種苗が、昭和25年より晩生小松菜の一系統から集団淘汰を続け固定。昭和38年に「ごせき晩生小松菜」と命名、市販しました。後関種苗は既に無く現在は、日本農林社が扱っています。

(JA東京中央会HPより)

四品目は『揚げ出し内藤南瓜のバラ海苔餡かけ』です。

南瓜特有のホクホクとした感じと上品な甘みそしてバラ海苔は海苔本来の姿なので旨味があり、非常に好ましいものです。

 

内藤かぼちゃ | 江戸東京野菜 | とうきょうの恵みTOKYO GROWN

『内藤南瓜』とは

角筈(つのはず)南瓜・淀橋(よどばし)南瓜

同じもので産地が内藤新宿から、角筈、淀橋に移ったことでその名がある。
 早生種で色は黒っぽい。初実は緑色。熟すに従い淡赤黄色に変化。晩熟は果実の表面に真っ白い粉がでる。果肉は厚く、外皮は薄い。ヘタの断面が五角形で肩がもりあがり、また実を裏返して花落ち部分をみると全体が菊の花の様。そこから「菊座」といわれるようになった。内藤家の下屋敷(現新宿)で生産された内藤かぼちゃは宿場の名物になり、周辺農家に発展し、角筈村、

柏木村で地域野菜として定着していった。

(JA東京中央会)

 

五品目は今帰仁(なきじん)アグー豚とおいねのつるいもの『蕎麦屋の肉じゃが』です。

かけそばの汁で煮ています。肉が柔らかく、脂に甘みと旨みが

あります。

 

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今帰仁(なきじん)アグー豚とは

全身が黒い毛で覆われ、背中が大きく凹み、腹が地面につきそうなほど垂れています。外見からは想像もつかないほど、肉質は優れていて、旨味成分のグルタミン酸を始め、多くのアミノ酸が一般豚の数倍以上含まれており、融点が低い脂の為、非常に甘味が強く脂肪分もコレステロール値が一般豚より低いという点が魅力です。コラーゲンが豊富で、美容・健康にも良いため、女性からも

注目されています。ただ一頭から取れる肉量は少ないです。

 

時のまにまに2 檜原村特産・おいねのつる芋

おいねのつる芋とは

江戸時代、わが国に伝わったとされる古いジャガイモです。

檜原村に伝わる伝統のじゃがいも、「おいねのつる芋」というのは、古くから山梨県都留地区との交流があった桧原村の

数馬地区へ山梨から種芋を持って嫁入りをしたおイネさんが

薮馬山荘(現在休業中)の何代か前の『おいね』さんで、その人が作り始めたとこの辺りでは言われています。

「つる」は「蔓」ではなく、山梨県の「都留」の地名から来ています。
 「おいねのつる芋」は江戸時代、わが国に伝わったとされる古いタイプのジャガイモでサイズは小さいが味は濃い。

 

六品目は『内藤唐辛子ピリ辛鴨汁 もり蕎麦』です。

そばつゆに鴨の油で揚げた『内藤唐辛子(赤色)』が1本入っています。優しい辛さとの説明がありましたが、それ以上のものが味わえました。千住ネギと共に蕎麦がすすみます。

 

About – 新宿名物、復活!内藤とうがらしプロジェクト|公式サイト

内藤トウガラシとは

内藤家の菜園(後の御苑)から広がった野菜の一つ。

品種は八房(やつぶさ)トウガラシ。「内藤新宿周辺から大久保にかけての畑は真っ赤に彩られて美しかったという。」(「新宿の今昔」より)。
 当時は成熟したものを漬物用や香辛料として使われていました。参勤交代のために江戸に屋敷を構えた各地の大名たちは、やがて下屋敷で故郷の野菜を栽培するようになり、現在の新宿御苑とその周辺に家康から受領した約20万坪以上もの屋敷を構えていた内藤家(後の高遠内藤家)では、内藤唐辛子

内藤南瓜をはじめとする野菜が作られました。
 とくに唐辛子に関しては、文化7年(1810)から文政8年(1825)にかけて幕府が編纂した「新編武蔵風土記稿」において、「世に内藤蕃椒(とうがらし)と呼べり」と紹介され、近隣の畑一面を真っ赤に染める光景は壮観だったといわれています。また江戸の食に欠かせない調味料として、七色唐辛子などで広く親しまれてきました。唐辛子売りの口上に、「入れますのは、江戸は内藤新宿八つ房が焼き唐辛子」ともうたわれていることでもその普及ぶりが想像されます。

 「内藤とうがらし」は 特定非営利法人おいしい水大使館 の地域団体商標です。

(JA東京中央会HPより)

そばつゆに薬味として千住ネギも加えます。シャキシャキしている食感が楽しめます。関西では栽培が盛んではなく、関東を中心にして流通している『江戸もの』ですね。

更科堀井の『もり』。そば本来の味と香りが良いですね。

残ったそばつゆに、サラサラの蕎麦湯を入れ、飲み干します。

そして最後となる七品目は『内藤南瓜 お汁粉』(デザート)です。

小豆の代わりに内藤南瓜を使うことであっさりした味わいでカロリーも控えめ、加える甘味であるメープルシロップはサラッとしていて甘さが後を引きません。

 

メープルシロップとは

サトウカエデの樹木から出る樹液を、約40分の1まで煮詰めて

つくる天然由来の甘味料です。

本当に蛇足ですが終了後に行う、飲み物の精算用のカードです。私はAテーブルの1番だったようです。

今回食したものをリマインドします。

総本家 更科堀井 麻布十番本店

創業:寛政元(1789)年

住所:東京都港区元麻布3-11-4

電話:03ー3403-3401(代)

営業時間

≪平日≫
【昼の部】
11:30~15:30(L.O.15:00)
【夜の部】
17:00~20:30(L.O.20:00)
≪土日祝≫
11:00~20:30(L.O.20:00)
土日祝日は通し営業。
座席:70席 完全禁煙

アクセス:

東京メトロ 日比谷線六本木駅3番出口より徒歩10分

東京メトロ 南北線麻布十番駅4番出口より徒歩7分

東京メトロ 大江戸線麻布十番駅7番出口より徒歩5分

今回も江戸から東京に続く伝統野菜について江戸蕎麦と同様に調理方法を含めて学びながら同時に食して実感し楽しむそんな機会を得られた事に感謝したいです。

 

次回、春の会も楽しみです。

 

【過去の『四季の会』ブログ】 

ご興味のある方は下記をクリックしてご覧ください。

更科堀井 冬の会2021

更科堀井 冬の会2020 更科堀井 秋の会2019

更科堀井 夏の会2019 更科堀井 春の会2019