先ずは当日のダイジェスト動画をご覧ください。
共同主催し、総本家更科堀井 麻布十番本店で季節毎(年に4回)に行われている『四季の会』の(初)夏の会に(コロナ渦の為、春ではなく初夏となりました)参加しました。
今回も江戸時代からの食文化を学びつつ、江戸蕎麦と旬の江戸東京野菜の共演を楽しみました。
この会は毎回、旬の江戸東京野菜から料理研究家 林幸子先生(江戸ソバリエ協会理事)がレシピを考案され、そのレシピに基づき、料理は更科堀井が用意する形式になっています。これまでの
7年間で143品の林先生が考えられた創作料理が供せられたとのことです。
『林先生凄い!!』
参加者は、林先生が主宰するアトリエ・グー、江戸ソバリエ協会、江戸東京野菜コンシェルジュ協会の各会員の方たちととなっています。(四季に各1回、月・火曜日と2日間連続、同じ内容で行われます。今回は、コロナ渦のイレギュラーとして6月9(木)・10日(金)『(初)夏の会』としての開催となりました。)
総本家更科堀井 麻布十番本店は東京メトロ 大江戸線麻布十番駅より徒歩5分ところにあります。
いつもながら風情を感じます。江戸蕎麦の老舗が大好きです。
更科堀井本店奥の座敷が会場です。
先ずは今回供せられる「旬の江戸東京野菜」を確認します。
【今回の旬の野菜】
「足立のつまもの」から三品
➀つる菜
つるな(蔓菜)は、暖かい地方の海岸に見られるツルナ科の一年草。日本原産で、昭和の初め頃までは夏の自家菜園で重宝された懐かしの伝統野菜。
葉は肉厚で、生のままかじってみると苦味と少量のしょっぱさが口に残る。欧米では「ニュージーランド・スピナッチ」と呼ばれ、ホウレンソウと同じような 方法で食用にされたり、またサラダに使用されたりもする。日本料理では、「椀だね」として芽の部分だけを吸物に使われることが多い。
➁鮎蓼(あゆたで)
足立区などで生産される香辛野菜。「葉たで」ともいい、若い茎葉をすりつぶし、鮎の塩焼きに欠かせない調味料「たで酢」に用いる。
➂紫芽(むらめ)
紫蘇の若い芽のことで、赤じその双葉の芽を紫芽という。
刺身のツマや薬味に使う。
足立のつまものとは?
(漢字で「妻物」と書き、さまざまな料理に添えて季節感や風味を演出し、特に和食には欠かせない存在の野菜です。中でも、穂ジソ、ツル菜、木の芽、鮎タデ、あさつき、メカブ、紫芽(むらめ)の7種類が「足立のつまもの」といわれています。)
そして、デザート用として三鷹、小金井産の枇杷が用意されています。
本日の『献立』。開催される当会2日間のみの特別な献立です。
司会進行は江戸ソバリエ協会ほし理事長です。
更科堀井堀井社長(右奥)より歓迎のご挨拶を頂きました。
大竹道重江戸東京野菜コンシェルジュ協会代表理事より、本日食す初夏の江戸東京野菜について説明がありました。江戸時代からの東京(江戸)の野菜についての歴史やエピソードを交えた説明は非常に興味深く、『江戸の食文化』好きには、堪らないものです。
そしてこの会の為、季節毎に江戸東京野菜を使用した創作料理をお考え頂いている料理研究家で江戸ソバリエ協会の理事でもあります林幸子(ゆきこ)先生から料理全品について説明がありました。
スタ-トです。
お酒は各自負担で注文することになっていますので、私はいつも通り福島県会津若松の酒『名倉山(なぐらやま)』を 熱燗でお願いしました。
お酒は料理の調味料ですね。
寺島茄子の冷やし鉢
寺島ナスとつる菜で、素揚げした寺島ナスとつる菜を夏の炊き合わせにして、彩にエビを加えた一品。
明日葉とトロロのゆる蕎麦掻き
柔らかい蕎麦掻きにトロロ、それに茹でてみじん切りにした明日葉と蕎麦味噌が添えられています。
またテーブルにある、そば(辛)汁を加えて食べるのも好ましい。参加者からはわさびを効かせてもとの声もちらほら出ています。
つる菜とアグー豚肉の重ね蒸し
※1アグー豚のバラ肉の薄切りと※2つる菜を3段重ねで蒸し、その上にとろみをつけた蕎麦つゆをかけている一品。
※1アグー豚とは
➀由来:アグーは、沖縄固有の貴重な豚です。 今から約600年前に中国から導入され、沖縄で飼い続けられていた小型の「島豚」が由来となっています。
➁肉質:霜降り肉で脂に甘みと旨みがあり、一般的に市販されている豚肉に比べて肉質が優れていると評価されています。
※2つる菜
葉は肉厚で、生のままかじってみると苦味と少量のしょっぱさが口に残る。
むら芽切り蕎麦サラダ
※むら芽切りは、紫蘇を蕎麦に練り込んでも予想したように紫の色が出ないことから、練り込んだ後、むら芽と千住ねぎをまぶして、サラダ仕立てにして、そばつゆで食べます。
※むら芽
紫蘇の若い芽のことで、赤じその双葉の芽を紫芽という。
刺身のツマや薬味に使う。
むら芽は高価な食材ですが刺身のつまとしての利用のみとのことでした。
塩で食べるのも美味とのことでしたが、その前に喉越し良く、
全て食べてしまいました( ´∀` )
鮎蕎麦(鮎は岐阜県郡上市和良川に住むブランド鮎『和良鮎』を使用):稚鮎の唐揚げをのせたかけ蕎麦に鮎蓼オイルがかけてあります。
蓼を一緒に汁の中に入れても香りが飛んでしまいます。
鮎蓼(あゆたで)は、足立区などで生産される香辛野菜。「葉たで」ともいい、今回(若い茎葉をすりつぶし、鮎の塩焼きに欠かせない調味料「たで酢」に用いる)はサラダオイルと一緒にペーストにして、それをかけて、溶きながら食べて頂く。
鮎の食べ方としては、新しい食べ方です。皆に好評ですので
更科堀井のメニューに載るかもしれませんね。
鮎蓼(あゆたで)オイル
鮎蓼を湯通しして油と共にミキサーにかけてペーストしたもの
旬の稚鮎の苦みも良いですが、更科蕎麦のつるつるとした喉越しと対照的に追いがけまでした鮎蓼オイルを含んだそばつゆが口中に残り何とも言えない後味の良さを残してくれます。
枇杷の※コンポートゼリー
枇杷は現在が旬、東京でも小金井や三鷹で作られています。
因みに※コンポートとは?
果物の果実を丸ごと、または大きめにカットし、薄い砂糖水などで煮て、保存可能にした食品の総称です。
更科堀井河合料理長からもご挨拶を頂きました。
今回もしっかりと堪能させて頂きました。満足です。
【過去の『四季の会』ブログ】
ご興味のある方は下記をクリックしてご覧ください。
今回食したものを纏めました。
創業:寛政元(1789)年
住所:東京都港区元麻布3-11-4
電話:03ー3403-3401(代)
営業時間
≪平日≫
【昼の部】
11:30~15:30(L.O.15:00)
【夜の部】
17:00~20:30(L.O.20:00)
≪土日祝≫
11:00~20:30(L.O.20:00)
土日祝日は通し営業。
座席:70席 完全禁煙
アクセス
東京メトロ 日比谷線六本木駅3番出口より徒歩10分
東京メトロ 南北線麻布十番駅4番出口より徒歩7分
東京メトロ 大江戸線麻布十番駅7番出口より徒歩5分
今回も江戸から東京に続く伝統野菜について江戸蕎麦と同様に調理方法を含めて学びながら同時に食して楽しむ機会を得られた事に感謝したいです。
次回からは、元の定期性を持った会に戻って開催されることを節に期待します。
旬の摘みも良いですね。四季の会以外でまた来よう( ´∀` )