今回も春に続き江戸東京野菜コンシェルジュ協会と私が所属する江戸ソバリエ協会が共同主催し、総本家更科堀井 麻布十番本店で行われる『四季(夏)の会』に参加、更科蕎麦と江戸東京野菜の旬のものとの共演を堪能させて頂きました。尚、この会は、料理研究家の林幸子先生が主宰する「アトリエ グー」の会員と、江戸ソバリエ協会、江戸東京野菜コンシェルジュ協会が各16~7名を2日に分けて募集しています。

『更科蕎麦の鳴子瓜薄化粧』

会場は総本家更科堀井麻布十番本店です

今回供せられる夏の江戸東京野菜(明日葉、八丈オクラ、寺島茄子、滝野川牛蒡、鳴子瓜・真桑瓜、お稲の都留芋)です。今回は天候不順もあり選定に苦労されたようです

 

そしていつものように江戸ソバリエ協会ほしひかる理事長の司会進行で18時に始まりました

初めに、更科堀井の堀井社長のご挨拶。そして


今回供せられる『夏の江戸東京野菜』の説明を江戸東京・伝統野菜研究会大竹道重代表より頂戴しました 詳細は江戸東京野菜通信をご確認ください

今回の『献立』です。

料理研究家林幸子先生が食材を選んで、料理を発想する。今回も今までにないメニューが決まり、そのメニューを先生より説明頂きました。楽しみです(右は更科堀井・堀井社長)

いつものように福島の銘酒『名倉山(なぐらさん)』をぬる燗にて

また『千住ねぎ』は食べ放題です。どの料理にも合います

それではスタートです

明日葉の擂(すり)流し
明日葉には独特の香りがあり、そのままお浸しにした場合食べづらい人もいることから、すり流しとなりました。夏を超える体力キープに必要な食材です


八丈オクラの肉巻照焼き

『八丈オクラ』を長い形状のままに食べられるように、東京X(東京ブランド豚)の肉を巻いて、そばつゆを使って照り焼きにしたもの

滝野川系柳川牛蒡の搔揚蕎麦ガレット 檸檬塩風味

滝野川系柳川ゴボウでガレットを作って、かき揚げの下に敷き、レモンの皮と塩で食べる。
搔揚天婦羅には、中に柳川ゴボウが入っています。

搔揚の下に蕎麦粉のガレットが敷かれています。ガレットと一緒に天婦羅を食べます。

更科蕎麦の鳴子瓜薄化粧

鳴子瓜(なるこうり)をピュレにして掛け,瓜のメロンの香りと甘さとそばつゆのしょっぱいさの対比をぶっかけ風に味わいます。夏らしい一品です

寺島茄子の冷し鉢

穴子で出汁をとった茄子の揚げびたし、添えられた穴子も良いです

お稲の都留芋蕎麦(おいねのつるいも)

お稲の都留芋はきめが細かくまた硬くしっかりしている江戸時代のジャガイモです。今回十割そばの繋ぎに使ったことから、コシのある韓国の冷麺のようなそばになりました。

蕎麦に塩で先ずは味わいました。

そばつゆは甘汁です

江戸正統の蕎麦湯を頂きます

デザートとしてお稲の都留芋焼菓子(シュークリーム)
シュー生地には粗挽きのそば粉を使い、中のクリームにはお稲の都留芋が使われています。
ジャガイモのクリームには、蜂蜜と生クリームで味を緩めています。

 

最後に、更科堀井本店河合料理長からのご挨拶がありました。因みに河合料理長は、穴子を捌いた料理の名人とのことです

 

昔、江戸の町ではどんな野菜を食していたのでしょうか?それを今でも食べているのか?そしてそれは未来永劫可能なのか?など、江戸期から江戸やその周辺で作られた野菜(『江戸東京野菜』についても『江戸蕎麦』同様、江戸の食文化の一つとして私は興味があります。

 

ゆえに今回も江戸から東京に続く伝統野菜について江戸蕎麦同様学びながら食する機会を得られた事に感謝しつつ、次回の秋の会を楽しみにしたいと思います。

 

尚、当然ながら江戸東京野菜には定義があります。(詳しくはJA東京中央会ホームページへ)

※江戸東京野菜は、現在50種、江戸期から始まる東京の野菜文化を継承するとともに、種苗の大半が自給または、近隣の種苗商により確保されていた昭和中期(昭和40年頃)までのいわゆる在来種、または在来の栽培法等に由来する野菜のことです。