あなたのとなりにいる 中年男子の本棚 -29ページ目

その18  かみさんにこの本を勧めたら気を悪くするだろうか・・・。

夢をかなえる「そうじ力」 舛田光洋  総合法令 1260円

著者は同世代の1969年生まれ。そうじ力研究会代表、天国的価値観を提供するヘヴンワールド代表、と書いてあります。(う~ん、怪しい)

読んだ実感、「そうじ教」または「ぞうきん教」の本。特に後半部分。でも、宗教のように抵抗はなく、掃除をすること自体は良いことには違いないから、すんなり著者の主張も受け入れられます。
早速、掃除をしたくなる(妻にはさせたくなる)気にさせること間違いなし。が、タイトルにも書いたように、この本を妻に勧めること自体、家の中をきれいにして欲しいと暗に言っているようなものだから、上手く勧めないと怒り出すかも知れません。中年男子、妻への一言にも何気に気を遣います。

著者は始めに、「マイナスを取り除く掃除力」について述べています。
人間プラス志向だけでは行き詰まる・・。正直私もプラス思考の本ばかり読むと、疲れを感じることがあります。プラス志向の本は元気な時に読むと効果的ですが、心や体が疲れているときに読むと逆効果のような気が確かにします。著者はこの状態を「サイドブレーキを引きながら高速道路を走る車と同じ」と表現しています。
まず、サイドブレーキ(マイナス思考)を解除しなくてはならない。何が必要か→掃除。

汚れたモノにはマイナスの磁場が形成されているのです。だからそれを取り除く。
著者が述べている具体的な方法をまとめてみると次の通りです。

①朝晩一日二回の部屋の換気
②ゴミやガラクタ、古いものを捨てる。
 1.心に悪影響を与えるものを捨てる(エロ本、エロビデオ、低俗な雑誌等)
 2.過去の思い入れを捨てる→過去の栄光の埃をかぶったトロフィー、元カノの手紙や写真等
 3.未来への期待と不安を捨てる→いつか使うかもしれない資料、使わない新品の食器、新聞のスクラップ記事等
③汚れ取り→食べこぼしのシミや、綿ぼこり、風呂場のカビなどの「汚れ」はあなたの心が現在どんな状態 かが分かる。それを取り除く。
④整理・整頓→すべて置き場所が決まっている状態は磁場を整える働きがある。周囲のものがあるべきところに納まっていると、自ずと自分自身の役割も明確になってくる。
⑤炒り塩→最後の総仕上げで、残りのマイナスエネルギーを塩に吸収してもらう。(粗塩をフライパンで5分 間炒って水分を飛ばし、部屋に撒いて、後から掃除機をかける)

ところで、金銭問題を抱えた人はトイレ掃除に専念するのが良いそうです。とにかくトイレをきれいにする。これまでにどこかで、”トイレには神様が宿っている。だから運気(ウン気?)を良くしたければ、トイレを掃除すると良い”みたいなことを聞いたことがありませんか?
さっそく、妻にトイレ掃除をさせたいしたいと思います。

ここからは、夢をかなえる「そうじ教」の教典です。

「ゴールデンルール」→”自分にしてほしいと思うことを人に与えよ。”この法則だけが宇宙に遍満する「繁栄のエネルギー」を流し込むことができる。「常に最高の自分を差し出し、多くの人に貢献するぞ」と生き、実践した時にこそ、最高の成功の中に生きることができる。

成功に接続するプラグ「感謝」→”人にしてあげる”という自己犠牲的、偽善な気持ちであってはならない。周りの人・世の中があるから自分がある。そのことに「感謝」して最高の自分を周囲に与えていく。


「ありがとう空間」の作り方→身近な人を思い浮かべ、「ありがとう」と感謝の気持ちを込めながら、ぞうきんで掃除をする。最初は感謝の気持が起きないかもしれないが、その場合は「ありがとう、ありがとう」と口で唱えながら雑巾で掃除をしなさい。

あなたが幸せになるには、周りを幸せにして下さい。これは同時に、周りが幸せになれば、あなたも幸せになるということです。

「三日坊主法」→掃除が三日続けばよしとする。休んでまた「三日坊主」すればよい。
「21日パワー法」→三日坊主を7回続けなさい。21という数字はとてもパワーのある数字。潜在意識に何らかの影響がある。

「塵を拾い、垢を除かん」と繰り返しながら、ほうきで掃いて掃除をしなさい。


中年男子が掃除を妻にさせたいする気にさせたのは ★×4.5です。

人生カンタンリセット!夢をかなえる「そうじ力」/舛田 光洋
¥1,260
Amazon.co.jp




その17  本のタイトルも広告コピー?

広告コピーってこう書くんだ!読本  谷山雅計 宣伝会議  1890円

誰かの書評でこの本の評判を聞き、アマゾンで検索したら★×5で迷わずクリック購入した本です。
届いて本を開いて、ビックリ!「字が大きい~。」
たとえて言うなら、小学校中学年の教科書位の字の大きさ。これで1800円+税は高いな~ハードカバーで装丁に金がかかりすぎ?・・・。と始めは思いました。

著者は東大を卒業後、博報堂に入社。その後(有)谷山広告を設立。現在まで一貫して広告コピーを書き続けています。おもな作品に「ガス・パッ・チョ」、「日本の女性は美しい」、「Yonda?」等があります。

書いてあることは単純なんだけど「なるほど」と思うことばかり。この字の大きさなら1時間で読めると思っていたら、ふむふむ・・と思考しながら読んだ結果、2時間以上かかってしまいました。

この本から、良いコピーを書くための10カ条を私なりにまとめてみました。
1.「なんかいいよね」禁止。→良いと思った映画や本等、なぜ良いと思ったのかその理由を考える習慣を持つ。
2.良いコピーを書くにはとにかくたくさん書く。散らかす(多くの切り口を探す)→選ぶ(受け手に意味のあるものを選ぶ)→磨く(言葉をブラッシュアップする)
3.コピーの本体から書こうとするのではなく、対象物のキャッチコピーをたくさん書く作業から始める。
4.コピーは短く簡潔に書く。
5.コピーの目的は「描写」ではなく、自分のペンの力で今ある状況を何とか変えて見せようとする「解決」である。
6.世の中の決まり文句を疑う。
7.コピーは”書き手の喜び”と”受け手の喜び”を一致させること。その方法は「意味で書いて生理でチェックする」(論理や意味で書いて、、それを後で自分自身で「生理的にどう感じるか」とチェックする)
8.”みんなが言いたいことを言わせてあげる、気持が口をついて出るように仕向ける”つもりで書く。
9.カタチのうえだけ納得するコピーではなく、商品を買いたくなるような「なるほどね」という”本当の納得”の気持ちが現れるコピーを目指す。
10.「そりゃそうだ。(=常識)」「そういえばそうだね。(=よく考えると納得)」「そんなのわかんない。(=万人に理解できない芸術の域)」のうち、世の中の「そういえばそうだね」を感じ取る時代感覚が必要。

ところで、私のブログのタイトル「あなたのとなりにいる 中年男子の本棚」はコピー的にどうでしょうか?
タイトルを1週間ほどかけて考えたのですが、その時やった作業はやはり、2(いっぱい書く)でした。普通のサラリーマンのブログという意味を込めて当初は「さえない中年男子の~」としたのですが、読者は増えませんでした。これは7(生理的にどう感じるか)に反していたのでしょうね。さえない人のブログなんて誰も読みたくないですから。

こんな感じで、仕事やプライベートでも使える「コピーの作り方」が読みやすく書いてある本でした。


ここからは「コピーってこう書くんだ!」と思ったところです。

発想体質を作るために「なんかいいよね」禁止。なぜ良いと思ったのか、理由を考えることから始まる。
カッコつきでその人にとっての正しさやその人にとっての幸せを考えることができれば、自分と違う人たちとモノとの関係性が見えてきます。こういう考え方ができるようになると、いっぺんに視点が広がるような気がします。昔の自分が感じた気持ちをきちんと覚えておくこともとても大切です。

上手なボディーコピーを書きたいと思うなら、いきなりボディーコピーを書こうとはしないこと。その理由は「ボディーコピーの良し悪しは、文章力で決まるものではなく、対象物への思考の深さで決まる。」からです。

広告はふつうの人の知性を期待してもいいが、ふつうの人の意欲を期待してはいけない。うまい人のコピーは「誰もコピーなんて読みたいと思っていない」という出発点から書き始めて「じゃあ、どうやってそういう人を振り向かせるか」と発想していくから、自然と短く、強く、シンプルになっていくのだと思います。

コピーは「描写」しているだけではダメ。別の「解決」につながることを書かなくてはなりません。「自分のペンの力で今ある状況を美しく書こう」と思うのではなく、「自分のペンの力で、今ある状況をなんとか変えて見せよう」と思うことです。

いいコピーを書こうと思うなら、世の中で言われている決まり文句をそのまま受け入れるのではなく、本当に自分がそう感じるのか、本当に世の中の人たちがそう思っているのかを、ちゃんと検証する目をもつべきでしょう。それができていないコピーは、しょせんウソ(のコピー)です。要は、コピーを書いたときに「本当にこう思っている人はいるのだろうか」と、しっかり考えることができるかどうか、です。

人間は言葉を書くときに、”意味や理論で書く”のですが、読んだり聞いたりして受け取るときには、意味よりも先に”生理的な部分”で受け取ります。「コピーは意味で書いて、生理でチェックする。」

広告が広く世の中で話題になるためには「みんなが言いたいことを言わせてあげる」という考え方が大切です。気持ちが口をついて出るように仕向ける。

コピー本来の役割は「商品を買いたい」というところまで受け手の気持ちを促すことにあるのですから、目指すべきは”かたちだけの納得”ではなく、”ほんとうの納得”です。

正論を表現するときこそ、サービス精神が必要です。正しいことを言おうとするからこそ、真面目でつまらなかったり、押し付けになったりしないように、コピーにも工夫が欲しいわけです。

そりゃそうだ=常識、そういえばそうだね=コピー、そんなのわかんない=芸術。コピーの納得が生まれるポイントは、「そういえばそうだね」という”知っているのだけれども、ふだんは意識の下に眠っているもの”を言語化することにあるような気がします。

世の中の新しい概念は、常に最初は「そんなのわかんない」の頃に現れて、それがあるときに「そういえばそうだね」に移り、やがて「そりゃそうだ」になっていく。時代の感覚は、つねにそういう方向に移り変わっていくんじゃないかと考えています。コピーライターに必要な時代感覚とは、その感覚を把握していることです。


この本の中年男子「コピーってこう書くんだ!」と思った度は !×4 でした。
広告コピーってこう書くんだ!読本/谷山 雅計
¥1,890
Amazon.co.jp



その16  30代のうちに読まなくちゃ

30代で差をつける人生戦略のノート  牛堂登紀雄 三笠書房 1365円

著者は中央大学経済学部卒。米国公認会計士。都内の会計事務所勤務の後、アーサー・D・リトルの経営コンサルタントとして活躍。現在は㈱プレミアム・インベストメント&パートナーズの代表取締役として不動産投資のコンサルティング等をされています。「33歳で資産3億円をつくった私の方法」の著者です。

最近、公認会計士の方の活躍が目立ちますね。勝間さんしかり、山田真哉さんしかり。この方たちに共通するのは職業だけではないことに気がつきました。若い時に苦労しているようです。必ず、著書の「はじめに」で苦労話を書いています。勝間さんは学生出産後の苦労。山田さんは大学卒業後就職した会社をすぐに退職。しばし無職の期間があります。この著者も大学在籍中やる気をなくして授業に出なくなり除籍処分になりかけたそうです。その後いきついた職業が「公認会計士」なんです。勝間さんは初めから公認会計士を志していたようなので少し違いますが、結果としてこのような大逆転を可能にするとは、私ももう少し若かったら職業を考え直していたかもしれません。

格差社会と言われて久しい世の中ですが、これからの時代のルールとして著者は「頑張った人は報われてそうでない人はそれなり」と始めに断言しています。当たり前のように聞こえますが、「所得格差の原因は頭を使って仕事をする人と、頭を使わずに仕事をする人の差が大きくなっている」のであり、「頑張るとは適切に頑張ることで、努力の方向性を間違うと、膨大な時間をかけたのになかなか成果を出せない」という意味なのです。この本はその「適切な努力で頑張るためのハウツー本」です。

全体としての印象は勝間さんの10倍アップ~と似ていましたが、組織人・会社員として参考となるヒントはこの本の方が多く載っていると思います(特に後半)。時々読見直して確認したいと思う本です。

しかし、「安定とはたった一人で放り出されても、ゼロから3年で一億円稼げるようになること」という太字の著者の主張にはぶっ飛びました。多分自分のことを述べたんでしょうが、なかなか簡単になれるものではありませんよね。(この記述はない方がすんなり受け入れられたのに)


ここからは一介のサラリーマンとして参考となったところです。

一見単調に見える仕事でも、どうやったらもっと効率的にできるか、どうやったらお客様に喜んでもらえるか、という問題意識を持って仕事に取り組んでいる人は、そうでない人に比べたら、わずか数年で大変な力量の差がつく。

ラッキーショットは決して何度も出るものではありません。プロセスを検証し、因果関係を洞察しようとしないと「一発屋」で終わるのです。

本当のホワイトカラーとは、自ら課題を設定して、自分の頭で考えて問題解決し、価値が出せる人のことです。時間と労働力を切り売りしていては、賃金の安い労働力に確実に負けてしまいます。

日々のビジネスで重要なのはその制約条件の中でいかに目的を達成するかという「打開策」を考えることです。「できない」「無理」「しょうがない」「そんなもんだ」そう思った瞬間に僕たちの思考は停止しますから、そこで諦めないで打開策を考える。そこが、本当に「問題解決型の思考力」を持つ人と持たない人との別れ道です。

選択肢を数多く持って選べたり、自分がルールを作る側に回ったりするためにはどうすればよいかというと、勉強することです。世の中のルールは賢い人たちが作っている。勉強しないのは確かに今は楽かもしれないが、結局は賢い人たちに搾取され続け、人生全体で見たら大損です。

アウトプットを意識した勉強をすること。インプットに終始して外に現れないスキルは意味がありません。ビジネス書や自己啓発本を読むときは、後にあなたの行動を変化させるものでなくては意味がありません。

自分が考えていることを紙に書き出すことによって、あいまいな思考を絵や文字として現実世界に固定することができます。思考を最後まで完結することができますし、同じ思考が壊れたレコードのように繰り返されることもありません。

集中力は鍛えることができます。目の前の仕事や勉強に没頭すれば、集中力も筋肉と同じように発達し、より高度な集中力を身につけられるようになります。そのトレーニング法とは、疲れてもう駄目だと思った時に「もうひと頑張り」することです。

自分のマシン性能を高めるためには、努力し続ける意志の強さに加えて、「挫折しない環境づくり」が重要です。そのためのちょっとした出費や時間や労力は「必要な投資」として捻出してください。

斜めに構えて言われたからとりあえず片付ける、ルーチンワークをこなす、というスタンスでは、当然のことながらやりがいを見出すことも、新しい価値を創出することもできません。言われた仕事をやるだけのほうが楽ですが、「やれされ仕事」は何をやっても面白くないのです。・・・会社で不満を口にするのであれば、その後に続けて「私にやらせて下さい。私ならもっとうまくやれます」と言えるかどうかです。

「人のキャリアの80%は偶然できまる」というハップンスタンス・セオリーはご存知でしょうか。誰かが頑張っている自分を見て評価してくれる。人を紹介してくれる。キャリアのチャンスというのは受け入れる準備が出来たときに突然やってくるのです。今の仕事が自分のやりたいことではないと感じても、それで手を抜いたりするのではなく、とにかく期待された以上の成果を出すにはどうすればよいか、何か自分ならではの新しい価値を創造できないか、自分の頭で考えながら取り組むことです。部長や社長の立場を想像して、「一段高い視点」でモノを見て行動するのです。

成功する人は「自分の評価」をコントロールしている。
→与えられた仕事で期待された以上のアウトプットを出す。フットワークの軽さと声のかけやすさ。自分から積極的に会議や社員提案で意見を発表して「自分のなりたい像」を発信していく。一方で他者からの評価(自分がどのように見られているか)にも目を向けるべき。周囲のマイナス評価も直視する勇気を持つ。

「コピーセンス」はその他大勢から抜け出すマジック
→自分ブランドを確立する上で欠かせないスキル。自分はどう感じたか、自分ならどう考えるかを表現する。

時間とは「人生最大の資源」、「自分の時間も投資と同じ」。今自分がやっていることはどういう意味があるのか、どういうリターンが見込めるのかを、常に定義するようにしてください。そうすれば結果として自然に時間を上手に使えるようになります。

すべてにおいて先手を打つ。予定は先に言ったもの勝ち。仕事の依頼があったときはイエスでもノーでも、すかさず返事をする。(迷った挙句に返事をしても乗り気じゃないと思われるし、断った場合は相手を期待させておいて落胆させるという、マイナスイメージしかつかない)。決断が遅いことは全てにマイナスに作用する。

今すぐする習慣が大きな差となる。どうせやらなくてはならない事なら、直ぐにやりましょう。やるべきことがあると気がかりなことが増えて心の負担が増えます。やるべきことをどんどん片付けていくというのは、心の平穏を保つ意味でも重要です。

誰と一緒に仕事をするのか誰と一緒に生活するのか、意識して選ぶ必要があります。品性のない人からは一目散に逃げ出し、マイナス思考の人とは距離を置きましょう。言葉遣いの粗い人と仕事をすると自分もそうなります。不平不満をいう人の近くにいると、自分もつい不平不満を口にするようになります。


この本の中年男子の「差をつけられるようになった気分」は★×4 でした。

30代で差をつける「人生戦略」ノート―最短・最速で結果を出す「頭と時間」の使い方/午堂 登紀雄
¥1,365
Amazon.co.jp