その100 マイナスイオンたっぷりのつぶやき
逃げる中高年、欲望のない若者たち 村上龍
共感はするが、買ってまで読まなくても良いような・・・。
この人はタイトルをつけるのが上手い。タイトルに惹きつけられ購入した人も多いと思う。でも、書いてあることは至って普通。驚くようなことは何も書いていない。
欲望がないのは、若者がある程度満たされているから、あえて困難な道を選ぼうとしていないだけのこと。至極単純な論理である。この国は財産を少しずつ食いつぶしながらゆっくりと衰退していく。
定年を迎える団塊世代には、それほど能力が無くても国全体がそれを中流にまで支える活力や経済力があった。そして何より、もっと豊かになりたいという欲求があった。
今や、豊かになりたいという欲求は社会全体にはない。この状況に困難よりもそこそこでいいやと若者は思うだろう。
この人は冷めた目で見ている。まるで自分とは関係の無いような第3者的な立場で。
村上龍らしいといえばそのとおりの、マイナスイオンたっぷりのつぶやきであった。
逃げる中高年とはあなたのことか?
☆×2
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