~100年企業を目指して~理念浸透と人材育成の教科書~ -94ページ目

~100年企業を目指して~理念浸透と人材育成の教科書~

100年続く会社の生存率を考えると奇跡に近い。1代の経営者で終わらず4~5代の経営者がバトンを繋ぎ続ける。そこに何かロマンを感じますね。どんな秘密があるのか。経営の量ではなく、経営の質に拘ったコンテンツをお送りします。

『ゼロがないから夢や目標が達成しない』
※2014年配信より


今日のテーマは
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ゼロ(=なぜ?)に立ち返る
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「なんで会社名がZEROなんですか?」
と名刺交換するタイミングでよく質問されます。

先日は
「いまZEROブームですよね?」
とも言われました。

ネット等で調べてみると
「カロリー ゼロ」「ゼロ思考」、「ゼロ(堀江氏の書籍)」
「NEWS ゼロ」等が出てきました。

私の言う「ゼロ」にはいろいろ意味があるのですが、
その一つが「目的」。つまり「なぜ?」と質問に
明確に応えられる回答があるかどうかです。

「なぜ○○をするの?」
「なぜ△△ではいけないの?」
なぜ?なぜ?と問いかけていくことを

「なぜなぜ攻撃」と言うらしいです。

ビジネスの場面では「なぜ」が大事だと教えられながら、
馬鹿正直に「なぜ」を使いすぎると周囲から

「こいつ面倒くさい奴だな。言わなくても分かれよ!」

といった冷たい視線を感じます。
こんな経験を味わったことがある方はいますか?

でも煙たかれようが、あえて強調したいと思います。
「なぜ」が最も大事だと。

なぜかと言えば、困難にぶつかる、物事が思い通りに行かない時、
立ち返る場所が「なぜ=0」なんです。
仕事において、何の障害もなくスムーズに

運ぶことはまずないですよね。

なぜ自分はこの事業を始めたのか?
なぜ自分は会社を経営しているのか?
なぜ自分はこの会社で働いているのか?
なぜ自分はこの仕事をしているのか?
なぜ自分は部長職を引き受けたのか?

壁にぶつかると、こんな問いかけを自分にするでしょう。
そして問いへの回答がなければ、ただ迷走するのです。

大きな夢や目標を持て!と教える人がいます。
半分は正解だと思いますが、半分は不正解です。
夢や目標を描いても、なぜ○○という夢なのか?

なぜ○○という目標なのか?

「なぜ」がない夢や目標は、途中で心が折れやすい。
「なぜ」があるから、やり直すことができるのだと思います。

あなたの夢や目標には、「なぜ」がありますか?
ゼロに立ち返ってみましょう。

『退職の勧め~会社を辞めた方がいい人~』


ジェームズ・C・コリンズ著書『ビジョナリーカンパニー2』には
適切な人をバスに乗せ、適切でない人をバスから降ろす
という一文があります。

適切でない人とは誰か。

1つの見方は、会社の理念・クレドからズレている人です。

ですから理念・クレド浸透を本気で進めていくと、
退職者が出るという現象は仕方がないですね。


もう一つの見方は、消燃性の人です。

情熱で分類すると5タイプに分かれると教わったことがあります。

・発燃性:他人をやる気にさせられる人
・自然性:自らやる気になれる人
・可燃性:他者から影響を受けてやる気になる人
・不燃性:なかなかやる気にならない人
・消燃性:他人のやる気を消す人

不燃性の人は残念ながら一定数いるのが現実かと思います。

私が最も問題視するのが「消燃性」

「俺は正しい。会社が間違っている」という
揺るぎない正義感を持ち、
やる気ある人にマイナス思考を吹き込んでいき、
やる気を奪っていく人です。

本人にその自覚がないのがとても厄介です。

新入社員等、いかようにも染まりやすい人へ
「消燃性」の方を近づけない方がいいですね。


会社選びは結婚に近い感覚だと思うのです。

価値観が合わなければ、お互いに不幸になる。
ならば辞めて頂いて、もっとご自身に合う場所を探された方が
お互いの為になると思うのです。

一人辞めていただいて急に会社がよくなるケースはあります。
(※本人は自分がいないと困るだろう…と思われているのですが)

その変化を目の当たりにすると、
ここまで我慢を強いていたのか…と
申し訳ない気持ちにもなります。

その場は精神的にしんどいですが、
信念に基づき決断するのは、私たちリーダーの仕事ですね。
 

『213年続く船橋屋の事業継承』


213年(創業文化2年)続く、くず餅で有名な船橋屋。
8代目の渡辺社長からお話を伺う機会がありました。


老舗企業というと伝統を守り、
堅実に経営するイメージがありますが、
船橋屋は異なります。


守るべき理念(家訓)は守る。
理念(家訓)を時流に合わせて再定義する。
そして攻める経営をされています。


歌舞伎の世界でも同様ですが、
歴史を積み重ねれば、継承の責任から「守る」ことに
意識がいってしまう。

慎重になり変化を好まなくなります。
(※相撲の世界がそうかもしれませんね)


渡辺社長の話で一番印象に残ったのは
「のれんは血よりも濃い」という言葉です。

経営者として誰が最も相応しいかを見極める。
生まれた順番や血縁者に拘らないというのです。

過去には親族でも外に追い出された方もいるし、
養子に迎えて継承することもされているようです。


会社は公のものと理解しながらも、
経営者に私情が入ります。
順当に長男へ託したいという希望が。

でも長く続く企業は、私
情を挟まずに会社を継承するという観点から、
後継者選びに間違いがありません。


一見、身内からは非情に映るかもしれませんね。


「自分の言うことを聞いてくれる」後継者を
選んでしまいがちなのも私情です。

ただのイエスマン後継者は、
その時のウケは良くても
経営を伸ばせるかは別の話です。

ご自身が生き抜いた時代との「違い」
方法論の「違い」を認められるかどうか。

私情に縛られない柔軟性も必要でしょう。


企業の持続性と後継者選びは
切っても切り離せない関係ですね。


『理念を浸透させるコミュニケーションとは?』
 
もうわかっているよ!と多くの経営者から
突っ込まれそうですが、あえて書きますね。
 
分かっていることと実践していることは全くの別物ですから。
 
そして実践していないという事実があるとすれば、
心底では“やりたくない”のか、“優先順位が低い”か、
環境的に“やることが難しい”かでしょう。

理念を浸透させるコミュニケーションとは何でしょうか?
頭文字を取って「L・T・O」で覚えましょう。

1.Live&Iメッセージ
講演者の記録を取り後で視聴すること。
それはやらないよりマシでしょう。
 
でも会場で聞くからこその空気感があります。
10代の頃、あるバンドにはまり、コンサートへよく行きました。
DVDで見るのと生のコンサートでは、全く別物でした。
 
ライブ感が「共感性」をより高めます。
 
そしてIメッセージ。
“自分の言葉”で理念について語ることで「共感性」は
高まります。
 
国会でされている答弁のように、
間違えずに読み上げていますが、
心には響かない話をしてしまう経営者もいますね。
 
「間違えないように伝える」という慎重さから
「紋切型に伝える」という方向性へ進んでしまいます。

2.Two Way
一方的に伝えることが One Way です。
発信者側なりには、相手の立場に立って伝えることを
最大限配慮します。
 
そうだとしても、受け手は自身のフィルターを通って消化する。
「そういうつもりで伝えていないだけどな…」ということが
日常でよく起こりますね。
 
その多くの場合の原因は、
Two Way が成り立っていないためです。
 
なので相手の解釈の仕方や共感度を確認しながら、
Two Way(=対話)で伝えることの方が効果的でしょう。

3.One on One
「みんなへ」のメッセージと「あなたへ」のメッセージでは、
伝わり方が変わりますね。
 
1対多で伝えていると、取捨選択してしまい、
「私には関係のない話。他の人へのメッセージ」と
勝手に解釈して聞いている方もいます。
 
1対1であればそれが防ぐことができる。
1対1で話してみると、「こんなに伝わっていないのか…」と
驚くことさえあります。

ポイントをまとめると「L・T・O」でした。
いい会社を作りたい(=理念経営をしたい)ならば、
「L・T・O」をサボらないことですね。

昭和23年に創業し、明太子のトップメーカーであり続ける“ふくや”。
理念浸透や人材育成の秘密を川原会長からお聞きしてきました。
→http://cst-zero.com/interview/

「ふくやで働いて良かった」
退職時にそのように言ってもらいたいと川原会長は言います。

ふくやの人材育成体系はユニークです。

通常は階層別に分けて研修メニューを当てはめていくのが
一般的ですが、ふくやは違います。

社員に地域のボランティア活動を推奨しています。
さらに「ボランティア手当」といったものを支給しています。

会社として地域貢献活動に取り組まれていることはまだしも、
個人が地域貢献活動することを
なぜそこまで支援するのかを聞いてみました。

すると、
「ボランティア活動というのは、老若男女、様々な人が集う。
 その中で相手を動かすことを学ぶ。
 会社ですと“肩書”で相手は動いてしまいます。
 “肩書”が通用しないのがボランティア活動。
 それを体験してもらうのが目的です」

その話を聞いて、リーダーシップの研修を受けるより、
実践的ではないかと思いました。

さらに川原会長は続けます。

「仕事一本でやってくると定年後に居場所がなくなりますね。
 でも60歳、65歳はまだまだ若い。活躍できます。
 ボランティア活動をしておくと、地域住民との交流が生まれるし、
 友人もできるでしょう。
 自分の居場所を地域に作ることができます」

社員の定年後の姿まで考えられていることに、
大変驚きました。

自社の理念と人材育成体系に連動性があるのかどうか。

確認をしていただければ。