『213年続く船橋屋の事業継承』
213年(創業文化2年)続く、くず餅で有名な船橋屋。
8代目の渡辺社長からお話を伺う機会がありました。
老舗企業というと伝統を守り、
堅実に経営するイメージがありますが、
船橋屋は異なります。
守るべき理念(家訓)は守る。
理念(家訓)を時流に合わせて再定義する。
そして攻める経営をされています。
歌舞伎の世界でも同様ですが、
歴史を積み重ねれば、継承の責任から「守る」ことに
意識がいってしまう。
慎重になり変化を好まなくなります。
(※相撲の世界がそうかもしれませんね)
渡辺社長の話で一番印象に残ったのは
「のれんは血よりも濃い」という言葉です。
経営者として誰が最も相応しいかを見極める。
生まれた順番や血縁者に拘らないというのです。
過去には親族でも外に追い出された方もいるし、
養子に迎えて継承することもされているようです。
会社は公のものと理解しながらも、
経営者に私情が入ります。
順当に長男へ託したいという希望が。
でも長く続く企業は、私
情を挟まずに会社を継承するという観点から、
後継者選びに間違いがありません。
一見、身内からは非情に映るかもしれませんね。
「自分の言うことを聞いてくれる」後継者を
選んでしまいがちなのも私情です。
ただのイエスマン後継者は、
その時のウケは良くても
経営を伸ばせるかは別の話です。
ご自身が生き抜いた時代との「違い」
方法論の「違い」を認められるかどうか。
私情に縛られない柔軟性も必要でしょう。
企業の持続性と後継者選びは
切っても切り離せない関係ですね。