ファンボメルとスナイデルとピザ
土曜日のお話。
レンズ加工中のマシニングはここ2日間ノンストップで働いてくれています。
午前中は会社に出ていました。(マシニングのお守に出ていただけでした)
お昼から嫁は下の2人を連れて小学生ご招待のプロ野球観戦。
お昼から私はスパークリングワインを上の3人に手伝ってもらいながら、
ボトルを2本空け、夕方まで睡眠。
土曜出社していただいていた方(乗ちゃん)には4時ごろに戻ると言いながら、
はやぶさ並の予定遅れで、会社への帰還は深夜となりました。(乗ちゃん、すまん)
もちろん、サッカーの日本対オランダを見ていた訳ですよ。(乗ちゃん、すまん)
機嫌よく、子供と一緒に。(乗ちゃん、すまん)
この選手はな、サポーターから絶賛やねんぞぉ…ファンボメル。(乗ちゃん、すまん)
見たいな感じですわ。
さて、実家にそのまま泊まる嫁にはナイショと言うわけで、
夕食用にMサイズのピザを2枚取っていました。
お昼の酒で胸焼けしていたので、「今、ええわ。お前ら食べとけや。」
サッカーも無事日本惜敗で終わり、
さすがはオランダ、スナイデルにうまく繋いでるとかベタな余韻にひたりながら、
冷めたピザを温めようと思って探しても「あれっ?」ピザが無い。
「今、ええわ。」の部分が彼ら小中高生3人の頭の中から都合よく削除され、
「お前ら食べとけや。」だけがインプットでリスペクトであります。
その後、荒れる家庭内が数分間続き、その後はくどくどと説教です。
いつも私が出張の時は、ここぞとばかりLサイズ2枚注文している経験上、
今日は3人減っているのでMサイズ2枚で良いのでは?
との長女の意見に、納得したのは自分です。
家庭内が荒れた後だけに引っ込みがつきません。
余らないほど少ないMサイズピザがいけなかったのではと思い、
1平方センチ当たりの、S、M、Lサイズの価格を計算しました。
すると、Mサイズが一番高いことが判明しました。
Sサイズが高いと注文が少なくなるので、営業的判断で割安に、
LサイズはMサイズと手間が同じなので割安にとの推測に達しました。
だから、MサイズがSサイズを安くするため一番割りを食っているのだろう、と。
しかも、面積ではMサイズ2枚とLサイズ1枚と同じなので、
ハーフアンドハーフで注文する方がお徳だとも判明しました。
今日も、多くの気付きに感謝感謝です。
すでに日が長く、AM5:00には明るくなっております。
今からマシニング加工をかけて仮眠します。
日曜やケド、今日は働くぞー、昨日サボった分…。。。(小)
マシニングでのレンズ製作と問題(山積)
きょうは珍しく真面目なお話です。
本来単純形状のレンズはガラスの研磨で作るものですが、
3D形状の複雑系では透明プラスチックのマシニング加工 になります。
樹脂を削ってマシニングで作ろうとするから誤差が大きくなるのです。
ですが、重なり合った樹脂レンズの場合は↓↓(こんな形状の場合)
どうしてもマシニングでの三次元加工になります。(試作レンズ=単品物)
マシニングには回転軸や可動部分がいっぱいあります。(詳しい話はまぁ置いといて)
回転軸や可動部分の数が多い分だけ形状誤差が増えるのです。
それに加え回転刃物(エンドミル)の形状誤差もあります。
以前から今まで、微細レンズ等の3D形状の計測と誤差について悩んでいます。
計測システムの構築も湯水のごとくお金が使えれば良いのですが、
大阪細々系の試作屋ですので予算にも限りがあります。
単純にノギスやマイクロメーターで計れれば良いのですが、
曲面はそんなに簡単には測れません。
3次元測定機ではプローブの誤差がミクロン単位で発生します。
(あの測定子にルビーを使った高価な有名メーカー製でさえ誤差が出ると、
カタログにも明記されています)
3次元測定機は特に微細レンズではお手上げです。
輪郭形状測定器では測れる角度とサイズに限界が出ます。
逆に測定相手がマシニング加工したレンズなので、
三鷹製の干渉計で測るほどの精度までは出ていない。
帯に短しタスキに長しの状態です。
現実にはウチにある計測機器を駆使して、レンズ計測方法を構築するしかない。
サイズや曲率に最適な方法で…ケースバイケースの対応です。
そして長期的な観点での計測機器の購入も、
選択とタイミングと少しの知恵が重要です。
また、温度管理も重要です。
例えばこんな実験を…(レンズではありませんが)
ブロックゲージを手で温めてマイクロメーターで計測します。
次に、パーツクリーナーを噴射して冷却します。
また、マイクロメーターで計測します。
すると、たった25mmの厚みで約10ミクロン(0.01mm)くらい短くなります。
精密加工を志す人間にとってはこれはとても怖い数字です。
ウチのソディックのマシニング周りはいつも一定の温度に保つよう努力しています。
すべての誤差を洗い出して補正をかけれれば良いのですが、
まだまだ現実の問題としては難しく、
疑いだすとキリが無いくらいの不安定さで、
私は緊張でお昼は抜きでございます。(土曜のお昼はみんなでマクドですが…)
ウチの現状の計測設備では、レンズは簡易測定くらいですが、
出きうる限り微細なトレランスでの加工を優先して、
より加工時間をかけての丁寧な製作の努力をしています。
まだまだ、改善の余地アリですが、これからも努力をいたします。
研鑽練磨と苦悩と寝不足の日々でございます。(小)
超精密仕上げ
最近、3Dレンズと拡散用のプリズムの試作に、
工場長(中原)と私(小田)が付きっきりでございます。
特に小田担当の案件はデータ変換時間がとても長く、夜はとてもヒマです。
初夏の夜長にうちわを張り替えてみました。
いつもの挑戦ページ に上げるほどの物ではないのですが、
工作好きな方に見ていただければ幸いにございます。
さて、困ったなぁの案件のお話し。
本来角度のついた拡散板(洗濯板みたいなプリズム)の試作品は、
テーパーの刃物で作るものです。
ところが、精度と表面の光沢が必要になると、
例えばR0.01とかR0.05のボールエンドミルで3D加工する訳です。
面積が大きくなりますと、金型を彫るのと大差なくなります。
例えば、100mm角のアクリル直彫り拡散版で「うん百万円」とかの、
加工時間がかかります。そんなのは現実的では無い。
そこで、やはりテーパーの刃物でとなるのですが、
単結晶ダイヤの刃物も「うん十万」もかかります。
DLCコートの特注品でも、頼めば時間と金額がかかります。
あくまで試作ですので、結局は振り出しに戻ります。
やはりここは、超硬の一枚刃の登場です。
コイツを精密に仕上げれば問題がない訳です。(ダイヤの単結晶にはかないませんが)
欠けないように表面をキレイなピッカピカに仕上げて、っと。
もちろん根気が要りますし、顕微鏡でのぞきながらの仕上げですので、
トータルで約半日の製作の結果…。(小)