サブミクロンの壁に挑む / プラスチックレンズ切削加工の真髄
「プラスチック加工なんて誰にでもできる」
そう口にする加工技術者もいますが、
私たちが挑んでいるのはその遥か先、サブミクロン(0.1ミクロン単位)の世界です。
現在、直径50mmを超えるレンズ加工において、
非常に高い壁に直面しています。
同じ材料、同じデータ、同じ環境で加工しても、
測定値(PV値)が0.5ミクロンだったり1.5ミクロンだったりと安定しないのです。
なぜプラスチックレンズの切削加工は難しいのか?
金属と違いプラスチックは非常に脆弱で繊細です。
測定のバラつき: 補正をかけても数値が安定せず、追い込みが極めて困難。
異方性の影響:中心から見て X軸方向とY軸方向でわずかに形状がズレる現象(アスの相違)。
経時変化: 納得のいく精度で仕上がっても翌日には形状が変化していることすらあります。
さて、今年の決意。
「何やようわからん」と頭を抱える瞬間もあります。
しかし、この不安定な素材をいかに制御し、超高精度を安定して叩き出すか。
ここにこそ、プラスチック切削の真の面白さと価値があると信じています。
2026年、この技術的課題を必ず克服し、
次世代の精度をサークルアンドスクエアが確立いたします。
私共の挑戦にご期待ください♪(←そのキモチ悪い音符と言い方はヤメい!)
2026年の1月は過去イチ順調です
大晦日に行った床の防塵塗装が元旦には見事に乾き、
新たな一年の幕開けに相応しい姿となりました。

左手前の空いているように見えるスペースですが、
2026年中に新しい設備を追加する予定です。(内部留保金の範囲で)
本来は超精密5軸加工機の出物を入れる予定で空けていたのですが、
結論としてウチには不要だと判断し辞退したので、
この画像からは見えませんが現状は三鷹光器のレンズ測定機を置いています。
さて昨年の最終のブログではかなりトゲを抜いたつもりですが、
それでも多分トゲが出ているようなブログを上げちゃいました。
でも、切削の「加工技術は設備に依存する」と言うのは揺るがない基本的な考え方です。
前回のブログに書いたように口(営業力)で優れた品物を作る事は出来ません。
また、「職人技」とか「機械を騙す」と言われる私には理解不能な日経新聞やテレ東やNHKが好んで使うワードも、
それは精度レベルの低い所での話です。
私が尊敬するレンズ業界の技術者さんは、
【保有設備 ≒ 何が作れるか】
これが"営業の"基本中の基本だと仰っています。("営業の"です)
私もその事をこの光学業界の末席で実感しています。
また、この言葉は実はかなり冷徹で残酷な言葉でもあります。
優れた設備導入があってこその加工技術の研鑽だと私は考えています。
と言うか心底実感しています。
昨年は8月までは調子が良くなかったのですが9月から尻上がりに良くなり、
この1月はすでに調子が良かった先月と同じ額のお仕事を請けています。
なので私は今年も精一杯頑張ります♪
プラスチックレンズ試作は未開の業界です
年末の深夜、
し〜んと静まり返った精密プラスチックレンズの加工現場。
超精密加工機の作動音に包まれながらひとり試作レンズを削っていると、
ふとした瞬間に過去の忌まわしい記憶が蘇ってきます。
かつて、ある経営者が言い放った言葉が今も耳から離れないのです。
「プラスチックレンズ試作の業界は終わった業界だ」
元々は「レンズ試作だ!レンズ試作だ!」と威勢よく参入したようなのですが、
汎用精度のNC工作機械でレンズの精度が出るはずもなく、
いずれメーカー様の誰も相手にしなくなりました。
※後日ですが私にも幾多のルートから耳に入っています。
自社が相手にされていないからと言って
「プラスチックレンズ試作の業界は終わった業界だ」
とは一方的でありかなり独善的な言い方です。
他責と責任転嫁。
経営者である限り苦境に立たされたとき、
言葉を弄して逃げ出したくなる誘惑は確かにあります。
…いや、こうして過去の嫌な話を書き連ねている私自身も、
同じベクトルに向かっているのかもしれません。
そんな自己反省をループさせながら、
私は今夜も一人残って、
その終わったはずの業界でプラスチック試作レンズを加工しています。
当社の現状ですが、
レンズ試作の案件が終わるどころか山積の状態なのは確かです。
「プラスチックレンズ試作の業界は未知で未開の業界」だと私は考えています。
これからもプラスチックレンズ試作の精度と品質を求道します。
透明に削り出されたレンズの精度と品質だけは、
決して嘘をつかないはずですからね。
さて明日の大晦日も私は出勤です。
明日も長い加工データを流してから床の防塵塗装を塗り替えて今年のお仕事を終わる予定です。


