今年は寒暖の差が激しくて自転車やオートバイも動きが鈍いですが、それでもボチボチとスポーツ車を見に訪れる方が増えてきました。
そこで、初めてスポーツ車に乗られる方に説明していることが
『自転車本体だけでは不十分』
と言うことです。
スポーツ車、いわゆるMTB(マウンテンバイク)・クロスバイク・ロードバイクは、(一部車種を除き)走る装備以外のものが何も付いていないのです。
走る装備以外のものとは・・・
スタンド・・・これは皆さん意外と気付かないようですが、コミューター(街乗り用バイク)や初心者向け廉価グレードを除き、基本的には付いていません。ロードなどは重くなるのを嫌い、スタンドは付けずに壁などに立てかけておく人も多いので、必要な人は付けてくださいということです。
カギ・・・クロスバイクなどではチェーン錠が付いてくる物が多くなり、付いていない物に関しては、当店でお買い上げのものは同等のものをプレゼントしていますが、高級なカギになればなるほど切れにくく頑丈であったり、車体に取り付けられて便利だったりします。
ライト・・・『昼間しか走らないから』と言ってクロスバイクを買っていった人が、次の日ライトを買いに来ました。なぜでしょう?・・・当店から家まで帰る途中にトンネルがあったそうです(笑)
マッドガード(泥除け)・・・付けると、とたんにカッコ悪くなりますが、通勤・通学で使う人はあると便利です。『雨の日は乗らないから』とは言っても、雨上がりの水溜りはあるかもしれませんよ。
エアポンプ(空気入れ)・・・エアバルブの形状によっては購入が必要です。
日本の一般的な自転車は英式バルブ(ダンロップバルブ・ウッズバルブとも言う)が使われています。メリットはバルブが単なるゴムの筒なので、ダメになったのが分かりやすく、修理も簡単なこと。デメリットは空気圧が分からないこと。スポーツ車の廉価モデルにも使われています。
MTBは米式バルブ(シュレーダーバルブ)。自動車やオートバイと一緒です。メリットはバルブ本体が太く、丈夫なことと、空気圧の微調整が出来ること。デメリットはバルブが太いためにリムを細く出来ないことでしょうか。
そして、クロスバイク・ロードバイクは仏式バルブ(フレンチバルブ)が使われるのが一般的です。メリットは細くて構造が簡単なため軽量で、高圧にも耐えられることや、空気を入れる際に抵抗が少ないこと、空気圧の微調整が出来ること。デメリットとしては空気を入れるのが多少面倒なことと、バルブがダメになった場合は修理が出来ないので、チューブ交換となることです。
一応、当店ではフレンチバルブに英式バルブ用ポンプで空気を入れられるようにアダプターをつけてお渡ししますが、これは緊急用にどこでも空気を入れられるようにという意味です。英式用ポンプでは高圧を入れられず、空気圧も測れないので、フレンチ用の空気入れを買いましょう。
ズボンバンド・・・スポーツ車に乗るのにいきなりレーパン・ジャージフル装備で、やる気満々の人も少ないと思います。また、通勤で使うからスーツで乗る人もいらっしゃるでしょう。初心者向けモデルはチェーンガードが装備されている物もありますが、基本的にはギヤもチェーンもむき出しです。そうすると、ズボンの裾がチェーンオイルで汚れたり、チェーンリングに巻き込まれてズタボロになることも・・・そんなことにならないように右のズボンは捲り上げて乗るか、ズボンバンドで固定することになります。
ヘルメット・グローブ・・・安全の為に買いましょう。また、普通のカッコで自転車に乗っていると『あ~、あのオジサンお金無いのかな~。免許持ってないのかな~・・・』なんて思われるのが気になったりする人もいるようですが、この二つを装備するだけで、『あの人は趣味で乗っているのだな、ステキ!』に変わります。
と、言うわけで、選ぶ物にもよりますが、自転車本体に加え、1万~3万円程度のパーツの予算も必要になります。お忘れなく!