メンゲルベルク指揮ニューヨーク・フィル 「戴冠式行進曲」「英雄の生涯」美しいポルタメント | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

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昨日投稿した、フレデリック・ストックがシカゴ交響楽団の音楽監督を務め、ボストンの常任指揮者にクーセヴィツキーが就任した1920年代、ニューヨーク・フィルは大きな変化の時を迎えていました。ニューヨークには現在も常設で活動しているプロのオーケストラはニューヨーク・フィルしかありません。これは他の世界の大都市と比べると意外に感じるくらいです。(東京など、それなりにレベルの揃ったオーケストラが一体いくつあるのでしょう?(笑))

そんな体制ができたのがこの1920年代だったようなのです。

 

ちょっと、Wikipediaで、ニューヨーク・フィルの歴史など見てみましょう。

 

「ニューヨーク・フィルハーモニック(英語: New York Philharmonic)は、アメリカのニューヨークを本拠に活動しているオーケストラである。「アメリカ5大オーケストラ("Big Five")」と言われるオーケストラのひとつ。英語表記の頭文字をとってNYPと略されることがある。オーケストラの運営は、法人である"The Philharmonic-Symphony Society of New York, Inc."が行っている。
(中略)
創立はウィーン・フィルハーモニー管弦楽団と同じ1842年、この年の4月に「フィルハーモニック・ソサエティ・オヴ・ニューヨーク」(Philharmonic Society of New York)が設立され、同年12月7日にユーレリ・コレルリ・ヒルの指揮のもとで初めてのコンサートが開かれた。演目はベートーヴェン第5交響曲、カリヴォダの序曲など。

1877年から1891年までフィルハーモニーは、後にシカゴ交響楽団の創設者となるセオドア・トーマスを常任指揮者に迎えた。トーマス在任中の1878年に、ニューヨーク・フィルの強力な好敵手となるニューヨーク交響楽団が、レオポルド・ダムロッシュの手で創設される。
(中略)
ニューヨーク・フィルのかつてのホームグラウンドだったカーネギー・ホールのオープンは、1891年の5月5日のことである。1893年にはドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」の世界初演を、アントン・ザイドル指揮で行った。
ニューヨーク・フィルは1909年にグスタフ・マーラーを常任に迎え、演奏レヴェルの向上に努め、楽団員をフルタイムの団員とした。第一次世界大戦中の1917年10月にはレコード録音も始まっている。
(中略)
1921年にナショナル交響楽団(現在のワシントン・ナショナル交響楽団とは別)を、1923年にはニューヨーク・シティ交響楽団を吸収し、両オーケストラの吸収に伴いジョセフ・ストランスキーとウィレム・メンゲルベルクの2人が常任の地位を分け合う双頭体制がスタートした。
(中略)
1925年からの2年間、ヴィルヘルム・フルトヴェングラーがフィルハーモニーへ集中的に客演している。1927年からアルトゥーロ・トスカニーニとメンゲルベルクの双頭体制に代わり、1928年3月20日には最大のライバルであったニューヨーク交響楽団を吸収した。これによって名称はニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団となった。この吸収合併の際、オーディションを担当したのはメンゲルベルクである。
(中略)
1936年にトスカニーニがニューヨーク・フィルの常任を退き、その後任にはフルトヴェングラー、フリッツ・ブッシュの名前が挙がったものの実現せず、当時まだ30代だったジョン・バルビローリが引き継いだ。バルビローリは清新な気風を吹き込んだが、いかんせん大カリスマの後では経験不足は否めず、オーケストラは低迷期に入る。翌1937年には同じニューヨークを本拠とし、前常任指揮者のトスカニーニを冠に戴いたNBC交響楽団が設立された。1942年から1943年にかけての創立100周年を記念するシーズン中常任を置かず、客演指揮者の出演が続いた。」(Wikipedia ニューヨーク・フィルハーモニック より)

 

戦前の所まで抜き出してみました。太字にした部分にそのあたりの事が書かれています。数回にわたるライバルオーケストラの吸収合併によりニューヨーク・フィルは世界的オーケストラに変貌していったのですが、その時期、オーケストラのメンバー選定に関わりオーケストラのレベルアップに力を注いだのは、ちょっと意外だったのですが、あのウィレム・メンゲルベルクだったのです。メンゲルベルクは1922年から1930年までニューヨーク・フィルの音楽監督を務めています。任期の最後の2年はトスカニーニとの双頭体制、でしたが、結局トスカニーニとの権力争い(?)に破れ失意の内にニューヨークを去ることになりました。そのあたりのことについては以前このブログの記事に少し触れたことがありました。

 

 

記事冒頭には、メンゲルベルクがニューヨーク・フィルと録音したマイアベーアの「歌劇「預言者」より、戴冠式行進曲
」とリヒャルト・シュトラウスの「英雄の生涯」を掲載しました。

 

アムステルダム・コンセルトヘボウと見まがうような流麗なポルタメント、艶やかな弦の音、厳しく鍛え上げられたアンサンブル。何とも魅力的な音楽を聴くことができます。

 

 

 

 

ベートーヴェン : 交響曲 第3番 「英雄」、「エグモント」 序曲 | モーツァルト : 歌劇 「魔笛」 序曲 | マイアベーア : 戴冠式行進曲 - 歌劇 「預言者」より (Beethoven : Sym No.3 'Eroica' (1930), Egmont | Mozart : Magic Flute | Mayerbeer : Coronation March / Willem Mengelberg | NYPSO)

メンゲルベルクを聴くなら後年のアムステルダム・コンセルトヘボウとのもの、一般的にはそう思われている。しかしながら、改めてこのディスクの演奏を聴くと、このニューヨーク時代も十分に個性的であり、完成度の高いものだということがわかる。

 

 

R.シュトラウス:英雄の生涯~メンゲルベルク&ニューヨーク・フィル名演集

`赤盤復刻シリーズ`第2期、指揮者・オーケストラ編。オランダの指揮者、ウィレム・メンゲルベルクと、ニューヨーク・フィルハーモニックとの共演によるアルバム。

 

 

 

 

 

好評発売中のそえだ信「赤ん坊の異世界ハイハイ奮闘録」シリーズの第3弾が出版されます。(7月25日発売予定)

(表紙画像公開されました。正装した凜々しい貴公子ヴォルフと可愛いルートルフ!)

赤ん坊の異世界ハイハイ奮闘録3 

 


ルートルフ、ついに正体がバレる!?


7か月かけた数々の発明により困窮する領地を救ったベルシュマン男爵家の兄弟コンビ。ようやく安定した長閑な生活を満喫する一家のもとに、王都の父から手紙が届いた。内容は建国記念祭を見に王都へ来ないかという誘いだった。ウォルフとルートルフは家族と伴に王都へ行くことを決める。
しかし数日後、王都への道中、ルートルフは妹のミリッツァと一緒に謎の男たちに攫われてしまう。護衛の助けが間に合わない絶体絶命の状況に、ルートルフは勇気を振り絞り……!?
さらに、自分が別世界の『記憶』を持っていることをこのまま隠し続けるのは難しいと考えたルートルフは、兄以外にも秘密を打ち明けることを決意して――。
新展開の数々に目が離せない、頭脳派1歳児の本格異世界ファンタジー第3弾。

 

 

赤ん坊の異世界ハイハイ奮闘録3 (MFブックス)

 

 

 

 

 

 

 

そえだ信「赤ん坊の異世界ハイハイ奮闘録」シリーズ 1 、2 絶賛発売中!!!

 

 

 

下記リンクから、一部試し読みできます。

赤ん坊の異世界ハイハイ奮闘録1
赤ん坊の異世界ハイハイ奮闘録2

 

赤ん坊の異世界ハイハイ奮闘録1 (MFブックス)

不作による飢餓、害獣の大繁殖。大ピンチの領地を救うのは、赤ちゃん!?

ルートルフ・ベルシュマンは生後6か月で突然大人並みの意識に目覚め、別世界の『記憶』に何かを告げられるのを感じる。焦らず周りの状況認識と言語習得から始めると、間もなく自分が男爵家の次男であり、領地が困窮していることを知る。領民たちが冬を越せないほどの深刻さに、自分が大人になるまでじっとしていられないと感じたルートルフは、兄のウォルフに自身の正体を明かし、ふたりで領地救済に乗り出そうと決意する。
「ぼく、のこと、ひみちゅ」
ふたりは別世界の『記憶』と『加護』という不思議な力を頼りに、領地に襲い来る問題への対処法を考えていくが……。
秘密を共有した兄弟コンビは無事に男爵領を救うことができるのか?
頭脳派0歳児の活躍とかわいらしさに目が離せない、本格異世界ファンタジー。

 

 

赤ん坊の異世界ハイハイ奮闘録2 (MFブックス)

ルートルフがようやく1歳に!! 兄弟コンビの領地復興ストーリー第2弾!

貧乏男爵家次男のルートルフは、別世界の『記憶』を持った頭脳派0歳児。やがて困窮する領民の状況を知った彼は、兄のウォルフにだけ自身の正体を明かして、領地救済に乗り出していく。ふたりは黒パンやコロッケなどを次々と発明し、おかげで領地は危機を脱しつつあった。
そんなある満月の夜、ルートルフとウォルフはオオカミのザムの背に乗せられて、隣のディミタル男爵領へ連れていかれる。森の中に着いたふたりが見たのは、柵に捕われたザムの仲間たちだった! 領地困窮の大きな原因となった害獣大繁殖のカラクリを知ったふたりは、オオカミ解放作戦を開始するが……。
さらに、1歳を迎えたルートルフの前に見知らぬ赤ちゃんが現れて!? 赤ちゃん度MAXでお届けする、領地立て直しストーリー第2弾。

 

 

掃除機探偵の推理と冒険 (ハヤカワ文庫JA)

刑事の鈴木は、目覚めるとロボット掃除機になっていた! しかも眼前には男の死体が……。『地べたを旅立つ』改題。解説/辻真先