ウィレム・メンゲルベルクはアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の指揮者として有名ですが、1922年から1930年にかけて、ニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団の首席指揮者も務めていました(1927年~1930年はトスカニーニとの双頭体制。)。 今日聴いたヨハン・クリスチャン・バッハのシンフォニアとヨハン・セバスチャン・バッハの「G線上のアリア」は1929年の録音で、メンゲルベルクのニューヨーク時代の最後期の記録と言えると思います。
クリスチャン・バッハのシンフォニアでのきびきびとして颯爽とした雰囲気を感じさせる演奏。「G線上のアリア」での濃厚でとろけるような香り。そしてその指揮者の音楽をきっちりと見事に表現するオーケストラ。素晴らしい演奏です。録音もわずかにノイズがあることはありますが90年も前の録音とはとても思えない綺麗な音が再生されます。
あまり深く考えずに聴き始めた演奏でしたが、何だかとても気持ちの良くなる時間を過ごすことが出来ました。
メンゲルベルクの演奏って、今こそもっと評価されても良いような気がします。現在もこれからも現れることは考えられないタイプの演奏家だと思いますから、ね。今こそもっと(笑)