2021年8月27日は、ルネサンス音楽最大の音楽家と言われるジョスカン・デ・プレがなくなってちょうど500年になります。
「ジョスカン・デ・プレ(Josquin Des Prez; Josquin des Prés, Josquin des Pres, Josquin Desprezとも綴る。 1450年/1455年? - 1521年8月27日 コンデ=シュル=レスコー(Condé-sur-l'Escaut))は、盛期ルネサンス時代のフランスの作曲家、声楽家。本名はジョスカン・ルブロアット(Jossequin Lebloitte )。
ジョスカン・デ・プレは当時の全ての作曲技法を見事なまでに意のままに操っており、存命中既に著名な作曲家であり、現在ではその時代の最も優れた代表者であったと看做されている。
」(Wikipedia ジョスカン・デ・プレ より)
500年前というと日本は室町時代の大永元年。第10代将軍足利義稙の時代になります。応仁の乱で弱体化した幕府や有力大名の力が地方に及ばなくなり各地で戦国時代の兆しが見え始めた頃だと思います。(戦国大名の草分けと言われる北条早雲が亡くなったのは1519年でした。) まあ、取りあえずずいぶん古い時代のできごとになりますね(笑)
今日はヴォーカル・アンサンブル カペラによるジョスカン・デ・プレ ミサ曲大全集の第1集「御父の母にして娘」を聴きました。
「ヴォーカル・アンサンブル カペラ(Vocal Ensemble Cappella)は、ルネサンス音楽を専門とする日本の声楽アンサンブル。1997年に花井哲郎によって設立され、1998年より現在の名称で演奏活動を続けている。主なレパートリーはグレゴリオ聖歌とルネサンス時代のフランドル楽派の宗教曲。」(Wikipedia ヴォーカル・アンサンブル カペラ より)
とても自然で柔らかな発声と表情豊かな歌唱。たぶんこんな歌が500年前のヨーロッパの教会で普通に聴くことができたのだろう、と違和感なく感じられる演奏です。次々と湧き出てくるようなジョスカンのメロディ。今そこに生まれたかのように紡ぎ出される音楽。心に安らぎを与えてくれるようなとても居心地の良い時間。素敵な演奏でした。
こちらは、同じヴォーカル・アンサンブル カペラがジョスカン・デ・プレの「Salve regina」を歌っている映像です。高く掲げられた一つの楽譜を、アンサンブル全員で見ながら歌っています。以前の記事に書いたこともありますがルネサンスあたりの時代まで楽譜というのはとても高価で貴重な物でした。(印刷技術も不完全でしたし、紙自体も希少で高価な物だったはずです。) 教会の聖歌隊などでも大切な楽譜をこう言った感じで覗き込みながら歌っていたと思われます。
こちらは、ヴォーカル・アンサンブル カペラの主催者花井哲郎さんによるミサ曲についての解説シリーズのPart1。とても興味深いお話しです。