昨日、シューベルトの「アルペジョーネ・ソナタ」でずいぶん久しぶりにメンゲルベルク指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏を聴きなんとも言えず懐かしい気分になり、今日は何かメンゲルベルクとアムステルダム・コンセルトヘボウのシンフォニーでも聴きたいな、と思ったのでした。
何にしようかな。いかにもメンゲルベルクらしいと言えばマーラーなんかも良いかもしれないけれど……、今日はやっぱりチャイコフスキーにしようか。たしか第6番と第5番はこのブログに記事投稿したことあったはず。じゃ、第4番にしようか。
考えてみるとチャイコフスキーと言う人の音楽は、随分幅広い解釈による演奏を許容しているような気がします。ちょっと考えただけでもムラヴィンスキーの演奏とカラヤンの演奏では時に別な曲と思えるほど(と言うのはちょっと大袈裟ですが)イメージの違う演奏ですが、どちらもとびきりの名演と言って過言ではありません。
このブログで随分前にクルレンツィスの指揮する演奏に新鮮な驚きを感じて記事投稿したことがありましたし、
それとはまたかなり印象の違うネゼ=セガン/ロッテルダム・フィルの演奏にも好感をもったものです。
最近ではキリル・ペトレンコ指揮ベルリン・フィルの第5番、第6番にはかなり衝撃を感じました。
そんな中で、メンゲルベルク/アムステルダムコンセルトヘボウの演奏は、と言うと…
たぶん、ムラヴィンスキーともカラヤンとも違う方向に目一杯振り切った演奏、となるかも知れません。ロマンティックで、ある意味恣意的、大袈裟すぎる表現と言われるかも知れない部分もあるだろう演奏。しかし厳しく鍛え上げられたオーケストラの音の響きはカラヤンのベルリン・フィルにもムラヴィンスキーのレニングラード・フィルにもいささかも劣ることは無く、むしろその滴るような美音はオーケストラ芸術の一つの最高峰を極めた、と言っていいほどのレベルに達しています。
今日聴いた第4番は、1929年6月11日&15日の録音。今から約95年前の録音という事になります。そんなことが信じられないような録音です。
久し振りに聴いたこの演奏、記憶にあったイメージよりはかなり速いテンポで引き締まった音楽を聴かせてくれます。もちろん曲の中でのテンポルバートや随所にかかるポルタメントなど最近の演奏では絶対に聴けないような表現も数多く、しかし、やはりこれも良いなあ。作曲者の書き込みの残った手書きの楽譜を徹底的に読み込んだ、と言うメンゲルベルクの思いが詰まった演奏。戦前のヨーロッパ音楽が到達したオーケストラ芸術の到達点とでも言うべき録音かも知れません。
ヴィレム・メンゲルベルク: チャイコフスキー:交響曲第4番 他
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