シューベルト アルペジョーネ・ソナタ カサドとメンゲルベルクの蕩けるロマンティシズム | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

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今日聴いたのは、ガスパール・カサドのチェロ、メンゲルベルク指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団によるシューベルトの「アルペジョーネ・ソナタ イ短調 D.821」、この演奏でチェロの独奏をしているカサド自身の編曲によるオーケストラ版です。(1940年12月12日 ライヴ録音)

 

アルペジョーネ・ソナタは、アルペジョーネと言う今では使われることの無い楽器のために作られた曲でした。

 

「アルペジョーネもしくはアルペッジョーネ(arpeggione)は、1823年から1824年にウィーンのギター製造者ヨハン・ゲオルク・シュタウファーJohann Georg Staufer, 1778–1853)により発明された、6弦の弦楽器である。
弓で演奏するが、チェロを小ぶりにしたような本体のために重音を出すことが容易であり、また24のフレットを持つなど、ギターの特徴も併せ持つ。このため「ギター・チェロ」という別名でも呼ばれたが、外見はバロック時代のヴィオラ・ダ・ガンバに似ている。」(Wikipedia アルペジョーネ より)

 

「アルペジョーネとピアノのためのソナタ イ短調 D821は、フランツ・シューベルトが1824年11月にウィーンで作曲した室内楽曲である。
このソナタは、アルペジョーネのための作品の中では唯一広く知られている作品である。本作は、弦楽四重奏曲「死と乙女」と同時期の作品であり、当時シューベルトは梅毒の進亢に苛まれ、度々の抑鬱症の発作に見舞われてもいた。
本作はアルペジョーネが発明された翌年に作曲された。おそらくは、アルペジョーネの演奏に通じていた知人ヴィンツェンツ・シュースターから、委嘱を受けてのことと考えられている。」(Wikipedia アルペジョーネソナタ より)

 

アルペジョーネが使われなくなってからも(と言うかこの曲が出版された頃にはすでにアルペジョーネと言う楽器は姿を消していたようです。)この曲はシューベルトが遺した名曲として、主にチェロやヴィオラのソナタとして演奏されてきました。(ギターやコントラバスに編曲され演奏される場合もあるとか。)

 

私もチェロ・ソナタとしてはいくつかの演奏を聴いたことがありましたが、今日聴いたガスパール・カサドによる演奏はそれらとまたひと味違い、ピアノ部分がオーケストラになりまさに「チェロ協奏曲」に生まれ変わったようなのです。

 

そして、そのカサドのチェロ独奏もそれを支えるメンゲルベルク指揮アムステルダム・コンセルトヘボウの響きも実に濃厚なロマンティシズムの香りを味合わせてくれます。大きくテンポを動かしながら自在に歌い上げるカサド、それを平然とサポートしながらとびきりの音を聴かせるコンセルトヘボウ。現代ではちょっと聴くことのできない演奏かも知れませんが、いや、こういう音楽も、やはり良いです。蕩けるような甘い歌に何時までも浸っていたい気分。こういう音楽も、やはり、……良いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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