クルレンツィス/ムジカエテルナ チャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」 今日は満腹 | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

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テオドール・クルレンツィス/ムジカエテルナ チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調作品74「悲愴」

 

チャイコフスキーと言うと、私は交響曲第5番が一番好きで、それと比べると抜群の知名度を誇る「悲愴」はあまり聴かない曲の一つでした。

もちろん今まで色々聴いてはいますし好きな演奏もあります。ムラヴィンスキーは凄かったな、とかカラヤンとウィーンフィルの演奏も良かった、とか。メンゲルベルクのとろけるような演奏も好きですしフルトヴェングラーの激しさも良い。それにピエール・モントゥー・・・

 

でもチャイコフスキーを聴きたいなと思うと何故かいつも交響曲第5番を選んでいます。

 

今日は「悲愴」の今まで聴いたことの無い演奏をと思いAmazon music unlimitedで見つけたのがこの演奏。

 

これは2017年に発売されて大きな話題になったディスク、とのことですのでたぶん知っている方の方が多いのかも知れません。

 

曲の出だしはかなり遅いテンポ、と言うか深い呼吸で始まります。

しかしそれから一転して速めのテンポ、明快なリズム。各パートがすべて聴き取れるような見事に整理された演奏です。まるでモーツァルトを演奏しているように軽く切れの良い音ですが、指揮者の表現はこまかく変化し時に激しく時にたっぷりとした情緒を感じさせます。無味乾燥な音など一瞬も感じさせません。

 

今まで聴いていたチャイコフスキーとは随分違った音楽という感じがしました。

しかし、これは素晴らしい音楽です。

 

メンゲルベルクやカラヤン、あるいはモントゥーとは全く違う世界の音楽だな。

方向性はムラヴィンスキーに似ているか。でもはるかに軽く柔らかな音楽。

 

何だか「悲愴」が好きになってしまいそうなそんな感じがする演奏でした。

 

テオドール・クルレンツィスは1972年生まれのギリシャ出身の指揮者とのこと。これから円熟してくる年代でしょうね。楽しみです。

 

ムジカエテルナと言うアンサンブルは、

 

ロシアのウラル山脈の麓に位置するペルミを本拠とするアンサンブル。当初はシベリアの中心都市、ノヴォシビルスクを拠点とした古楽器を含む室内楽オーケストラだったが、ギリシャ・アテネ出身の指揮者テオドール・クルレンツィスのそのアンサブルはペルミに移り、ペルミ国立歌劇場の音楽監督および座付きオーケストラとして2004年に創設。一躍80人超の大オーケストラへ拡大し、実力派アーティストを招聘。ロシアが世界に誇る歌劇場のオーケストラとして名を馳せる。2012年にソニー・クラシカルと専属契約を結び、モーツァルトのダ・ポンテ台本によるオペラ三部作やラモー「輝きの音」、ストラヴィンスキー「春の祭典」「結婚」などを録音、発表している。(ムジカエテルナ - TOWER RECORDS ONLINE より)

ペルミと言う街はモスクワから1400キロ弱、ウラル山脈の西側、カマ川の両岸に広がる都市で、人口は約105万。石油化学、軍事産業都市としての顔をもち水上交通の拠点、シベリア鉄道の分岐点という交通の要所でもある、のだそうです。

 

こちらは、チャイコフスキー交響曲第5番の映像。クルレンツィスの指揮している姿が見れます。

 

この後ピエール・モントゥー/ボストン交響楽団の「悲愴」を聴こうと思っていたのですが、クルレンツィスの演奏で充分以上に満腹(笑)

 

今日はこれでおしまい。

 

 

チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調 作品74「悲愴」

モーツァルトのオペラ三部作『フィガロ』『コジ』『ドン・ジョヴァンニ』で話題をさらったギリシャの鬼才指揮者クルレンツィスの新作は、なんとチャイコフスキーの『悲愴』交響曲!
 これまでにもショスタコーヴィチの交響曲をはじめ、ソニー・クラシカルに移籍してからもストラヴィンスキーの『春の祭典』や『結婚』、またチャイコフスキーではコパチンスカヤをソリストに迎えたヴァイオリン協奏曲はありましたが、交響曲レパートリーとしては移籍後初のものとなるという点でも大きな話題をさらうことは間違いないところでしょう。(HMV&BOOKS online より)