Stabat Mater(スターバト・マーテル) 3 ロマン派作曲家たちの信仰告白 | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

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クラシック音楽を中心にした好きな音楽と読書感想、日々の雑感などを思いつくまま気まぐれに書き綴ります

 

スターバト・マーテルの聴き比べ、続きを。

今日は主にロマン派作曲家の作品を。

 

まずは、リスト。

リストの二作目のオラトリオ『キリスト』(1862-67年)の第3曲が、イエスを生んだ後のマリアの喜びを歌った「Stabat Mater speciosa」となっています。他のスターバト・マーテル、「悲しみの聖母」とは違い、赤子のイエスを見つめる幸せな日々の聖母マリアがテーマです。しかし静かで祈りに満ちた音楽は、マリア信仰の別な一面を見せてくれます。

 

ジェームズ・コンロン指揮ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団

 


「『キリスト』(ドイツ語:Christus、クリストゥス)は、フランツ・リストが作曲した3つのオラトリオのうち聖エリーザベトの伝説に続く第2作目で、1866年に完成した作品である。聖書を原典としてキリストの誕生から受難、復活までを描いていることに関してはヘンデルの『メサイア』の先例がある。ただヘンデルが旧約聖書の預言をとおしての間接的な描写を多く用いているのに対し、リストは福音書のテクストによる直接的な描写を多用している。
(中略)
多作なワイマール時代を経て、1861年にリストがローマに移った後の10年間の彼の作品のほとんどは合唱団のための宗教音楽だった。作曲時期は1862年から1866年のローマ滞在中と推定され、その影響でグレゴリオ聖歌的なコラールがふんだんに取り入れられており、その影響は独唱のレチタティーヴォまで及んでいる。1866年9月末までに楽譜を完成させたが、リスト自身がいくつかの修正を望んだため、最終的な完成はその年の12月であった。作品は1872年に出版され、1873年5月29日にヴァイマルのプロテスタント教会にて初演がなされた。」(Wikipedia キリスト (オラトリオ) より)
 

次はバッハの作品を編曲した「アヴェ・マリア」で知られるフランスの作曲家グノーの1867年の作品。

 

哀しみが染み渡るように伝わってくるメロディ、ですね。

 

1877年には、ドヴォルザークの「スターバト・マーテル」が発表されました。愛児を立て続けに失う不幸に打ちひしがれたドヴォルザークが渾身の思いを込めて作曲した大作です。

 

このブログでも何度かご紹介しています。

 

 

 

今日はラファエル・クーベリック指揮バイエルン放送交響楽団の演奏で。

 

1890年に発表されたラインベルガーの「スターバト・マーテル」は、ドヴォルザークの作品のような大曲ではありませんが、とても素敵な曲です。

 

「ヨーゼフ・ガブリエル・ラインベルガー(Josef Gabriel Rheinberger、1839年3月17日 - 1901年11月25日)は、リヒテンシュタインの首都ファドゥーツに生まれ、ドイツ帝国のミュンヘンに没した作曲家、オルガン奏者、指揮者、教育者。」(Wikipedia ラインベルガー より)

 

 

イタリアオペラの大作曲家ヴェルディの晩年の傑作に『聖歌四篇』と言う曲があります。その第2曲が「スターバト・マーテル Stabat Mater」です。


「聖歌四篇または聖歌四編(せいかしへん、イタリア語: Quattro Pezzi Sacri)は、聖句に基づくジュゼッペ・ヴェルディの混声合唱曲集。異なる年代に別々に成立した楽曲の寄せ集めではあるが、しばしばまとめて上演されている。以下の4曲から成る。

アヴェ・マリア Ave Maria (無伴奏合唱曲、ラテン語詞、1889年作曲) 音列「謎の音階」が駆使された作品としても名高い。
スターバト・マーテル Stabat Mater (管弦楽伴奏合唱曲、ラテン語詞、1896年~1897年作曲) 伝ヤコポーネ・ダ・トーディ作の中世の詩に基づく。
処女マリアへの讃歌 Laudi alla Vergine Maria (無伴奏女声合唱曲、イタリア語詞、1887年~1888年作曲) ダンテの詩への曲付けである。
テ・デウム Te Deum (管弦楽伴奏二重合唱曲、ラテン語詞、1895年~1896年作曲)」(Wikipedia 聖歌四篇 より)

 

今日はリカルド・ムーティ指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏で聴きました。

合唱はストックホルム室内合唱団とスウェーデン放送合唱団、合唱指揮がエリック・エリクソン。

 

次は・・・、

コダーイの名前と1898年という作曲された年を見て首を傾げてしまいました。ヴェルディの作品と同じ年?

 

1898年にヴェルディは85歳。コダーイは・・・。生まれた年を調べてみるとこの時16歳。・・・

 

さすがに後年のコダーイのイメージとは違いますが、しかしそれにしても、美しい曲です。

 

 

ここまで来て、次回は、と思ったのですが、

インターネットでいろいろ調べている内に、殆ど同じテーマのブログを見つけてしまいました。

 

作曲家34人のスターバト・マーテル |岡野一哉

 

内容も扱う曲も殆ど同じような感じになってしまいそうですので、この企画これで終わりにします(笑)

近現代の作品については上記岡野さんのサイトを、と言う事で(笑)

 

それでは、また。

 

 

 

ドヴォルザーク:スターバト・マーテル

三人の愛児を相次いで失ったドヴォルザークの深い悲しみの底から生まれた傑作を、録音時は後のビロード革命など知る由もなく、亡命先で祖国愛を紡ぎ上げたクーベリック。音楽的な洗練さと高度な技術で応えたミュンヘンの音楽家たちとの充実のコラボレーションだ。

ラファエル・クーベリック
バイエルン放送交響楽団 / 合唱団
S:エディト・マティス
A:アンナ・レイノルズ
T:ヴィエスワフ・オフマン
B:ジョン・シャーリー=カーク

 

 

ヴェルディ:聖歌四篇≪クラシック・マスターズ≫

リッカルド・ムーティ指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団によるヴェルディ最晩年の静謐な名曲、「聖歌四編」を収録。1982年録音盤。

ヴェルディ最晩年の内的告白ともいうべき静謐な名曲、聖歌四編の決定的名演奏です。合唱に大きな比重のかかる曲だけに、合唱団の選択が演奏の出来を大きく左右します。ムーティは名実共に世界最高の合唱指揮者と合唱団を呼び、大きな成功を収めました。信じがたいほどの透明度と精妙さを誇る合唱とオーケストラの、幸福な出会いを聴くことができます。

リッカルド・ムーティ(指揮)、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
スウェーデン放送合唱団、ストックホルム室内合唱団(エリック・エリクソン指揮)
アーリーン・オジェー(ソプラノ)

 

 

 

 

 

 

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