イシュトヴァン・ケルテス/ロンドン交響楽団 「ドヴォルザーク レクイエム 変ロ短調 作品89 」 | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

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今日聴いたのはイシュトヴァン・ケルテス指揮ロンドン交響楽団による「ドヴォルザーク レクイエム 変ロ短調 作品89 B.165」です。

不幸な水難事故で43歳の若さで亡くなってしまったケルテスが、亡くなる五年前、38歳の時に録音したディスクです。

 

ドヴォルザークのレクイエムは彼の作品としてはあまり有名とは言えないと思いますが、聴いてみると中々凄い曲です。円熟期の作品らしく技術的にも充実、いかにもドヴォルザークらしいメロディの美しさもさることながら音楽としてのスケールの大きさ、決して派手な仕草を見せず聴くものの心に訴えかけてくる真摯で切実な祈り、1時間半以上にも及ぶの長大な曲なのに少しも長すぎるなどと思わせない素晴らしい音楽でした。

 

ケルテスの音楽作りも、得意のドヴォルザークだけあって熱く共感に満ちた名演。

 

この曲、もっと演奏されても良いのでは、と思ってしまうくらい聴き応えのある素晴らしい時間が過ぎていきました。

 


「レクイエム 変ロ短調 作品89(B.165)は、アントニン・ドヴォルザークが1890年に作曲したレクイエム。演奏時間は約1時間35分。1890年1月から10月にかけて作曲された。イギリスのバーミンガム音楽祭のための新作依頼に応えて作曲されたもので、「スターバト・マーテル」の場合とは異なり、精神的衝動が契機となったものではないが、素朴で抒情的な美しい旋律にあふれたレクイエムであり、ブルグハウゼル(オランダ語版、チェコ語版、英語版)は「ドヴォルザークの全作品中最も哲学的な作品」と評している。初演は1891年10月9日、バーミンガム音楽祭において作曲者自身の指揮によって行われた。なお本作はテキストこそラテン語であるが、一部の区切りが独自的であるなど、既存のレクイエムからはやや逸脱したものとなっている。」(Wikipedia レクイエム (ドヴォルザーク) より )

 

 

 

Dvorak:Requiem Mass/Mass D

ドヴォルザークの宗教曲といえば「スターバト・マーテル」が有名だが、全編に歌心の充満した「レクイエム」も美しい作品である。ローレンガー、クラウゼといった名歌手の歌唱と共感に溢れたケルテスの指揮が生んだ記念碑的演奏をじっくり味わって頂きたい。