この数日、夢中になって
2作のマンガを読んでいた。

 

おざわゆきの「あとかたの街」と
津田雅美の「ちょっと江戸まで」である。

 

「あとかたの街」については
昨日書いたので、今日は、
「ちょっと江戸まで」について書く。

 

そもそも津田雅美というのは、
「彼氏彼女の事情」で有名になった方で、
こちらもちょっと読んでみたが、
あまりにもオーソドックスな少女マンガで、
こちらは最後までは読めなかった。

 

しかし「ヒノコ」が
「これも学習マンガだ」の一冊に
セレクトされていたことが、
津田雅美の作品に触れるきっかけになり、
「ヒノコ」が面白かったため、
「カレカノ」と「ヒノコ」の間に書かれた、
「ちょっと江戸まで」にも興味を持ち、
今回の一気読みにつながったのである。

 

このマンガのユルい世界観に
すっかりはまってしまった。

なんともいえないほんわりとした、
温かな世界観で、
役割的に悪人も出て来るが、
そんなに悪に徹してもいない。

本当に心が穏やかになるマンガだ。

 

「傘寿まり子」既刊9巻までを読んで、
すぐにおざわゆきの前作
「あとかたの街」全5巻を読破しました。


巻末にはこうの史代との対談も
掲載されていて、
最近の戦争を扱ったマンガの
二大巨頭の作品について
あらためて考えてみました。

 

おざわゆきは1964年生まれ
「あとかたの街」は母親がモデルで、
その母親が終戦の時に13歳くらいなので、
生まれたのは昭和7年頃という計算になります。

ちょうど僕の母親が昭和7年生まれなんです。

 

それで戦争のことを
覚えている人達の話を
直接聞けるのは、
僕たちがほとんど最後の世代なんだなあと
改めて思った次第です。

 

僕の母の年の離れた兄、
僕の伯父にあたる人ですが、
この人はシベリアで抑留された経験があります。

 

母とは疎遠だった伯父さんなので、
戦争の話を直接聞いたことはありませんでしたが、
僕が就職活動をしていた時、
この伯父さんの家に
一ヶ月ほど泊めてもらったことがあって、
毎朝朝ご飯を一緒に食べて、
僕は就職活動に出かけていたんですが、
毎週何曜日だかの朝ご飯は、
決まってオートミールに
ホットミルクをかけたものだったんです。

 

後にも先にもオートミールを食べたのは、
この時だけで、不思議なものを食べるなあと
思っていたのですが、それは、
シベリアで抑留されていた時に
朝ご飯にオートミールが出されて、
それがとてもおいしかったので、
日本に帰ってからも
オートミールを食べていたということを
後になって知りました。

 

その伯父さんも20年ほど前に亡くなって、
僕に戦争の体験を話してくれそうな人はもういません。

 

さて、今のテーマ本は
「傘寿まり子」です。

今更ですが、
ちゃんと読むのは初めてです。

 

作者のおざわゆきさんは、
高校生の時にマンガ家デビューされた方ですが、
2008年に「凍りの掌」という、
お父さんのシベリア抑留体験を
自主制作した同人誌で発表し、
この作品が大変な話題になりました。

 

その後、お母さんの戦争体験を書いた、
「あとかたの街」を
「BE・LOVE」に連載し、
この連載のためにお話を聞いた、
高齢者の方々にインスパイアされ、
「傘寿まり子」の連載を始めたそうです。

この作品で講談社漫画賞を受賞されています。

 

80歳の作家がウェブ文芸誌を立ち上げる、
という話で、奇しくも女子高生が、
芥川・直木賞をダブル受賞し、
その子がメインの作家として、
新しい文芸誌(紙媒体)が立ち上がるという、
「響」と少し似ていますが、
ある意味正反対の感じで、
文芸を肯定する2つのマンガ作品が、
同時に大きな話題作になっているのは、
とてもいいことだと思います。

 

けしてアンチ文芸ではないので。

 

今年のマンガ大賞を受賞した
「彼方のアストラ」を読みました。

 

単行本全5巻と、
ジャンプ系のマンガにしては、
コンパクトにまとまっており、
絵の精密さ、構成の面白さ、
キャラクター設定の良さなど、
全てにおいてまとまりが良く、
さすがにマンガ大賞を獲る作品と、
感心しました。

 

宇宙漂流ものという、
設定的にはかなり古い設定ですが、
現代の感覚でアレンジしたら、
ここまでの作品になるんだなと
あらためてオリジナリティの大切さを
痛感しました。

 

もうすぐアニメが放送されるそうです。
きっと話題になると思います。

 

「メタモルフォーゼの縁側」よかったですよ。


作者の鶴谷香央理さんは、
鳥飼茜さんのアシスタントを
していたことがあるそうで、
鳥飼さんのエッセイで大絶賛されていました。

 

おばあさんとオタク女子の
BLを通じた交流という、
渋いストーリーです。

 

津田雅美の
「ヒノコ」という作品に
今はまりかけている。


漢字(象形文字)の持つ、
呪術的な側面を
現実化させる能力を持つ、
巫女の悲劇的な生涯を描いた作品だ。

 

今目の前に展開されている、
あまり望ましいとはいえない状況を
打破する手がかりになってくれるかもしれない。

 

 

「ヒノコ」は「火の粉」なのだそうだ。
「命が炎なら言葉はその火の粉」
というセリフがマンガの中に出て来る。

 

言葉のひとつひとつが
力を持っているという発想は、
言霊という考え方である。

 

こんな概念さえマンガ化されているなんて、
日本のマンガは本当に奥が深い。

 

たとえば「辛い」という文字に
一本線を足して「幸せ」という文字に直し、
「辛」は罪人の入れ墨をする針をかたどった文字だ、
それに対して「幸」は
手枷(てかせ)をかたどった文字で、
同じ状況でもそれを「辛い」と思う人と、
「幸せ」と思う人がいるからなのだろうか、
というような考察がなされている。

 

これは確実に「学問」の次元を超えている話だ。

 

「描クえもん」が
ちょっと洒落にならない。

 

作者は「海猿」や
「ブラックジャックによろしく」
で大活躍した佐藤秀峰。

 

自虐的な内幕暴露ものの作品は、
過去にもあったが、
この作品は読んでいてつらくなる。

 

でもこれも現実なのだろう。

 

「偽装不倫」がドラマ化されるそうだ。

東村アキコがウェブ上で連載中の作品。

 

ヒット作を連発し、そのほとんどが、
ドラマ化や映画化され、
飛ぶ鳥も落とす勢いの東村アキコ。

 

彼女なりに悩んで迷いながらも、
始めたウェブ上での連載も、
早くもドラマ化が決まった。

 

相手の恋人役が
韓国人から博多の人間に変わるなど、
多少の変更はあるようだが、
どうなっていくか見守りたい。

 

今日は短期のレンコン堀りの仕事が休みなので、
昨夜は映画を観てきました。

 

レイトショーの「ザ・ファブル」、
昨日が封切り日だったので、
そこそこお客さんも入っていました。

 

この「ザ・ファブル」は
ヤングマガジンに連載中のマンガで、
作者は南勝久という、
暴走族(ルーレット族)出身のマンガ家です。

 

「なにわともあれ」という
暴走族が主人公のマンガを
ずっと連載していて、
その次に連載を始めたのが、
「ザ・ファブル」という、
伝説の殺し屋が主人公のマンガです。

 

この「ザ・ファブル」は人気マンガで、
すぐに映画化が決まりました。

 

監督は江口カンさんといって、
福岡高校、九州芸工大出身で、
主にCMディレクターなどをされている方です。

 

この江口カンさん、福岡に会社を持っていて、
以前は警固のあたりに事務所がありました。


僕は蕎麦屋の出前をやっている時、
この事務所に何回か出前を届けたことがあります。

 

僕はその頃ディレクターを辞めていたので、
業界の事情とか、江口カンという名前とかは、
一切知らず、江口カンさんは、
僕とほぼ同じ年齢、学年で言えば、
二つ下にあたる人で、
僕が出前をしている頃、
着実に実績を積んで
ついには劇場映画を監督し、
僕もこうやって彼と、
作品を通して接する機会が持てました。


でも結局知らない人ですが、
他の1ミリも知らない人に比べると、
少しだけ親近感があります。

 

というわけで「ザ・ファブル」ですが、
すごく良質なエンタテインメント作品でした。

 

特に配役、主人公の岡田准一、
その嘘の妹役の木村文乃、
岡田准一を育てた殺し屋役の佐藤浩市、
岡田准一を世話するヤクザ役の安田顕、
マドンナ役の山本美月、
敵対するヤクザ役の向井理、柳楽優弥、
敵対する殺し屋役の福士蒼汰、
岡田准一のバイトの上司役の佐藤二朗など、
オールスターに近い豪華キャスト、
これだけの俳優を集められるのも、
江口カンさんの人望だと思います。

 

エンドロールには
レディ・ガガの曲が流れて、
まさにやりたい放題な感じの映画でした。

 

明日は短期のレンコン堀りの仕事が休みなので、
レイトショーで「町田くんの世界」を見てきました。

 

熊本では2館でしか上映されておらず、
しかも今日のレイトショーは
僕たち2人を合わせて、
5人しか見ていませんでした。

 

そんなマイナーな映画ですが、
実はすごくいい映画だったんです。

 

僕は原作を読んで、
この映画はやってくれるんじゃないか
と期待して見に行きました。

 

しかも監督は石井裕也、
「舟を編む」を撮った人なので、
きっとやってくれると思っていました。

 

結果やってくれてました。
主役の2人は全くの新人で、
ぎこちないところも多かったですが、
脇の配役がしっかり支えていたので、
かえって主役の良さが引き立っていました。

 

おそらくアルベール・ラモリスの
「赤い風船」と
フランク・キャプラの
「素晴らしき哉、人生」に、
リスペクトしていると思われるシーンがあり、
個人的には大満足でした。

 

最近あんまりいいことがなかったので、
黙って耐えてきたご褒美なんだろうと思いました。