津田雅美の
「ヒノコ」という作品に
今はまりかけている。


漢字(象形文字)の持つ、
呪術的な側面を
現実化させる能力を持つ、
巫女の悲劇的な生涯を描いた作品だ。

 

今目の前に展開されている、
あまり望ましいとはいえない状況を
打破する手がかりになってくれるかもしれない。

 

 

「ヒノコ」は「火の粉」なのだそうだ。
「命が炎なら言葉はその火の粉」
というセリフがマンガの中に出て来る。

 

言葉のひとつひとつが
力を持っているという発想は、
言霊という考え方である。

 

こんな概念さえマンガ化されているなんて、
日本のマンガは本当に奥が深い。

 

たとえば「辛い」という文字に
一本線を足して「幸せ」という文字に直し、
「辛」は罪人の入れ墨をする針をかたどった文字だ、
それに対して「幸」は
手枷(てかせ)をかたどった文字で、
同じ状況でもそれを「辛い」と思う人と、
「幸せ」と思う人がいるからなのだろうか、
というような考察がなされている。

 

これは確実に「学問」の次元を超えている話だ。