さて、今のテーマ本は
「傘寿まり子」です。

今更ですが、
ちゃんと読むのは初めてです。

 

作者のおざわゆきさんは、
高校生の時にマンガ家デビューされた方ですが、
2008年に「凍りの掌」という、
お父さんのシベリア抑留体験を
自主制作した同人誌で発表し、
この作品が大変な話題になりました。

 

その後、お母さんの戦争体験を書いた、
「あとかたの街」を
「BE・LOVE」に連載し、
この連載のためにお話を聞いた、
高齢者の方々にインスパイアされ、
「傘寿まり子」の連載を始めたそうです。

この作品で講談社漫画賞を受賞されています。

 

80歳の作家がウェブ文芸誌を立ち上げる、
という話で、奇しくも女子高生が、
芥川・直木賞をダブル受賞し、
その子がメインの作家として、
新しい文芸誌(紙媒体)が立ち上がるという、
「響」と少し似ていますが、
ある意味正反対の感じで、
文芸を肯定する2つのマンガ作品が、
同時に大きな話題作になっているのは、
とてもいいことだと思います。

 

けしてアンチ文芸ではないので。