早く大人になりたかった私は
とにかく早く社会に出て仕事をしたいと
いつも考えているような「ませたガキ」でした。
子供時代に金銭感覚で多大なる影響を受けたのは
島田の伯母さん。
伯母は一度も働いた事がないのに
六本木の一等地に立つ億ションに
悠々自適で生活している人でした。
その秘密は不動産に収入によるキャッシュフロー。
一族が長年住んできた六本木の土地を
いい時期に転売したあと、
東京郊外に土地を買い、建物代だけをを銀行から借金して
７０戸のワンルームマンションを建てたのです。
駅徒歩３分、近くの音大の生徒をターゲットにし
女子限定、全戸防音設備完備、ピアノ持込可、
管理人常駐にしたところ、このコンセプトが
大受けしてテナントが絶えることがありませんでした。
しかも卒業時には新入学の生徒が入るわけで
入れ替わりのタイミングもばっちり。
身元確実な品行方正な音大生は
おかしな問題を起こす人もなく、
願ってもいないテナントでした。
島田の伯母は典型的な昭和一桁生まれの女性。
けれど彼女はお金がお金を生み出す
キャッシュフローについて幼い私に
身をもって示してくれた教師でした。
生涯独身で子供もいなかった伯母は唯一の姪である
私を大変可愛がってくれました。
伯母と違って普通のサラリーマン家庭で節約と
我慢する事こそ美徳と母から教えられ
質素に暮らす私には伯母の豪快な生き方が
かなり憧れでした。
デパートに行ったら何でも好きなものを買っていい。
あるときは気にいったブランド服の色を迷っていたら
全色１０着ラックごと買ってくれたこともあります。
１５歳の私はどうしたらそんな風に生きられるか
いつも考えていました。
当時の私はダンスの衣装代を稼ぐために
時給４８０円のハンバーガ屋でバイトしていました。
かたや伯母は自分の好きな時に起きて、
好きなことをして、好きなことを言い、
寝ている間に不動産がお金を作り続けているのです。
一生１時間いくらで、自分の時間を切り売りしていくのか、
もしくは伯母のように好きなことをして生きていくのか、
伯母という存在は学校では教えてくれない
錬金術のトレーナーだったと思います。
多感な１０代の頃に超 「変わり者」 的発想だった私は
学校でもその後の社会でも浮きましたが、
この頃の体験が自分の人生の可能性を信じていい、
というきっかけになったと思います。
次回は島田の伯母さんが教えてくれた
キャッシュフローの仕組みを作り出す方法について
書きたいと思います。
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