ドルインデックスは最安値更新中!投機筋の売り越し増加!
米ドルの強弱を適切に示すものとして、筆者はドルインデックスを重視しています。ドルインデックスは依然として過去最安値を更新中です。
下記はドルインデックスの一目均衡表です。下落トレンドが強まっています。
下記はドルインデックスの週ベースの一目均衡表です。中期での下落トレンドが継続しています。
下記は、主要6通貨(ユーロ、円、英ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル)の投機筋(ノン・コマーシャルズ)の対米ドルでのポジションを合計したものです。
10月30日時点では237,470枚の米ドル売り越しとなり、過去最高値を更新しました。前週に比べて売り越し枚数は26,901枚増加しています(3週間連続の増加)。ヘッジファンドやCTAなどの投機筋(ノン・コマーシャルズ)は、米ドルに対して「弱気」スタンスを強めています。
投機筋のポジション動向をみる限り、米ドルの下落トレンドは続くと思われます。
同じく下記は、NYBOTに上場されているドルインデックス先物取引の投機筋のポジションを示したチャートです。
10月30日時点では売り越し枚数は20,134枚で、前週に比べて2,310枚減少しています(5週間連続の減少)。ただし、ヘッジファンドやCTAなどの投機筋は米ドルに対してまだ「弱気」スタンスを維持しています。
以下では、主要通貨の対米ドルでの一目均衡表のチャートを掲載します。
ユーロは米ドルに対して過去最高値を更新中です。上昇トレンドが継続しています。
なお、投機筋のポジション動向をみると、10月30日時点でユーロの買い越し枚数は68,848枚となり、高水準を維持しています。ただし、ユーロの買い越し枚数は4週間連続で減少しており、投機筋は利益確定の行動をとっているようです。
ドル円レートは保ち合い相場が続いています。11月2日の終値は雲の下限を下回っています。
米ドルは英ポンドに対しては、下落トレンド(米ドル安英ポンド高)が強まってきました。
なお、投機筋のポジション動向をみると、10月30日時点で52,928枚の英ポンド買い越しとなっています。なお、買い越し枚数は6週間連続で増加しています。投機筋は英ポンドに対して「強気」スタンスを強めているようです。
スイスフランは米ドルに対して上昇トレンドが継続しています。
カナダドルは米ドルに対して年初来高値を更新中で、上昇トレンド(米ドル安カナダドル高)が続いています。
豪ドルは米ドルに対して、上昇トレンドが継続中です。
ニュージーランドドルは米ドルに対して横ばいとなってきました。なお、終値は転換線と基準線を上回っています。
南アフリカ・ランドは米ドルに対して、上昇トレンドが続いています。ただし、足元は横ばいとなりつつあります。
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*当資料は、情報提供を目的としており、金融商品に係る売買を勧誘するものではありません。配信する内容は投資判断の参考として筆者の見解をお伝えするもので、内容の正確性、完全性を保証するものでもありません。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。また、当資料の一部または全てを利用することにより生じたいかなる損失・損害についても責任を負いません。当資料の一切の権利は筆者に帰属しており、無断で複製、転送、転載を禁じます。
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金と原油はどこまで上がる?!
金(ゴールド)が1オンス=800ドル台の大台に乗せ、WTI(原油価格)が1バレル=95ドル台をつけるなど、このところ国際商品相場の高騰には目を見張るものがあります。
当然、それぞれの商品にとって、どこまで上がるのかが焦点となってきました。そこで、FRBが算出する米ドルの貿易加重実質為替レートを活用して、1980年の“第二次石油危機”当時の米ドル(貿易加重実質レート)を基準として、金および原油の価格を計算してみました。
下記はロコ・ロンドンの金価格と、1980年の貿易加重実質レートでみた金のチャートです(10月末時点)。1980年価格でみると598.58ドルとなっています(名目価格は789.50ドル)。もしドル相場が変わらずに、実質ベースの金価格が1980年当時の水準まで上昇すると仮定すれば、名目ベースでは1オンス=1000ドルを超えることになります。
下記は、WTIと、1980年の貿易加重実質レートでみたWTIのチャートです(10月末時点)。1980年価格でみると73.98ドルとなっています(名目価格は94.53ドル)。
下記は、先物価格でみた金/原油比率のチャートです。これをみると、金(ゴールド)価格が原油(WTI)価格に比べて相対的に安値圏にあることがわかります。
原油価格の上値を追うよりも金価格の上値を見込む方が、リスクが小さいとみています。
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国際商品市況(11月2日時点) … 投機筋は「強気」スタンス継続!
米ドルの代替通貨とみなされる金(ゴールド)は年初来高値を更新中です。週末には1オンス=805.7ドルとついに800ドルの大台に乗りました。
COMEXの金先物取引の、投機筋(ノン・コマーシャルズ)のポジション動向のチャートを確認しておきましょう。
10月30日時点では、差引きで198,606枚の買い越しとなりました(2週間振りに買い越し枚数が増加)。CTAやヘッジファンドなどの投機筋は、金に対して「強気」スタンスを維持しています。
下記はWTI先物(期近物)のチャートです。原油価格は過去最高値を更新中です。週末(11月2日)には1バレル=95.93ドルをつけ、100台にあとわずかまで迫っています。
NYMEXのWTI先物取引の投機筋(ノン・コマーシャルズ)のポジション動向をみておきましょう。
10月30日時点では、83,120枚の買い越しとなり、前週比23,094枚の増加となりました。2週間振りに買い越し枚数が増加しています。投機筋のスタンスは「強気」継続です。
次は穀物相場の状況です。CBOTのコーン先物は緩やかな上昇相場となっています。
CBOTのコーン先物取引の投機筋(ノン・コマーシャルズ)のポジション動向をみておきましょう。
10月30日時点では、189,380枚の買い越しとなり、前週比24,427枚の増加となりました。2週間振りの増加です。投機筋のスタンスは「強気」継続です。
国際商品市況の代表的な指数であるCRB指数をみると、年初来高値を更新中です。
バルティック海運指数は上昇が一服しています。ドライインデックスは10月29日に11,033ポイントの史上最高値をつけた後反落し、11月2日まで4営業日連続で下落しました。2日の終値は10,548ポイントです(高値比4.4%の下落)。
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