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米国の鉱工業生産統計(10月)から

 11月16日に10月の鉱工業生産が発表されています。今回は前月比0.5%のマイナスとなり、コンセンサス予想(+0.1%)を大きく下回りました。これまで鉱工業生産は4カ月連続で増加しており、今回は5カ月振りのマイナスです。景気後退の兆候を示す数値として注目する必要があります。

1119米国・鉱工業生産指数


 下記は設備稼働率のチャートです。頭打ちとなっています。


1119米国・設備投資稼働率


 下記は鉱工業生産と、先行指標となる製造業新規受注(非国防資本財)を描いたチャートです。今後、鉱工業生産が減速する可能性を示唆しています。 


1119米国・鉱工業生産指数と製造業新規受注



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*当資料は、情報提供を目的としており、金融商品に係る売買を勧誘するものではありません。配信する内容は投資判断の参考として筆者の見解をお伝えするもので、内容の正確性、完全性を保証するものでもありません。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。また、当資料の一部または全てを利用することにより生じたいかなる損失・損害についても責任を負いません。当資料の一切の権利は筆者に帰属しており、無断で複製、転送、転載を禁じます。
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涌井 良幸, 涌井 貞美
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国際通貨研究所
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米国の証券投資動向(9月)は2カ月振りに資金流入!

 11月16日に、米国の9月の証券投資動向のデータが発表されています。


  8月の証券投資は差し引きで705.99億ドルの資金流出となりましたが、9月については264.08億ドルの資金流入となっています。


 下記は証券投資動向のチャートです。9月は資金流入となりましたが、金額は以前と比べると少なくなっています。


1119対米証券投資動向


 下記は米国の証券投資と貿易赤字の推移をあわせて載せたチャートです。7月以降、貿易赤字を証券投資の黒字でカバーできない状況となっています。直近のドル安に寄与したことがわかります。


1119対米証券投資と米貿易収支


 下記は貿易赤字と証券投資の合計額、およびその12カ月累計金額とドルインデックスをまとめて載せたチャートです。


1119対米証券投資と米貿易収支(2)


 米ドルの下落に歯止めをかけるためには、海外の投資家による米国資産(株式、債券、実物資産など)への投資が不可欠です。10月以降の数値に注目する必要があります。





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*当資料は、情報提供を目的としており、金融商品に係る売買を勧誘するものではありません。配信する内容は投資判断の参考として筆者の見解をお伝えするもので、内容の正確性、完全性を保証するものでもありません。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。また、当資料の一部または全てを利用することにより生じたいかなる損失・損害についても責任を負いません。当資料の一切の権利は筆者に帰属しており、無断で複製、転送、転載を禁じます。
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ポール R.クルーグマン, 高中 公男
国際金融の理論






国際商品市況(11月16日時点) … 調整局面入りか?

 11月16日までの国際商品市況の状況をみておきましょう。


 米ドルの代替通貨とみなされる金(ゴールド)は調整局面に入ったようです。1トロイオンス=800ドルを大きく下回ってきました。


1119COMEX金


 COMEXの金先物取引の、投機筋(ノン・コマーシャルズ)のポジション動向のチャートを確認しておきましょう。


 11月13日時点では、差引きで190,785枚の買い越しとなりました。前週に比べて買い越し枚数は11,340枚減少しています(3週間振りの減少)。


 CTAやヘッジファンドなどの投機筋は、金に対して「強気」スタンスを維持していますが、次週以降の数値に注目したいところです。


1119COMEX(ノンコマーシャル)


 下記はWTI先物(期近物)のチャートです。いったん下落したあと、週末にかけて再び上昇してきました。


1119WTI推移


 NYMEXのWTI先物取引の投機筋(ノン・コマーシャルズ)のポジション動向をみておきましょう。


11月13日時点では、27,566枚の買い越しとなり、前週比78,250枚の大幅な減少となっています(3週間振りの減少)。一気にポジション調整が行われたようです。


 投機筋のスタンスはまだ「強気」継続です。しかし、投機筋のポジション動向を見る限り、今後、原油価格は下落する可能性が高まっています。


1119NYMEX(wti)


 ここで、GOLD/WTI比率の推移をみておきましょう。11月16日は8.26倍まで低下し、原油に比べて金価格が相対的に割安となっています。


1119gold/WTI


 次は穀物相場の状況です。CBOTのコーン先物は上昇トレンドが継続しています。


1119CBOTコーン先物


 CBOTのコーン先物取引の投機筋(ノン・コマーシャルズ)のポジション動向をみておきましょう。




 11月13日時点では、232,533枚の買い越しとなり、前週比6,483枚の増加となりました。3週間連続の増加です。投機筋のスタンスは「強気」継続です。


1119CBOTコーン(ノンコマーシャル)


 国際商品市況の代表的な指数であるCRB指数をみると、上昇トレンドを維持しています。


1119CRB指数の推移


 最後にバルティック海運指数(ドライインデックス)をみてみましょう。


 バルティック海運指数(ドライインデックス)は、11月16日時点では10,870ポイントとなりました。横ばいとなっています。当面、保合い相場となる可能性があります。


1119バルチック海運指数




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ポール R.クルーグマン, 高中 公男
国際金融の理論