toは「方向+到達」が基本です。その広がりを見て行きましょう。
○「到達」のto
The leaves fell to the ground.(枯れ葉が地面に落ちた 「地面に到達」)
His effort led him to success. (努力が彼を成功に導いた。「成功に到達」)
○「与える」to
He gave a nice present to his aunt.(彼はおばさんにすてきなプレゼントをあげた。 あげたプレゼントは当然相手に「到達」します。)
○「付着」のto
attach label to the bottle ( ラベルを瓶に貼り付ける。「瓶に到達して→くっつく」)
( The label ( ) the bottle is beautiful. 〈瓶に着いているラベルはきれいだ。ならば初めから「付着」していて、「向かう」感じはないので on になります。
○「程度」のto
His business succeeded to a great extent.
(彼の仕事は大変成功した。すごい程度「extent」まで「到達」。)
○「合わせる」to
She danced to the music.(彼女は音楽に合わせて踊った。「付着」と同様、向かって音楽に「ついて」いる感じです。)
○「結果」のto
To our surprise, his reckless attempt succeeded.〈驚いたことに、彼の無謀な計画は成功した。成功したことが→我々の驚きに「至った」のが結果です。)
He studied hard for the purpose of passing the test.
〈彼は試験に通るためによく勉強した。は「これから求める」目的なのでfor the purpose of ですが、He made a great effort, but to no purpose.〈彼はすごく努力したが、無駄だった。は、すでに「到達した結果」なのでtoとなります。
「動き」+「到達」で結構すっきり理解できるのがto。
今回からは5大前置詞 at, to, for, in, on を。中心のイメージから意味の広がりを考えていきましょう。まず
at は「一点集中」
①「数字」の一点集中
スピードメータで、針が数字の1点を指すのをイメージして下さい
The car was running at 60 kilometers. (車は60キロで走っている)
I got up at 5 o'clock (私は5時に起きた。)
I started to drive at the age of 25. (25才で車の運転を始めた。)
at best 一番よくても、せいぜい、at worst 最悪でも、at least 少なくとも
と、最上級の前にatが来るのも、「その一点」のイメージから
②「気持」の一点集中
対象に、「気持」を向けて何かに取り組むイメージです。
He is at work.(仕事に気持を向けて→働いている)
They are at table. (テーブルの料理に気持を向けて→食事中)
She is at Waseda University. (学校につきものの前置詞はatですが、単に場所の一点ではなく、そこで勉強に気持を向けているイメージがあります。彼女は早稲田大学の学生だ。
I attended the meeting at his request.(彼の要求に応じて会議に出た。要求に気持を向けて)で
They laughed at me. ( 彼らは私のことを笑った。彼に気持を集中)
I was surprised at the news.(私はその知らせに驚いた。の気持の原因のatもニュースに気持が集中して→驚いた の流れです。)
I was at a loss what to do.(私はどうしていいかわからなかった。は、気持を向けてもloss何もない→どうしていいかわからない。となります。)
③「一点集中」できまるat
The boss decides everything at will.(社長は何でも思うままに決めてしまう。)
すべて決定は彼の意思(will)に集中
と、atは大きく3つの「集中」で整理
前回は方向の3大前置詞、to, at, for でしたが、これにあと2つ加えれば基本の基本5大前置詞。以下に入る前置詞はなんでしょう。
(a) He is ( ) the house.
(彼は家にいる。)
(b) A picture is ( ) the wall.
(絵が壁に掛かっている。)
(a) in (b) on
ですね。それぞれの一番基本のイメージは
in -中 on-接触 です。
だから、同じ「服を着る」にしても、
(a) She appeared ( ) a black dress.
(彼女は黒い服で現れた。)
(b) She is putting ( ) a school uniform.
(彼女は制服に着替えている。)
(a)は in a black dress黒い服に「身を包まれた」状態です。
(b)はput on 「着替える」ことは服を体に「くっつける」こと。
次はどうでしょう?
(a) The man tried to take ( ) the innocent girl.
(そのおとこは無邪気な少女をだまそうとした。)
(b) I decided to take ( ) the difficult job.
(私はその困難な仕事を引き受けることにした。)
(a) take in 「だます」のは自分がしかけた罠の「中に」はめることですね。
(b) take on 「引き受ける」のは仕事を自分の方に「ぐっと引き寄せる」感じ。仕事内容が書いてあるレジュメを「つかんで引き寄せる」感じをイメージして下さい。
これで、5大前置詞、to, at, for, in, on の基本イメージ終了です。次回からはその広がりを見て行きましょう。
今回からしばらくは英語の「こころ」を考えるシリーズ。英語の「こころ」heart とは、英語の一番の核心となっている、一番よく使われる基本語のことです。基本的な前置詞や動詞がちゃんと分かっていることは、英語の核心の部分がわかっていることです。
まずは超根本、「方向」を示す「3大前置詞」から
( )に入る前置詞を to , at, forのいずれかを入れて下さい。
(a) I was looking ( ) the beautiful flowers.
(私はその美しい花を見ていた。)
(b) He still looks ( ) his parents for living expenses.
(彼はまだ生活費を親に頼っている。)
(c) I was looking ( ) my son.
(私は息子を探していた。)
答えは、
(a) look at (b) look to (c) look for
いずれも共通点は、一定の方向に向かうことですが、
at は相手に集中しますが、到達はしません
I shot at the bird. といえば、鳥を狙って撃ったが当たったかどうかは不明。
toは「向かって到達」までをしめします。
I got to the station . なら、駅に向かってついたこと。
for「は求めて向かう」こと。相手にたどり着いたか、目標を獲得したかは不明。
I left for Osaka.
ならば、「目的地」大阪に向かったが到着したかは不明です。
(c) のlook for は、探すことはそのまま「求めて見る」ことですが、(a) look at「見る」と (b) look to 「頼る」のat, to はなぜなのでしょう?
私の推論は、look at は視線は対象に到達していますが、もの、対象は「触って」はじめて到達感があるものですから、視線を向けてるだけならatなのかも。
音を聞くのはlisten to ですが、音は聞くしかないから、聞こえさえすれば到達感のtoなのでしょう。
look to の頼るは、頼る相手には「もたれる」感じの接触感があるので「到達」を含むto なのかも。
あってるかどうかは、そもそも絶対の正解のない問題なのでわかりませんが、前置詞の中心の意味をもとに、「なぜこのときにこれ?」と考えること自体が、前置詞の「こころ」を知り、使いこなせることにつながっていくと思います。
初めて習った that の用法は、
" I saw a large brown bag on the table. " " That is my bag ! "
(「テーブルの上に大きな茶色のバッグがあったよ。」「それは僕のバッグだ!」
と、日本語の「あれ、それ」にあたる代名詞の用法と、
That bag is very expensive. (そのバッグはとっても高いんだよ。)
と直後に名詞を伴う用法でしね。いずれにせよ that は、聞き手の視線、意識をthatが示すものに向ける役割があります。
そして、後ろにS'V'を伴うthatも、この本質は同じです。
聞き手の意識を「それ(はね)」とthat以降に向けるのがthat節のthatです。
どの用法であれ、
that 「それ(はね)」→導く「かたまり」
と読んで行けばいいのです。
(名詞節)
* I know that Mr.Saito is an excellent science teacher.
(私が知っていること
→それはね齊藤先生が優秀な理科の教員だということだ。)
(副詞節)
* I was glad that you helped me yesterday.
(私はうれしいんだ→それはねあなたが昨日手伝ってくれてからだよ。)
(名詞説明形容詞節)
* I read the book that I borrowed from the library last week.
(私が読んだ本→それは先週図書館から借りた本なんだ )
(名詞内容説明名詞節)
* The news that their baseball team won the championship surprised the studetns.
(あるニュース→それはその野球チームが優勝したというものだが 生徒を驚かせた。
that には分類が難しい用法もあります。
I'm sure that you will succeed in the business.
(私はきっとあなたは事業に成功すると思うよ。)
I'm afraid that my wife will be late for the party.
(妻がパーティに遅れるんじゃないかと心配だ。)
I'm sure that...(....を確信している)I'm afraid that ...(...と心配している)
文の構成はどちらも S+V+C(形容詞 sure, afraid)ですが、後のthatは何でしょう?
「~を」に当たるから目的語?でも形容詞は目的語を取らないし、be sure, be afraid の動詞部説明副詞節? これは意見が分かれるところですね。でも、これも
I'm sure that you will succeed in the business.
私は確信していること→それはあなたが事業に成功することだ。
I'm afraid that my wife will be late for the party.
私は心配してること→それは妻がパーティに遅れるんじゃないかということだ。
と前から読んでいけばいいだけです。読んでいる時にそんな文法的な分類は不要です。そして、この、先に出た部分を後ろから「それはね」と説明を加えていくのは実はthatに限らず英文の基本パターンなのです。この読み方に慣れればなれるほど英文は早く読めていくのですが、この大切な読み方については、あとでじっくり説明します。
ともかく、that SVが出てくれば
そこまでの部分を受けて→ 「それはね」
が大原則です。
形式主語と強調構文は、同じ It is....that のパターンですが、形式主語はVを早く出すため、強調構文は「~じゃなくこれ!」と強調するためと、それぞれ使う目的が違うため、どちらなのか区別が必要です。以下が区別の仕方です。
(1)スタンダード見分け方
以下が形式主語、強調構文の構造に則ったスタンダードな見分け方です。
○形式主語の It is .... that の is thatは文に必要な要素な
S V C V
ので、形式主語のパ
ターンからIt is ....thatを除くと文が成立しない。
(例)
It was wonderful that he got the best score in math text.
(彼が数学で最高点をとったのは素晴らしい。)
→× Wonderful he got the best score in the math test.
○強調構文の it is .... that は....に入る部分を強調するために加えた「枠組み」なのでit is...that を除いてもあとの部品で文は成立。
(例)
It was Taro that Yoshiro helped with his homework last week.
(ヨシローが宿題を先週手伝ったのはタローだ。)
ーIt was that 除く
Taro Yoshiro helped with his homework last week.
→○ Yoshiro helped Taro with his homework last week.(文成立)
(2) クイック見分け方
でも It is.....that が出てくる度に、枠を外して文成立か確認は手間がかかりますね。で、以下がクイック見分け方。
○形式主語の It is .... の....は、「SはCだ」とSがどうなのかを表すC(補語)の部分なので、補語となる品詞の主に( 詞)、時には( 詞)がくる。
(補語になる品詞を( )に記入してください。)
(例)
It is surprising that he passed the test.
unbelievable
wonderful
( 形容詞 )
It is a great mistake that he didn't check the report again.
( 名詞 )
彼がレポートを再確認しなかったのは大きな間違いだ。
It is a fact that he didn't check the report again.
(名詞)
彼がレポートを再確認しなかったのは事実だ。
(彼が試験に通ったのは、おどろくべき( surprising )(形容詞)
信じられない( unbelievable )(形容詞)
素晴らしい( wonderful )(形容詞)
大きな間違い( a great mistake )(名詞)
事実(a fact )(名詞)
※Cに来るのは形容詞、名詞ですが形式主語の補語( C )は、that S'V' や to動詞が表す「できごと」が「~だ」( C )と判断を表す部分のなので
a great mistake (大きな間違いだ)a wonderful decision (素晴らしい決定だ)a great disappointment (大変がっかりすることだ)と何らかの判断や感情を含む名詞と、a fact 〈事実)のような「できごと」を表す名詞に限られます。このことも形式主語、強調構文を見分けるポイントとなります。
○強調構文の It is ....that --- の....はthat---- に含まれる動詞に注目して
that --V したのは
a. 名詞系(人)(もの)(こと)だった。
b. 副詞系(いつ)(どこ)(~だから)(~のため)(~のやり方)
だった。
の2つの系統になります。
a. It was Atusko that I found yesterday.
a diamond
a secret about my boss
アツコ(人)
それは ダイヤ(もの) ←私が昨日見つけたのは
社長の秘密(こと)
b.
It was last week that I talked with him.
at the coffee shop
because I needed his help
to ask for his help
それは 先週(いつ) ← 私が彼と話したのは
喫茶店だ(どこ)
彼の援助が必要だったから(だから)
彼の援助を求めるため(のため)
と、a.名詞 b.「いつ」「どこ」「だから」「~のため」の副詞(句)(節)ならば強調構文です。
※形式主語、強調構文の It is....that の間にくるもので共通なのは「名詞」だけですが、形式主語の場合は「できごと」に対する「判断」「感情」を示す名詞ですが、強調構文の場合この Atsuko, a diamond , a secret といった判断を含まない具体的な名詞です。これを区別しておけば It is の直後でどちらか判断出来ます。
では以下が形式主語か強調構文か、判断してください。
(a) It was to visit famous temples that the Australian came to Japan.
(b) It was interesting that a lot of foreign people are attracted to Japanese temples.
(c) It was the customer that bought all of the blue suits in the shop.
(正解)
(a) 強調構文
(有名なお寺を訪れるために、そのオーストラリア人は日本に来た。)
It was ...that を除いても文は成立。
It was のあとは(だから)の副詞句
(b) 形式主語
(たくさんの外国人が日本のお寺に魅力を感じているのは興味深い。)
It was ...that を除くと文にならない。
It was のあとはCの形容詞。
(c)強調構文
(店の青いスーツを全部買ってしまったのは、そのお客さんだった。)
It was ...that を除いても文は成立。
It was のあとは人を表す名詞
quick見分け方は私のオリジナル(かな?)と思ってますが、いかがでしょう。
「ハマノ先生がいいアドバイスしてくれたから試験通ったって聞いたけど。」
「(ちがうちがう)タニザキ先生だよ!いいアドバイスしてくれたのは。」
と、「そうじゃなくて、こっちだよ!」と言いたいときに、
It is こっちだよ! that -----
と、まずItを立てて「それはね」と聞き手の意識を集中させて、「こっちだよ!」を強く響かせる「強調構文」というパターンがあります。強調したい部分を It is ~ that の~に挟んで、残りの部分をthat以下につづければいいだけです。 「(ちがうちがう)タニザキ先生だよ!いいアドバイスしてくれたのは。」とタニザキ先生を強く聞こえるようにするには、
Mr. Tanizaki gave me good advice.
の「タニザキ先生」をIt was .....that にはさんで、
↓
It was Mr. Tanizaki that gave me good advice.
とするだけです。
では、以下の文をもとに、「(そうじゃなくて)~だ」を強調する文にしてください。強調構文は、「(そうじゃなくて)~だ」を強調する文なので、(そうじゃなくて)の部分も示しておきます。
Ichiro called me yesterday to invite me to dinner because he wanted to introduce me a woman.
(イチローは昨日私に、夕食にさそうため電話をしてきたが、それはある女性を私に紹介したかったからだった。)
(a) Ichiro (トシオじゃなくイチローだ)
(b) yesterday (おとといじゃなく昨日だ)
(c) because he wanted to introduce me a woman.
(理由は彼の誕生日だからじゃなく、ある女性を紹介したかったから。)
(解答)
(a) Ichiro (トシオじゃなくイチローだ)
It was Ichiro that called me yesterday to invite me to dinner because he wanted to introduce me a woman.
(b) yesterday (おとといじゃなく昨日だ)
It was yeserday that Ichiro called me to invite me to dinner because he wanted to introduce me a woman.
(c) because he wanted to introduce me a woman.
(理由は彼の誕生日だからじゃなく、ある女性を紹介したかったから。)
It was because he wanted to introduce me a woman that Ichiro called me yesterday to invite me to dinner
強調構文の作り方は難しいことはありません。強調したい部分を It is ...that
の枠にはさんで、残りを後ろに続ければいいだけです。
次の文はS V O Cのパターンです。意味を考えましょう。
a. I found their proposal interesting.
(解答) a. 私は彼らの提案は面白いと思った。
I found their proposal interesting.
S V O C
では、次はどうでしょうか。意味を考えましょう。
c. I found that the baseball team of my high school won the championship wonderful.
d. I found for foreign exchange students to understand the Japanese textbooks difficult.
(解答)
c. 私は自分の高校の野球チームが優勝したのは素晴らしいと思った。
I found that the baseball team of my high school won
S V O
the championship wonderful.
C
d. 私は外国人交換留学生が日本語のテキストを理解するのは難しいと思った。
I found for foreign exchange students to understand
S V O
the Japanese textbooks difficult.
C
Oは名詞なので、b. that S'V' c. for...to....と言った名詞のかたまりもOにできますね。ただ、b. c.は英語としては不自然なところがあります。
SVOCのポイントは、OCに「OがCだ」「OがCする」の関係にあることです。
英語は「~が...だ」「~が...する」の結論を先にだす言葉なので、
b. 自分の高校の野球チームが優勝したのは 素晴らしい。
I found
that the baseball team of my high school won the
O
championship wonderful.
C
c. 外国人交換留学生が日本語のテキストを理解するのは 難しい。
I found
for foreign exchange students to understand the
O
Japanese textbooks difficult.
C
と「OがCだ」のOが長くで「~だ」のCがなかなか出てこないのは好まれません。これを避けるために、長いOをitに置き換えて「Oの内容は後ろだよ」と意識を引きつけて、結論のCを早く出し、長いOの内容
b. that the baseball team of my high school won che championship.
c. for foreign exchange students to understand the Japanese textbooks
は後ろに置きます。
b' I found it wonderful
S V ↓ C
that the baseball team of my high school won the championship .
O
C' I found it difficult
S V ↓ C
for foreign exchange students to understand the Japanese textbooks .
O
このパターンを「形式目的語」と呼びます。
・OをCと思う、信じる( think, believe, find )
・OをCにする ( make )
といった動詞でよく使われます。
形式主語にせよ、形式目的語にせよ、「言いたいこと」をitで表して聞く人の意識を引きつけて、「内容はあとから」とする構文です。
前回は意識を話題に引きつけるitについてでしたが、このitを使った「形式主語」はそもそも何のために使うのでしょう?
To try to remember new English words in the English sentences which you read is helpful in learning English.
(あなたが読む英文の新しい英単語を覚えようとすることは、英語の学習に役立つ。)
これは文法的には正しい英文ですが、英語では好まれない点があります。英語は、まずS V で始まります。そして「SがV~する、~だ」のVが示すいわば結論を先に出す言葉なので、
To try to remember new English words in the English sentences which you read
S
is helpful in learning English.
V C
と、Sが長すぎて結論のVがなかなか出てこないのは好まれないのです。そこで、こんなときに、まず聞き手の意識を「主語の内容は後ろだよ」とひきつける it を先頭に置いて、
it is helpful 「それは役に立つ」
S V C
の結論が早く聞こえるようにするのが「形式主語」と呼ばれるパターンです。そして、
It is helpful in learning English
↓(S) V C
to try to remember new English words in the English sentences which you read
S
と、itが示すSの内容はto不定詞にして後ろに置きます。
Sは名詞なので、以下のように名詞の働きができるものは全て「形式主語」にできます。
a. to+動詞
It takes 15 minutes walk to get to the station.
take 時間がかかる
(駅へ着くのに歩いて15分かかる。)
b. ...ing
It is no good disucssing what happened.
no good 無駄だ disucuss 論じる
(起きてしまったことを論じてもむだだ。)
c. that S'V'
It is not surprsing that the excellent student passed all the entrance exams.
surprising 驚くべき entrance exam 入試
(あの優秀な生徒が全ての入試に受かったのは驚くようなことではない。)
d. what S'V'
It is very important what you want to do next.
next 次に
(あなたが次に何をしたいかはとても大切なことだ。)
e. whether S'V'
It doesn't matter whether your parents agree with you plan or not.
matter 問題となる agree with ~に同意する
(あなたの両親があなたの計画に同意するかどうかは問題ではない。)
※これ以外にもwhere S'V', when S'V', how S'V' , why S'V' 等、名詞の働きをするものは全てこの形式主語となりえます。
it の理解も英語の大切なポイントですが、itの「本質」は何なのでしょう?これを考えるのに、同じく「それ」を示す thatとの違いを考えましょう。
The teacher talked about the economy of Taiwan and that of Japan.
(その先生は台湾の経済と日本の経済について話した。)
The teacher talked about the economy of Taiwan and I was interested in it.
(その先生は台湾の経済について話したが、私はそれに興味を持った。)
that は後ろから of Japanと言った前置詞のかたまりで説明されることがありますが、it は前からも後ろからも「~のit」と説明を加えられることは絶対にありません。どんなときも必ず単独で「それ」になります。他から説明や限定を加えられることがないと言うことは、" it " と聞けば、他に種類はない、それ一つしかない「そのこと」を表します。このことから、「そのこと」聞いている人を話題の中心に引きつける機能があるのがitです。この性質から、話そうとしている状況、話題などを表して、聞き手の意識を話題に向かわせるのに幅広く使われるます。
itの根本定義
他の語句で説明を加えられない、一つしかない「そのこと」
と言えます。聞き手の意識を向かわせるitを見ていきましょう。
(a)日常の話題系
(天候)
It is very hot in Summer.
(それ(天気)は夏はとても暑い。)
In winter it is dark at six o'clock.
(冬はそれ(外)は六時には暗くなる。)
(時間)
It's 4 o'clock in the morning.
(それ(時間)は朝の4時だ。)
(距離)
How far is it to Osaka?
(大阪までそれ(距離)はどれくらい遠い?)
(b)状況・事情系
It seems fine.
(それ(状況)はいいよ。)
It's all over with me.
(それ(状況)は私に関してはおしまいだ。)
Take it easy.
easy 気楽な
(それ(状況)を気楽に考えろ)
I got it.
(それ(状況)は分かったよ。)
I made it.
(それ(その状況での目的)を果たしたぞ!=やったぞ!)
と、聞き手の意識を「それ」と話題に集中させます。そして英語は「主語、目的語を省略しない言葉」でしたね。これらの例も、日本語ならば it が示す「それ」のSやOがなくても普通に通じますが、英語は省略できません。主語や目的語を置かなくてはいけない時に、便利に使える万能代名詞 it という見方もできます。