今日は前置詞シリーズ、発着関連いってみましょう。
次の( )の前置詞を考えましょう。
a. I went ( ) the library yesterday.
(私は昨日図書館へ行った。)
b. He left ( ) Sendai last Saturday.
(彼は先週の土曜日仙台に向けて出発した。)
c. We arrived ( ) the small village where he lived.
(我々は彼が住んでいる小さな街に着いた。)
答えは
a. I went to the library yesterday.
b. He left for Sendai last Saturday.
c. We arrived at the small village where he lived.
a. とb.の違いは a.は図書館に向かっていって「到着」まで意味するのでto、
b. は「向かって」出発で着いたかまでは意味しないので、「求めて」向かったfor
c. はなんで地点で移動は意味しない at ?
東海道新幹線に乗った方は、停車駅の英語のアナウンスを聞いたことがあると思いますが( )の前置詞はなんでしょう?
" This train will stop ( ) Nagoya, Kyoto, Shin-Osaka, Shin-kobe..... "
答えはstop at 。「移動」ではなく「止まって静止」している点なのでat ですね。
ではなんでarrive at かも分かりますね。arriveも「到着」のみの意味が強いため、stop と同じように「一点」のat です。
向かって到達 → to
目的地へ向かって → for
移動でなく到着「地点」→ at
とそれぞれの中心イメージははっきり残っています。
意識や視線を一点に集中するイメージ。だから、「一点」ととらえられる場所はat。
wait at the bus stop (バス停で待つ)
「点」と取らえていればat なので、必ずしも地理的な広さとは比例しません。
The Shinkansen stops at Osaka.
など停車駅は、経路にある「点」ととらえるので大都会でもat
My son is studying at college. と学校も atですが、勉強に「気持ちを向けて」いるからでしょう。
プロ野球で打順が回ると、「~回目のアットバット」って中継で言ってますけどあれもバットに気持ちを集中で at bat ですね。
at a loss 「途方にくれる」って表現がありますが、「こっちかな?」と気持ちを向けても loss 「あ、何もない!ど~しよ!」って感じでしょうか。
ところで、午前中 は in the morning ,午後は in the afternoon ,夕方から夜にかけては in the evening と、時間の幅を示す前置詞 in ですが、「夜に」はat nightと一点のatなのはなぜでしょう?
本日の直太郎の推理。いまでこそ夜通しで仕事も遊びもできますが、昔は電気もなく、ろうそく夜通しつけるなんて贅沢もできなかったので、夜は「寝る」しかなかったんでしょう。
寝てて夜中に「アッと at! 」目を覚ましても(な~んちゃって)、「あ、夜だ。」ってまたすぐ寝るしかない。
だから、夜の時間は点のatだったんでは?いかがでしょうか?
だから、「その夜3回目を覚ました」って言う場合は、
I woke up three times in the night.
「何時間か幅のあるその夜の間に」、で前置詞は in になります。
次の前置詞は何でしょう?
「彼は仕事中だ。」
He is ( ) bisiness now.
「彼は20年その仕事をしている。」
He has been ( ) the business for 20 years.
「彼は仕事に没頭している。」
He is engaged ( ) his business.
「彼は仕事で大阪へ行った。」
He visited Osaka ( ) business.
正解は、
He is at business now.
He has been in the business for 20 years.
He is engaged in his business.
He visited Osaka on business.
「え、同じじゃない?」と思いますが前置詞のイメージで意味合いは少しずつ違います。
He is at business now. at は「集中」なので今仕事に気持を集中して向かっていること。
He has been in business for 20 years.
in business は現在完了と使われることが多く、ずっと今までその「状態にある」感じです。at の集中は長く続けられません。
He is engaged in his business. は、全身仕事に浸かって入り込んで「没頭」。
engage の接頭辞 en- も in と同じ意味なので、前置詞inとなじみがいいのでしょう。
He visited Osaka on business.
は「ついて」のon。仕事で→~に来た、行った( come , visit )と使われるのが多く、「仕事の事で、仕事に関して」→来た ということで on 。
「ええ、めんどくさい!」と思うかも知れませんが、用法毎になぜこの前置詞?と考えることでそれぞれの前置詞のイメージが身に付いていきます。
基本の基本前置詞をイメージ別に考えてきましたが、これはどうでしょう?
He drove the car ( ) 60 kilometers.
(60キロで運転した。)
sell these things ( ) 1,200 yen
(これらを1200円で売る。)
I got up ( ) 6 this morning.
(今朝6時に起きた。)
全部 at 。at は「一点集中」なので数字の一点は at ですね。じゃこれは、
I set the alarm clock ( ) 5 in the morning.
(朝の6時に目覚ましをセットした。)
時の一点だからat 、と思いますが、正解は for
at の「時」は「その時」のat。例文だと 「その時」の運転速度が at 60 kilometers 「その時」の値段が at 1,200 yen 「起きた時」が at 6 ですね。
だから、
I set the alarm clock at 5 in the morning.
だと、「朝の5時に起きて眠い目こすって目覚ましセット。」
答えは
I set the alarm clock for 5 in the morning.
5時に起きることに「向けて」「求めて」でforです。また到達していない目的なので to ではありません。
言われてみれば「なるほどね」ですね。
前置詞シリーズ今日は昔からある古典的英語ジョークを一つ。
ある日本人がアメリカに行って、例えば Boston まで列車で行こうとしました。切符を買おうとして、「はて、『ボストンまで。』ってなんて言うんだろう?方向は to だから...」と、 "To Boston. " って言ったら、一人旅なのに切符を2枚出されて 「いや、two じゃないんだけど、じゃ for も方向だから、 ”For Boston." って言ったら今度は4枚出てきて、「いやいや、four じゃないんだ。どういったらいいんだろ?えっーと?」って言ったら8枚 ( eight ) 出てきましたとさ。
聞いたことありますか?
これを聞いてから、映画で切符買うような場面でなんて言ってるんだろうと思って注意してたら、to も for も言ってないみたい。ま、そりゃ言わなくても切符買ってんだからわかるか。
列車の「~行き」は for 。新幹線のアナウンスも、
This is a train bound for Hakata. なんて言ってますね。
でも飛行機は、 a plane to [ for ] Narita とどっちもあるみたいです。
なぜか?以下が私の推理。For は求めて向かうこと、toは方向と到達が基本イメージです。列車は最後に向かう終着駅以外にも、 到達(たどりつく、到着する)駅が途中にあるので、 終着駅にtoだとそこしか行かないように聞こえるんじゃないだろうか?飛行機は到着点は一箇所だけなので、向かうfor ,到達to どっちもありってこと?
さて、あってるかどうか?でも、勝手な推測でも、前置詞の基本イメージを認識して、「なんでこの前置詞?」と考えることは、前置詞を使える「幅」を拡げてくれます。
onの基本は「触れていること」
「上」でなくても触れていればonです。
a book on the desk (机の上の本)
a picture on the wall (壁に掛かっている絵)
「触れているのは」しっかり「触れている」ことそこから
①しっかり「触れて」「乗っかって」「基づいて」
on the grounds of youth (若いという理由で)
act on her advice (彼女の忠告に従って行動する)
「基づく」根拠、理由もon です。
②頼る相手には「もたれて触れる」イメージ
depend on the parents (親に頼る)
A car runs on gasoline. (車はガソリンで走る→燃料としてガソリンに「頼って」走ってること。)
③「課する」も「グッと押しつける」感じのonです。
put a tax on tobacco (タバコに税をかける)
④「~について」も「接触→ついて」でon
lecture on Japanese history (日本史についての講義)
about も「ついて」ですが、aboutは「周辺的」なこと
talk about the trip 「旅行にまつわることをあれこれ」話す
talk on the matter (その問題について話す)
はその問題「自体」に触れることです。
⑤「影響」も「グッと触れている面」からしみこんでくる感じ
have a great effect on my idea(私の考えに大変影響を与える)
「触れる」から次ぎにくる大きなイメージは switch on でスイッチが「触れて」→「動き出す」「始まる」イメージ
⑥「するやいなや」
on request ( 請求があり次第 )
pay the bill on leaving ( 帰る時に勘定を払う)
On arriving at the door, he opened it soundlessly.
(ドアのところへ着くと,彼は静かにドアをあけた)
onでスイッチが入りますが、その瞬間に物事が始まるイメージです。
⑦動きつづける
keep on walking (歩き続ける)
go on talking (話し続ける)
.
しっかり接触 → switch on で動き出す が on です。
inは「中」の基本イメージでOKですが、「何で?」というのも含めて見てみましょう。
①物理的「中へ」
sit ( )a chair 前置詞は?
これは on in 両方あります。
おしりと椅子が面として「接している」なら on 。手すりの着いたような椅子にグッと座れば「入る」感じで in です。
get on the bus と公共の乗り物は get on が主ですが、大きな乗り物の床板に「接している」感じ。
get in the car は「車に乗り込む」身をかがめて「入り込む」感じです。
②意識として「中へ」
( )の前置詞は?
a) bear [ keep ] ( ) mind (憶えておく)
b) a trouble ( ) my mind (気になる問題)
a) はin b) はon
a) は意識的に頭の「中に」入れるのでin
b) は気がつくといつも心に「くっついて離れない」ので on
③方向ーゾーンに身を置いているin
He ran in this direction.(彼はこの方向に走っていった。)
方向にinを使うのも to, atは方向でも視線のような「線」を感じさせるのに対して、in は自分から目的地まで、一方向に空気のゾーンが広がって伸びていて、そにすでに身を置いている感じでinなのでしょう。
④状態、やり方に「おいて」のin
(状態)
in difficulties (苦境に陥って) in debt (借金して) in a rage (怒って)
in good health 健康で
(やり方)
in this way (このやり方で)in a hurry (急いで)
と、状態、方法がinなのもそこに身を「おいて」いるから。
日本語の「おいて」は「中に置いて」から来てるんでしょうか?「おいて」とinはかなり一致します。
⑤従事・活動
be in politics( 政治に携わっている)
engage in trade (商売をしている)
これは「身を中に置いている」イメージですんなりわかります。
⑥「時」のin
You should be careful in crossing the street. (道路を渡るときは注意しなさい。)
これも活動、状態に「身を置いて」いる感じですね。
in ...ing は while you are crossing the street と接続詞なら while で書き換えますが、
He ran away on seeing me.(私を見ると逃げ出した。)
は、He ran away when he say me .と接続詞で書き換える場合はonです。
「時間の巾」がある中に身を置く in と、「触れる」とすぐにスイッチが入る感じにの on →その時 と違いが出てきます。
「なぜだろう?」と思うのは
I have to finish this job in two hours.(この仕事を[これから]2時間で終えないといけない。)になぜin? 中だから「2時間以内」では?と思いますね。
「2時間以内」の場合もあるようですが、基本は2時間かけて。
これも、in this way この「方法」に身を置く in と同様に、自分がその仕事のために置かれている「時間枠」と考えられます。
⑦言葉のin
He spoke in fluent Japanese.(彼は流暢な日本語で話した。)
と言葉はin ですが、これは漫画の吹き出しを考えるといいですね。
もし話した言葉が文字のかたまりとなって空中に残っていたら、
15分もすれば回りは喋った文字の吹き出しだらけで自分はそれに「囲まれて」いますね。聞き、話す言葉も自分をとりまくものと考えてinなのでしょう。
単純そうな in ですが、「何で?」と思う用法も「おいて、おかれて」とりまかれているイメージで考えましょう。
for もtoと同様「向く」ことですが、toが視線を向けたり、物理的にどこかに「到達」するのに対して幅広く「気持ち」が向くのがforです。
①「求めるもの」に気持ちを向け
ask for my help (私に助けを求める)
I looked for my glasses.(私はメガネを探したI
「求めて」見る→探す
work for one's living (生活のために働く)
生きる糧を「求めて」働く
I paid 3,000 yen for the book.(その本を3,000円で買った。)
本を「求めて」3,000円払った。
②「これからすること」に気持ちを向ける
prepare for the meal.(食事の準備をする)
③「~のため」の相手に気持ちを向ける
bought a present for my daughter
(娘のためにプレゼントを買う)
open the door for the old lady
(老婦人のためにドアを開けてあげる)
「誰かのため、何かのため」にやる対象には「気持ちが」向いて行きます
④「~向きの」その方向に気持ちが向く
have a good taste for music(音楽の趣味が良い)
音楽に指向が「向いている」
train for Hakata (博多行きの列車)
目的地に「向けて」
⑤「賛成」の対象に気持ちが向いて
vote for the candidate (その提案に投票する)
賛成する対象に「気持ちを向けて」
⑥「目的」に気持ちを向けて
I bought a tablet for the purpose of studying efficiently.
(効率的に勉強するためにタブレットを買う)
use coal for fuel(燃料として[燃料にするために]石炭を使う
⑦「それは」と「気持ちを向ける」
a city known for its beauty (美しさで知られている町。)(理由)
I bought the book for five pounds. (私はその本に5ポンド支払った。)(代金)
walk for five miles (5マイル歩く。)(距離)
I have been here for 3 weeks. (3週間ここにいる。)(期間)
これらの用法は「向く」とは結びつきにくいように思えますが、
その前まで聞けば「それは」と聞きたくなることと整理してはどうでしょう?
a city known (その街は知られている) 「何で?」と理由に気持ちが向いて→for its beauty その美しさで
I bought a book (私は本を買った)「どれくらいで?」と気持ちが向いて→
3,000円で。
walk (歩いた)「どれくらい?」と気持ちが向いて→5マイル
have been here (ここにいる)「どれくらい?」と気持ちが向いて→3週間
そこまで聞いて「じゃこれは」と聞きたいことに「気持ちが向き」(for)→それはね のリズムです。
for の基本は「気持ちが向くこと」
She danced to the music.
(彼女は音楽に合わせて踊った。)
「~にあわせる」も音楽に気持ちを「向けて」それに「合わせて」いくのでtoですね。
だから、「合わせる」系の動詞もつきものの前置詞は[to]
The judge applied the new law to this case.
(判事は新しい法律をこの事例に適用した。)
法律をこの事例に「向けて」「合わせて」→適用
The family adapted their way of life to the new circumstances.
(その家族は自分たちの生活様式を新しい環境に合わせた。)
生活様式を新しい環境に「向けて」「合わせる」
I adjusted the seat to my height.
(私は座席を私の身長に合うように調整した。)
新潮を座席の高さに「向けて」「合わせる」→調整
ついでに語源も
apply, adapt, adjust とみんな a, adで始まるのは偶然ではありません。
前回のattribute も同じですがa, ad は「向ける、向かう」つまり
apply
adapt A to B
adjust
向けて Bに到達 は共通です。
そして apply のple は「折る」こと。simple はple折っているのがsingle 「1回だけ」だから「単純」
adapt のapt は「合っている、向いている」こと。apptitude は「適性」です。
adjust のjust はもちろん「ぴったり」「ぴったり合わせて調整」ですね。
漢字の部首と同じように、英単語も意味のある材料でできています。
toは「方向」「到達」で整理できますが、このtoがつきものの動詞を2系統整理しておきましょう。特定の前置詞が必ず来る動詞の確認は動詞の意味の把握にもつながり、一石二鳥です。
He attributed his success to the teacher.
(彼は自分の成功はその先生のおかげだと思った。)
attribute A to B AはBのおかげだとする
A の原因をたどると→Bに「到達」
atは方向を示す接頭辞です
His work contributed to the development of this country a lot.
(彼の働きはこの国の発展に大変貢献した。)
A contribute to B AがBに貢献する
con-は「まとめて」を意味する接頭辞
Aが「全部まとまって」Bに「向かって」「到達」
They distributed clothes and blankets to the regugees.
(彼らは衣服と毛布を難民に配布した。)
distribute A to B AをBに配布・分配する
dis-は分離を表す接頭辞
持っているAを「手放して」→Bに到達
tributeはもともとは「貢ぎ物」さらには「賛辞」「感謝」の意味でも使われますが、贈る側から贈られる側に「向かって」「到達」するものですね。
今回はtoと相性のいい-tribute動詞の紹介。