今季 洋|星の断片

今季 洋|星の断片

屋号は「アトリエえんどうまめ」 / かつては、造形教室の先生と絵を描く人 / 20年くらい、星とタロット / ゆるゆるっと、絵本をつくる人へ移行中 / 『サビアンアート占星術』全13巻 Kindle発売中  Kindle Unlimited対応✨


8月13日(木)02時38分、獅子座21度で新月を迎えます。


今回の新月は、日食と重なる、特別な新月です。

 

ヨーロッパでは皆既日食として観測されますが、日本では日食にはなりません。


それでも、日食の新月のエネルギーは、地球全体に届いています。

 

「最近、なんとなく気になっていること」「じわじわと変わってきた感覚」——

 

そういったものと、この新月のエネルギーが、どこかでつながっているかもしれません。


今回の新月が、あなたの毎日にどんな光を当ててくれるのか、一緒に見ていきましょう。

 

この記事では、次の順番で書いています。

 

・日食新月とは
・新月のサビアンシンボル「中毒した鶏」
・この新月のメッセージ
・この新月に向いていること

 


日食新月とは

 

日食は、太陽・月・地球が一直線に並び、月が太陽の光を遮る現象です。

 

通常の新月よりも、そのエネルギーが強く、深く働きかけるといわれています。


特に、「手放すこと」と「新しく始まること」が、より鮮明に引き出されるタイミングです。

 

今回の日食新月は、獅子座21度という、獅子座の中でも「最もテンションが高まる度数」で起こります。


そのエネルギーの強さは、日食という現象とも、深く共鳴しています。

 


新月のサビアンシンボル「中毒した鶏」

 

獅子座21度のサビアンシンボルは、「中毒した鶏」という言葉です。

 

興奮した鶏が、ふらふらと羽をばたつかせながら、飛ぼうとしているーー

 

そんな情景が描かれています。

 

「鶏」というのは、もともと翼を持っているのに、飛ばなくなった鳥です。


毎日を地面の上で過ごす、日常の象徴でもあります。

 

その鶏が今日、何かに夢中になって、必死に羽をばたつかせている。

 

滑稽に見えるかもしれないけれど、その姿には、純粋な「超えたい」というエネルギーが満ちています。


「今いる場所じゃないどこかへ」という、生き生きとした衝動が、全身からあふれ出ているのです。

 


* 『サビアンアート占星術』のくわしい解説文は、こちらのnoteをご覧ください →《リンク》

 


この新月のメッセージ

 

「なんとなく、今の自分じゃないどこかへ行きたい」


「このままじゃない気がする、でも何が違うのかわからない」


「急に全部リセットしたくなる瞬間がある」

 

——そんな感覚、最近ありませんか?

 

この新月の度数には、そういった「飛びたい衝動」が、強くざわめいています。


それは、特別な人だけが感じることではありません。


誰もが心の奥に持っている、あの感覚です。

 

鶏が羽をばたつかせている姿は、おかしく見えるかもしれない。


でも、その必死さの中に、「今いる場所を超えたい」という、純粋な熱意が宿っています。

 

飛べるか、飛べないかよりも、まずは「飛びたい」と思った自分に気づいてみる。

 

それは、あなたの中の何かが、動き始めているサインかもしれません。
 


この新月に向いていること

 

「飛びたい」という気持ちが湧いてきたら、まず小さなことから動いてみましょう。

 

行ったことのない場所へ、ふらっと出かける、

 

気になっていたことを、ちょっとだけ試してみる、

 

なんとなく気になったものを、少しだけ追いかけてみる——

 

そんな、日常の中の小さな「飛ぶ」体験が、この新月にはよく似合います。

 

「夢中になれること」「時間を忘れてしまうこと」にも、改めて目を向けてみてください。


その熱中の感覚こそが、あなたの翼の、本当の形を教えてくれます。

 

大きく飛ぼうとしなくていい。


あなたの翼が、自然にひらいていく方向へ、一歩ずつ進んでみましょう。

 

どうぞすてきな新月を、おむかえください。

 

 

 

 


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・ サビアンアート占星術 05.獅子座 →《リンク》

 

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7月29日(火)23時37分、満月を迎えます。

 

満月は、心の奥にあるものが、ふっと表に出やすいタイミング。


「なんとなく気になっていること」「最近じわじわと変わってきた感覚」——そういったものと、この満月のエネルギーが、どこかでつながっているかもしれません。


今回の満月が、あなたの毎日にどんな光を当ててくれるのか、一緒に見ていきましょう。

 

この記事では、次の順番で書いています。

 

・獅子座と水瓶座が向き合う、満月
・太陽側のサビアンシンボル
・月側のサビアンシンボル
・この満月のメッセージ
・この満月に向いていること

 

 


獅子座と水瓶座が向き合う、満月

 

満月は、太陽と月が正反対の位置に立つ瞬間です。今回は、太陽が獅子座07度に、月が水瓶座07度に位置しています。

 

獅子座と水瓶座は、オポジション(対向)の関係にあるサイン。どちらも「自分らしくあること」への強い意志を持ちながら、その方向性はずいぶんと異なります。

 

獅子座が「心の中心から輝きを放ち、個としての存在感を示していく」とするなら、水瓶座は「しがらみを超えて、より広い視点から新しい世界を切り拓いていく」サインです。

 

今回の満月は、その両方のエネルギーが一直線に向き合う、壮大でどこか宇宙的な満月です。

 

 


太陽側のサビアンシンボル「空の星座」

 

獅子座07度のサビアンシンボルは、「空の星座」という言葉です。

 

夜空に、星々が煌々と輝いているーーそんな情景が描かれています。

 

この満月の太陽側は、全体の景色を照らす役割を担っています。今回照らし出されているのは、「恒久的で普遍的なものの価値」という景色です。

 

移り変わりやすい流行や時代の流れがある一方で、夜空の星座は永遠に近い時間と結びついてきました。そして星々は、私たちの内側に眠っている「神話」を、目覚めさせるパワーを持っています。

 

この度数のドデカテモリーは天秤座で、「あなたとわたし」という関係性が重なっています。人間が星座に思いを投影し、星座もまた人間に語りかけてくるーーその相互のやり取りの中に、深遠な叡智が宿っています。

 

「遠くて壮大なものが、実は日常と深くつながっている」、そんな景色が今、この満月に照らし出されています。

 

 


* 『サビアンアート占星術』の解説文は、こちらのnoteをご覧ください →《リンク》

 


月側のサビアンシンボル「卵から生まれた子ども」

 

水瓶座07度のサビアンシンボルは、「卵から生まれた子ども」という言葉です。

 

卵の殻から生まれてくる子どもーーつるんとしてどこにもとっかかりのない、まっさらな存在が描かれています。

 

月側には「現象化する」エネルギーが宿っています。つまり、この「まっさらさ」が、今この瞬間、現実として引き出されてくる、ということです。

 

「卵から生まれた」とは、実家や出身地といった「へその緒」的なつながりを手放して、今を起点に未来へと向かっていくスタイルのことです。この度数のドデカテモリーは牡羊座で、全く新しいところからスタートすることを好む性質が重なっています。

 

旧来のしがらみから解放された、まっさらな目線でこそ、見えてくる世界がある。この満月に現れてくるのは、そんな場面かもしれません。

 

 


* 『サビアンアート占星術』の解説文は、こちらのnoteをご覧ください →《リンク》

 


この満月のメッセージ

 

太陽の獅子座が「星々の語りかける、普遍の叡智」という景色を照らし出し、月の水瓶座がそれを「まっさらな目線での新しい始まり」として現象化するーーそんな流れが、今回の満月に描かれています。

 

過去の経験や知識は大切なもの。でも、そこにとらわれすぎると、見えなくなってしまうものもあります。

 

星々が夜空から語りかけているのは、もしかしたら「一度、まっさらになってみて」というメッセージかもしれません。

 

 


この満月に向いていること

 

夜空を見上げてみましょう。都市にいても、窓の外のひとつ星でいい。星と対話するように、静かに目を向けてみてください。

 

また、「経験があるからこそ」ではなく、「何も知らないからこそ見えるもの」に目を向けてみることも、この満月の誘いのひとつです。

 

固定した関係性や、慣れ親しんだものの見方を、少し脇に置いてみる。そのとき、卵の殻を破ったばかりの子どものように、世界がまったく新しく見えてくるかもしれません。

 

どうぞすてきな満月を、おむかえくださいね🌌

 

 


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今回の満月は、獅子座・水瓶座のサイン。

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7月14日(火)18時45分、蟹座22度で新月を迎えます。

 


蟹座の深まりの中で迎える、新月

 

今回の新月は、蟹座の22度という、後半へと差しかかった度数で起こります。

 

蟹座といえば、大切なものをそっと胸に引き寄せ、温かく守り育てようとするサイン。感情の動きに正直で、心のつながりをとても大切にする、水のエレメントの豊かさを持っています。

 

そして、この新月が起きる22度は、ひとつ前の21度で突出したエネルギーが落ち着き、安定・着地していく度数といわれています。感情が日々の暮らしのリズムの中へと根づき、生活の一部になっていくーーそんな場所での新月です。

 

 


今回の新月度数のサビアンシンボルは

 

蟹座22度のサビアンシンボルは、「ヨットを待つ女性」という言葉です。

波止場で、ヨットが沖からやってくるのを、ただひたすら待ち続けているーーそんな情景が描かれています。

 

ここで注目したいのは、「待つ」という行為そのものです。

この女性は、自ら動くのではなく、受け身の姿勢でその瞬間を待っています。そして、その待ち続ける日々の中に、思いがはち切れんばかりに膨らんでいる。この満ちあふれる感情体験こそが、このサビアンシンボルの中心にあるテーマです。

 

「水」は象徴的に心や思いを表わします。ヨットが浮かぶ「水の上」から来るものは、どこか別の世界から届くもの——夢や憧れ、思いがけない出会いや変化——かもしれません。

 

この度数のドデカテモリーは魚座で、「夢見る」「憧れる」「想像する」といった、形なき世界への感受性が重なっています。蟹座の感情の豊かさが、魚座の夢見る力によって、さらに美しく膨らんでいきます。

 

「待つこと」の中に、豊かな感情体験がある。そんなシンボルです。

 


* 『サビアンアート占星術』の解説文は、こちらのnoteをご覧ください →《リンク》

 


この新月のメッセージ

 

あなたが今、心の奥で待ち焦がれているものは、何でしょうか?

 

夢でも、誰かでも、何かの変化でも。それを「早く手に入れなければ」と焦らずに、ただ、その思いを大切に抱き続けること。この新月は、そんな「待つ力」を後押ししてくれます。

 

願いを叶えようとするとき、ここでのやり方は、積極的な行動よりも、静かな「引き寄せ」です。思いが深ければ深いほど、それはきっと、波の向こうから届いてくる。

 

そして、その結果がどうなるかよりも、待ち焦がれるそのプロセスの中にある「豊かな感情体験」こそが、この新月の恵みです。

 

 


この新月に向いていること

 

何か芸術に触れてみましょう。音楽でも、映画でも、文学でも。感情がブワッと膨らんで揺さぶられるような体験が、この新月にはとても似合います。

 

また、夢や憧れを持つことも、この新月を活性化します。「こうなったらいいな」という思いを、焦らずじっくりと心の中で育ててみてください。

 

恋をするのも、もちろんいいですね。ヨットを待つ女性のように、その思いを丁寧に温めてみること。

 

蟹座の水の中で、あなたの感情が静かに、豊かに満ちていく新月です。どうぞすてきな新月を、おむかえくださいね🌊

 

 


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今回の新月は、蟹座のサイン。
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雨の降る夜でした。

バスの窓を、雨粒が流れていました。

 

オルの隣には、スーツを着た男の人が座っていました。少しお酒が入っているようでした。

 

男の人は、足元に置いたビニール傘をじっと見ていました。

しばらくして、ぽつりと言いました。

 

「変だよなあ。」

 

オルは黙っていました。

 

 

男の人は続けました。

「昔はさ。ビニール傘なんて嫌だったんだ。」

 

窓の外では、街の灯りが流れていきました。

 

「安っぽいし。すぐ壊れるし。誰かに持っていかれるし。」

 

男の人は笑いました。

「ちゃんとした傘が欲しかったんだよ。」

 

バスが揺れました。雨は降り続いていました。

 

「若いころはさ。ちゃんとした人生も欲しかった。」

男の人は窓の外を見ました。

 

「立派な仕事とか。立派な肩書とか。立派な何か。そんなものばかり追いかけてた。」

男の人は少し黙りました。

 

「でもなあ。」

そう言って、足元の傘を持ち上げました。

 

骨は少し曲がっていました。透明だったビニールは、少し黄ばんでいました。持ち手にも傷がありました。

 

 

 

☔ オル #21「雨の日の傘のおはなし」、いよいよ最終話になりました。

よろしければ続きを読んでみてくださいね。

 

 

高台のベンチで、オルはひとりのおじいさんの隣に座りました。

 

眼下には、海が広がっています。川が、ゆっくりとその海へ流れ込んでいくのが見えました。

 

「川は海へ行くんだね。」

オルがそう言うと、おじいさんは静かにうなずきました。

 

「でも、そのあと、どこへ行くか知ってるかい。」

オルは首をかしげました。

 

おじいさんは、海を見つめながら、ゆっくりと話し始めました。太陽に温められた水が、水蒸気になり、空へ昇り、雲になり、また雨になって、どこかの土地に降り注ぐ——そんな話でした。

 

「生まれ変わるんだ」

海を見つめながら、おじいさんが言いました。

 

オルは、しばらく黙って、その言葉を胸の中で転がしていました。

 

 

 

 

 

 

🌊 オル #20「はじまりとおわり」、よろしければ続きを読んでみてくださいね。

 

 

オルは、深い森の入口に立っていました。

道はあります。でも、その先はよく見えません。

 

「どこへ行くんだい?」

森の奥から、声がしました。振り返ると、そこには黒いオオカミがいました。

 

 

「どこへ行くんだい?」

そう聞かれて、オルは言葉に詰まりました。

 

どこへ行くのだろう。

それがオルには、わからなかったのです。

 

オオカミは、しばらく黙っていました。それから、静かに口を開きました。

「川は、地図を持っていない。」

 

「え?」

「だけど流れる。海を知っているから。」

 

オルは、その言葉の意味を、すぐには理解できませんでした。

 

 

 

🐺 オル #19「地図のない旅」、よろしければ続きを読んでみてくださいね。

 

 

市場には、色とりどりの果物が並んでいました。

 

赤い果実。黄色い果実。丸い果実。細長い果実。まるで宝石のようでした。

 

オルは、その中の一つをじっと見つめていました。

 

「気になるかい。」

果物を売っているおばあさんが、声をかけました。

 

「きれいだから。」

オルはそう答えました。

 

おばあさんは笑いました。

「でもね、果物は食べるものだよ。」

 

そう言って、おばあさんは棚から一つの果実を取り、オルに差し出しました。

 

 

 

 

 

 

 

🍎 オル #18「楽園の果実」、よろしければ続きを読んでみてくださいね。

 

 

池のほとりのベンチで、オルはひとり、少女のことを考えていました。

 

気づくと、隣に誰かが座っていました。年配の男性でした。

 

「変なんだ。」

オルは、ぽつりと言いました。

 

隣に座っていた見知らぬ人は、

「そうかい。」

とだけ答えました。

 

それ以上、何も聞きませんでした。ただ、しばらく、二人で同じ池を眺めていました。

 

やがて、その人が、静かに口を開きました。

「本命って知ってるかい。」

 

オルは首をかしげました。

「ほ・ん・め・い?」

 

その人は、池の向こうに光る水面を見つめながら、ゆっくりと話し始めました。

 

 

 

 

 

 

🌞 オル #17「かぐわしい異性のおはなし」、よろしければ続きを読んでみてくださいね。

 

 

オルと羊は、いつもの本屋にいました。

 

棚を眺めていたオルは、ふと、一冊の本に目を留めました。

『箱の中のひつじ』

 

「羊だ。」

オルはそう言って、その本を手に取りました。

 

少し古い本でした。表紙を開くと、紙の匂いがしました。オルは静かに、ページをめくり始めました。

 

隣で、羊がその様子を見ていました。

 

その日、思いがけないことが起きました。

でも、不思議と、驚きませんでした。

それは、とても、自然なことのようにも感じられたのです。

 

 

 

 

 

 

🐑 オル #16「箱の中のひつじ」、よろしければ続きを読んでみてくださいね。

 

 

オルと羊は、道を歩いていました。

 

道ばたのフェンスに、風船カズラが揺れていました。薄緑色の小さな袋が、いくつも風に揺られています。

 

オルは、その袋をぼんやり見ていました。

 

 

「何を見てるの?」

羊に聞かれて、オルは少し考えてから、こう答えました。

 

「ふくらんでいるもの。」

 

風船カズラの袋の中には、まだ誰も知らない何かが、静かに守られています。中を割ってみれば、小さな種が入っているのでしょう。でも、今はまだ、その姿を見せてはくれません。

 

守られながらも、のびのびと呼吸ができる場所。そんな優しい「ふくらみ」を、風船カズラは持っているのかもしれません。

 

オルはしばらく、その揺れる袋を眺めていました。

 

まだ見えない。まだ分からない。でも、何かがそこにいる。

 

🎈 オル #15「ふくらんでいるもの」、よろしければ続きを読んでみてくださいね。