KTC-25 日本で2番目最初のコンビレンチ

(海軍航空本部 by 一重丸京)

 

世界で最初のコンビレンチは、アメリカPLOMBから1933年に登場しました。

そして、日本の最初は、戦後の1945年頃に発売された京都機械/一重丸京になります。

これらは、いわゆるモダンタイプのコンビレンチで、スパナ部とメガネ部双方に15度のオフセットが付けられています。

 

しかしながら、両端のオフセット15度というしばりを外すと、1920年代に既にアメリカで登場していて、これをオールドタイプのコンビレンチと呼んでいます。(下の写真はVlcheck製)

 

それでは、日本で最初のオールドタイプ・コンビレンチは何だったのでしょうか?

海軍の赤トンボ練習機(九三式中間練習機)/天風エンジン用の工具セットにオイルフィルター脱着用としてコンビレンチが1種類だけ入っています。

世界で最初のモダンタイプPLOMBと同じ1933年製です。

戦前の工具でコンビレンチは他に見たことがありませんので、これが日本で最初のコンビレンチになると思います。

☆2022年6月24日追記

天風エンジン/赤トンボ練習機の工具セットは、昭和8年製と思っていたのですが、"8"の前に消えた"1"の刻印があるらしいことが判明し、昭和18年/1943年製という判断になりました。⇒ 詳細は、こちら

一方で、1936年刊行の『"光"撥動機 取扱説明書』にコンビレンチが2種載っているのを見つけました。

こちらが、恐らく日本で一番最初のコンビレンチになるのだろうと思います。

したがい、天風/赤トンボのコンビレンチは、2番目とします。

 

赤トンボ工具一式はスパナを中心に既にこちらで紹介済みです。

 

エンジン天風一○型向け外部要具(一般工具)の工具番号62番がコンビレンチです。

表面に『天一○ 外 62』との刻印があります。

さらに、裏面には製造元が京都機械であることを示す一重丸京ロゴが小さく入っています。

上述したアメリカ1920年代のオールドタイプと同様にメガネ部が12PTでは無く、6PT(6角)になっているのが特徴です。

ちなみに、赤トンボ/天風エンジンの後に登場するゼロ戦/榮エンジン紫電改/譽エンジンにはコンビレンチは設定されていませんので、海軍でもコンビレンチは赤トンボだけのようです。

 

 

  

 

一重丸京を含めKTCに関してはスパナも徹底的に追いかけているため、ここのところスパナのアップが続いていましたが、ブログ名称である『コンビレンチ・コレクション』が示す通り、コンビレンチを追いかけるのが当ブログの本来です。

そのコンビレンチの日本ブランドを108まで発掘していましたが、今回の赤トンボ・コンビレンチをカウントするのを忘れていました。

OEMの場合では発注者が管理するブランドとして追いかけています。

たいていの場合は表面にブランド名が刻印されていますが、今回のコンビレンチは商業ベースとは無縁の軍向けですので、ブランドという概念はありません。

したがい、ブランドとして取り扱うのは難しいと思いますが、日本で恐らく最初のコンビレンチですので、ちゃんとカウントしたいと思います。

海軍が京都機械/一重丸京に発注したエンジン天風の工具であり、表面に天風の略として『天』が刻印されています。

したがい、以下の内容で日本のコンビレンチブランド109番目を登録します。

・発注者:日本海軍航空本部

・製造者:京都機械/一重丸京

・使用対象(ブランド相当):天風エンジン/赤トンボ

 

 

この回、終わり