KTC-24

紫電改/譽エンジンも一重丸京

 

【2024年10月13日 追記】

譽の内部要具箱が見つかりました。

写真と解説は ⇒ こちら

 

【2023年11月23日 追記】

名古屋の読者の方が、紫電改/"譽"発動機のスパナを見つけました。

なんと中古工具屋のバケツ販売の中に他の古い工具と共に入っていたとのこと。

写真撮りのためにお借りしていて、KTC訪問時に持参したところ、KTCの多くの技術者の方が細かな漢字の"譽"が手打ちなのにはっきりと刻印されていることにしきりに感心されていました。

 

・整備要領書の外部要具"外6"番に載っている23x26のスパナです。

・"譽"は紫電(生産1,007機)と紫電改(同415機)の両方に搭載されていましたので、紫電向けに作り、紫電改でも使っていた可能性が高いと思います。

・紫電は1943年/S18年、紫電改は1945年/S20年に海軍に正式採用されていますので、このスパナは1943年から終戦の1945年までの間に生産されたことになります。

 

 

☆榮エンジン用の23x26スパナとの差

"譽"と"榮"の工具は多くが共通していて、外6番(23x26)も同じだと思っていたら、工具一式写真を見るとフラットと凹帯の差があるのが分かります。

↑"譽"の外6番はフラットパネル

↓"榮"の外6番は凹帯パネル

 

・ゼロ戦/"榮"の外➅スパナは、終戦後の一重丸京/京都機械の市販第一号になった凹帯パネル"KKK"モデルの基になった考えていますが、"榮"よりも後の"譽"では小サイズと同様に外➅もフラットパネルになっているのは意外です。

 

★整備要領書

紫電改/譽エンジンの整備要領書が2019年12月に発売されています。

また、Amazon読み放題に加入していれば無料で読むことが出来ます。

過去にゼロ戦の整備要領書をAmazon電子書籍で購入したのですが、なんとゼロ戦も読み放題で無料になっています。

 

 

・外部用具(一般工具)の工具番号『外6』が該当するスパナ23x26で、『榮、護と共通』と注記されています。

・ちなみに、護エンジンは、榮エンジンの大排気量版で、天山(九七艦攻の後継)に搭載されています。

 

・外部用具(一般工具)の工具は全部で77種が設定されていますが、その内の87%にあたる67種は榮エンジンと共通になっていることが工具一覧の注記から分かります。

・前述の通り、榮と譽で同じ品番/種類ながら微妙な差もあるようですが。

 

★整備工具一式

・外部要具(一般工具)

下に添付した外部用具の内部写真(I-5113)に赤い矢印を追加してありますが、これが『外6』の23x26だと思います。

外部用具のケースはゼロ戦と同一と思いますが、内部仕切りは一部異なるようで、スパナ部はゼロ戦/榮エンジンはポケット(スパナ差し込み用)が12あるのに対し、紫電改/譽エンジンはポケット数が1つ少なく11になっています。

↓外部工具一覧表

・外部要具箱の外観拡大

上の外部要具箱の外観写真を拡大しました。

後述する赤トンボ/"天風"発動機の外部要具箱と同じ銘板が表に貼り付けられているのが分かります。

文字数より"譽型外部要具"と表示されていることが分かります。

譽は9気筒の2列なので、正面から見るとシリンダーが9個なのですが、銘板のイラストは榮や天風と同じ7個のままです。

側板には丸に"譽"と書かれたプレートも取り付けられています。

 

・内部要具(専用工具)

汎用工具の外部用具に対し、内部用具はいわゆるスペシャルツールになります。

 

【2024年10月13日追記】

このブログの読者の方から内部要具箱の写真を提供して頂きました。

掲載のスパナは一般整備用の外部要具ですが、こちらはオーバーホール専用工具のケースになります。(残念ながら中身の工具はなく、ケースだけとのこと)

形状は、関西スピンドル製の火星と同じですので、海軍が準備した物かもしれません。

 

 

銘板は、これまでに確認できている天風と火星は軽金属(アルミ等)ものがリベット止めされていましたが、この譽用は印刷(シルクスクリーン?)です。

ちなみに、リベット止めの孔まで再現されて印刷してあります。

戦争も末期になり金属の使用を控えたのかと思います。

右下に『京都機械株式会社』と会社名がフルネームで表示されていますので、京都機械製と分かります。

なお、その左側の枠には製造年月日が入るはずですが、空白とのこと。

 

・天風の銘板例

天風の外部用具ケースは写真を見る限りではゼロ戦と共通らしく、銘板にはゼロ戦や赤トンボと同様に『譽発動機』と共に製造会社として『京機』(京都機器の略)が印字されているものと思います。

前項の通り、譽用には『京機』ではなく『京都機械株式会社』とフルネームで表示されていました。

↓赤トンボ/天風エンジンの銘板例("譽"ではありません)

 

★譽エンジン

ゼロ戦の榮エンジン(14気筒)に対しボアストロークはそのままで、多気筒化(18気筒)により大排気量にしたのが譽エンジンです。

したがい、ゼロ戦/榮エンジンと共通している工具が多いのだと思います。(設計と生産は、榮と譽共に中島飛行機)

戦争終盤の紫電と紫電改、ならびに彩雲や銀河、さらに陸軍の疾風に搭載されています。

 

★紫電改の取り扱い説明書

エンジン整備だけで無く、紫電改機体の取り扱い説明書も復刻されています。

残念ながら、機体整備にどのような工具が使われていたかは触れられていません。

 

【参考】ゼロ戦スパナ

榮二○型エンジンの部要具

 

 

★関連ページ

 当ブログのゼロ戦ページ

 同 赤トンボページ

Amazon読み放題 譽エンジン(紫電改)整備要領書

同 榮エンジン(ゼロ戦)整備要領書

Wikipedia 譽エンジン

Wikipedia 紫電/紫電改

 

年がばれますが、小学生の時に毎週木曜日の少年マガジンを楽しみにしていました。

 

この回、終わり