Colly's Camp -26ページ目

大海を知らず…

photo:01



たまに鎌倉なんかに行くと海辺の生活も良いな…なんて思う。でもわりに昔から「海辺も良いけど津波の届かない高台が良いな…」なんていうリスクマネジメント的な思考も同時に出て来て、石橋を叩きまくっているウチに気が付けば飛騨のお山に居を構え、山の上から大きな地震のニュースを聞く事になる。こうなると海をほとんど知らぬ内に怖さだけが募るばかりなんだけど、それでもカラダ中の細胞に宿る母なる海への憧れは絶えることなく、休日の朝から日本海へ向って車を走らせることになる…というのは昨日の話。

緩やかなのぼり坂を越えた先に波のうねりが見えるとテンションがあがる。


奥さんとの久しぶりのドライブ。目指すは七尾のフィッシャマンズワーフで食べる浜焼き。

photo:02



photo:03



photo:04



磯の香りの力で25組約1時間の待ち時間もなんのその…

海鮮天国、カキ天国であります。

やっぱり海は良いよな…なんて…ハイテンションを維持しながら、勢いにのって能登島まで車を走らせる。

思ったより細い能登島大橋に少しカラダがすくむのは、山人(やまんちゅ)の特性か…

でものとじま水族館の水槽は恐くありません…

入館していきなりのジンベイザメに無我夢中で、後で撮った写真を見てみるとあらビックリ…

クリスチャン・ラッセンもびっくりのスーパーショットがありました。

あれだけ猛威を振るう海の中にはこんなに美しい世界があるのです…

未だ大海を知らない山人のボクですが、浜焼きを味わい、ジンベイザメが泳ぐ水槽を見て海を知った気になったのでありました。


iPhoneからの投稿

視線。

photo:01



いつ頃からだったか思い出せないけれど、ある時からいろいろなモノが顔に見えるようになった。

時にコンセントであったり、オーディオであったり、車なんか運転していると、車の顔は前後ともにとても表情豊かだ。ナンバーの白いところが歯に見えたりすると、「これは追突して歯を折るわけにはいかないな…」と安全運転に一役かったくれたりもする。

でも、たまに威圧感を感じたり、家政婦に監視されているような視線に背筋がゾクゾクする事もある。

今日なんか、あまりの刺さるような視線に、iPodから流れるサイトウキネンが小澤征爾の指揮で演奏するブラームス最大の盛り上がりを聴き逃してしまったほどだ。

どうですか、この視線。

ジーっ…と見られる感じ…

わかります?

iPhoneからの投稿

鎌倉にて…

photo:01



その老人は大事そうに薄く潰れた年季の入った皮のカバンを膝の上にだきながら珈琲をすすり、こう切り出した。

「僕はね、あなたと違って飲食に造詣が深かったりするわけでもないんですよ。ただこの鎌倉という街にはあなたよりほんの少しだけ詳しいと思うのです…住人としてね」

アクセントの度に彼の口からは霧状の唾がとんだ。そしてきっとその事に気づいている人間は僕くらいのものだった。

小町通り入り口にあるルノワールは、週末とあってか席を選べないほどの盛況だった。外では海からではなく山側から吹き下ろしてくる乾いた冷たい風が若宮大路や裏路地を抜けていたから、人の息で窓ガラスやメガネがくもるこの空間はちょっとしたオアシスのようだった。

「僕は大分前に退職してしまいましたが、長い間最近世間を騒がしている「日揮」で働いていたんですよ…」

彼がそう言うと、僕の視界の至るところで動きがあった。その声は白黒写真の中に一点だけある赤い花みたいに異様な存在感を放っていて、その空間にあったすべての視線がこちらに移動しているのを感じた。僕は老人の顔を見たままだったけれど、彼と背中合わせの後ろの席の人は珈琲片手に振り向いたし、僕の左隣りの婦人はケーキを食べる手をとめた。

皆が老人の次の言葉を待っていた…


…こういう場合、話の本筋に関係なく、周りのオーディエンスが聴きたいだろう…と思われる質問を咄嗟に選んでしまうものですね…

僕は芸能レポーターが大キライだけど、なんとなく彼らのサガというか職業的な性分を理解できた一瞬でもありました。

2013年1月、鎌倉にて…







iPhoneからの投稿