元宇宙工学者が語る「心の宇宙」工学by CoCoRo和ぁるど -30ページ目

世界一だった江戸時代の医学

紀伊の国出身の偉大な医師のことを知りました。
その名は、華岡青洲(1760-1835)。
江戸時代の外科医です。

青洲は、手術での患者の苦しみを和らげ、人の命を救いたいと考え
麻酔薬の開発を始めました。
当時は麻酔薬もなく、手術を受ける患者は、
手術の痛みに耐えるのに必死でした。
それを見かねた青洲は、麻酔薬の開発に人生をかけたのです。

その間、実母の於継と妻の加恵が実験台になることを申し出て、
数回にわたる人体実験の末、
於継の死・加恵の失明という犠牲の上に完成させたものです。

通仙散というその生薬は、謎に包まれています。
処方は文献でしか残っておらず、
実際にどんな成分を使っていたのかが分かりませんでした。

ところが最近、民家に残る蔵から本物の通仙散が見つかり、
その処方がすべて明らかになりました。

青洲は、この通仙散を用いて、
1804年、世界で初めて全身麻酔を用いた手術を成功させました。

これは、1846 年にアメリカで行われた、
ウィリアム・T・G・モートンによる
ジエチルエーテルを用いた麻酔手術よりも40年以上も前です。

日本の医学が、どれほど進んでいたかが分かります。

そして、最後まであきらめずに麻酔薬開発に取り組んだ青洲の情熱、
さらには、青洲の情熱に思いを重ね、
自分の体を捧げた家族の献身的姿勢にも、まったく脱帽です。

8020運動

「8020運動」をご存じですか?

「80:20の法則」をご存じの人は多いと思いますが、
この「8020運動」とは、
「満80歳で20本以上の歯を残そうとする運動」のことで、
厚生労働省や日本歯科医師会により推進されている運動です。

先日、この運動の提唱者で、社会歯科学研究会の会長も務められている
坂井剛先生にお会いしました。

坂井先生は、1989年にこの運動を始めました。

運動が始まった頃と2007年の調査結果を比較すると、
80歳の人の平均現在歯数が、4本から約10本に、
そして、20本以上の歯を有する人の割合が、
8%から20%へと大きく向上しています。

20年以上にわたる坂井先生の熱意が、日本中に伝わり、
国民の健康に大きく貢献しているのは確かです。

さらに、先生の凄いところは、
何度も大病を患いながらも、

まだまだ社会貢献への熱意を失っていないところです。

現在は、歯科医学と社会とを結びつける活動として
大きな流れを作られています。

先生の著書の前文から抜粋しますと、

「お陰様で大病から復帰できました。
 大きな力を頂いた方々に深く御礼申し上げます。
 私は、頂いた命を十分活用して、
 20年先の歯科界に役立つよう努力いたします。

 ある小さな仏教国では、”国民の総幸福量”を世界一にしようと頑張っています。
 仏教国・日本においても、いずれは、
 これが国民的要請として出てくるに違いありません。
 (後略)」

こうして、一線を引退した後も、なお意気盛んで、
日本の未来をもっともっと良くしたいと、頑張っています。

私たちのしようとしている「和の時代、恕の時代の創造」についてお話しすると、
とても共感して頂き、大きな励ましを頂きました。

私も坂井先生を見習って、
やはり死ぬまでチャレンジ、死ぬまで学びと成長ですね。

坂井歯科医院:http://www5e.biglobe.ne.jp/~dr-sakai/
社会歯科学研究会:http://socialdentistry.com/default.aspx


死ぬまでチャレンジ!

那智で、130年の伝統を守り抜く職人気質を発見しました。

酢の古式醸造法を今も堅実に守り抜き、
さらにはその方法を最大限に生かして、新しい酢を開発しています。

その方は、
明治12年から続く、酢の醸造元「丸正酢醸造元」三代目社長 
小坂晴次さんです。

お会いする前、奥さんからは、
「社長は、職人気質の愛想のない人間だから」と言われ、
どんな頑固親父なんだろう……と、いかつい職人を想い描いていたのですが、
お会いすると、話し好きの明るい方で、
暖かく歓迎してくれました。

齢すでに八十二とのことですが、
そんな歳を感じさせない、元気で、はつらつとした方です。

社長の先導で、蔵に案内されました。
蔵に入る前、那智三山の神を祀った神棚に祈ります。
そしておもむろにホラ貝を取りだし、
山伏から教わったという曲を奏でます。

黒ずんだ蔵には、身の丈2mもの木桶が12個。
杉材でできていて、中には創業時から使われているものもあるとのこと。

初代が相撲好きとのことで、
木桶には、「若乃花」「双葉山」「北の湖」……歴代の大横綱の名札が。
とても愛着がわくそうです。
一つ一つの木桶に、「がんばれよ」と励ますかのように、塩をまきます。

つぎに案内されたのは、蔵の裏手にある醸造機械。
もう一世紀は使われていそうな頑丈な機械。もちろん動力は人力。
名前は、その機械のぴったしの「雷電」。
知る人ぞ知る江戸時代の怪力力士。

話を伺って、すごいと思ったのは、
すべて実践的で、自ら研究を重ね、五感で判断すること。

お酢の命は、まず水。
軟水がいいのか、硬水がいいのかを、
たくさんのサンプルを使って研究したとのこと。
その結果、やはり軟水である那智山の伏流水がベストだったそうです。

最近は、一年以上費やして、
ニンニク酢を完成しました。
ニンニクの抗菌力は強いので、
それに耐えうる麹を探し出さなければならなかったとのこと。

こうした研究の成果として、
社長が、伝統の醸造法にさらなる工夫を重ねて生み出した
もち玄米酢「那智黒米寿」は、
何度もモンドセレクション最高金賞を受賞しています。

社長曰く
「古式醸造を断じて変えない」
「誰でも作れる酢は作りたくないんですよ。
 消費者の方に喜んでいもらえるのが何より」

酢の醸造に関しては頑固一徹、
いまだチャレンジ精神旺盛な小坂晴次社長でした。

丸正酢醸造元:http://www.marusho-vinegar.jp/


和の連鎖反応

私は先週、早めにゴールデンウィークを取って、
紀伊半島を旅しました。

温泉で疲れをいやすとともに、
とてもたくさんの発見があり、学びがありました。

今日ご紹介したいのは、
明治23年(1890年)に起こった
トルコ軍艦エルトゥールル号遭難のお話しです。

このエルトゥールル号が遭難した大島・樫野崎灯台に行ってきました。

このお話しは、私のセミナーでもよく紹介していますので、
ご存じの方もいらっしゃるかと思います。

内容は後で紹介しますが、
遭難で生き残った乗組員たちを、
島中の人たちが力を合わせて、救出し、介抱に当たりました。
非常食の鶏まで食料として提供したのです。

日本人の和の心、恕(じょ)の心が、生きていました。

そして、トルコ人も後に、
イランイラク戦争のとき、イランに残された日本人を救出してくれました。

さらには、トルコ地震の時、
そのとき救出された日本人が中心になって、募金活動を行い、
被災者への援助を行ったのです。

和の心、恕の心は、こうしてどんどんつながっていくものです。
和の連鎖反応です。
こんな“和の輪”が満ちあふれる世界になることを願っています。




エルトゥールル号遭難の話しを
ウィキペディア(Wikipedia)より、要約して掲載します。

9月16日夜半、折からの台風による強風にあおられ
紀伊大島の樫野崎に連なる岩礁に激突、座礁したエルトゥールル号は、
機関部に浸水して水蒸気爆発を起こし沈没した。

これにより、司令官オスマン・パシャをはじめとする
587名が死亡または行方不明になる大惨事となった。

樫野埼灯台下に流れ着いた生存者が
数十メートルの断崖を這い登って灯台に遭難を知らせ、
灯台守の通報を受けた大島村(現在の串本町樫野) の住民たちは、
総出で救助と生存者の介抱に当たった。

この時、台風により出漁できず食料の蓄えもわずかだったにもかかわらず、
住民は浴衣などの衣類、卵や サツマイモ、
それに非常用のニワトリすら供出するなど
献身的に生存者たちの回復に努めた。

この結果、樫野の寺、学校、灯台に収容された69名が
救出され生還することができた。

遭難の翌朝、
事件は樫野の区長から大島村長の沖周(おきしゅう)に伝えられ、
沖は神戸港の外国領事館に援助を求めて
生存者を神戸の病院に搬送させるよう手配するとともに、
県を通じて日本政府に通報した。

知らせを聞いた明治天皇はこの遭難に大いに心を痛め、
政府として可能な限りの援助を行うよう指示した。
各新聞は衝撃的なニュースと して伝え、多くの義捐金・弔慰金が寄せられた。

※以下のページもご覧ください。
http://www.makuya.or.jp/teatime/douwa/ertug/ertugP1.htm

運命とは?

スジャイ氏が無事、日本を出発しインドに帰国しました。
約2ヶ月間の日本滞在、本当にありがとうございました。

この間、スジャイ氏のイベントにご参加頂いた皆さんにも、
心から感謝致します。

大正昭和の文豪 武者小路実篤が次のように言いました。
「運命は偶然より必然で、自己の中にある」

スジャイ氏のセミナーの中でも、同じような内容がありました。

───運命を作り出すのは、日々の決断の積み重ねである。
    日々の決断は、内側のよりクリアな状態から行われるべきである。
    それは、感情と切り離された決断のことである。


自分の内側に感情的乱れがあれば、
そこから出た行動にも混乱が生じます。
そして、人生も、混乱した運命になっていきます。

行動する前に、それをすべきかどうか悩み、
かつ、行動してしまった後も、
それが正しい行動だったのかどうか悩み、後悔します。

あるいは、
相手への復讐心から出た行動は、
後になって罪悪感として、心の葛藤を作ります。

人によっては、
大きな野望を持っていたとしても、
心の不安や迷いが強く、
なかなか一歩を踏み出せない人もいると思います。

その乱れや動揺や葛藤の繰り返しで、
毎日を生きていないでしょうか?

感情の葛藤の中で決断し、人生を進めていく限り、
不幸ばかりで、大きな成果を得られません。

たとえ成果が得られたとしても、達成感や充実感は得られません。

そのためにも感情的しこりを解消し、
動揺や葛藤を鎮める必要があります。