こんばんは。
雫石雪乃です。
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初めての方はこちらからお読み下さい。
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昨年、新聞の投稿欄に興味深い投稿が出ていました。
何十年も鬱を患った女性が、長い闘病生活を支えてくれたご主人を亡くしたそうなのですが、そのご主人が亡くなる間際に
「お前に俺の人生はダメにされた。お前のことを恨んでやる」
というようなことを言ったそうで、私はどのようにして償っていけばいいのでしょう？というような内容でした。
このご主人は奥様の看病をするために、出世も諦め、友人との付き合いも諦め、いろんなことを犠牲にして生きてきたのだそうです。
うん、まあそりゃあ恨むよね。
と私は思いました。
確かにうつ病はすごく辛いです。
すごくすごく辛いです。
でも、私が見ている限りその病人のお世話をしている人たちも同じように、時にはそれ以上に辛い思いをされています。そういう方をたくさん見てきました。
そういう方達を見るたびにこのエピソードを思い出します。
自分の辛さや悲しみしか見えず、
その辛さに甘える人は、周りの人も同じように苦しんでいることに気がつきません。
母親の愚痴をずっと聞かされる子供は何が辛いのか？
それは、
「お母さん、大変だね」
「お母さんは悪くないよ。頑張ってるよ」
そういう言葉を口にしなければならないから。
聞きたくもない愚痴を聞かされる自分の方がずっと辛いのに。
でも、お母さんも辛いから私が支えくちゃ。ちゃんと聞いてあげなくちゃ。
優しい子ほどそんな風に思ってしまうのです。
だからきっと、最初のエピソードのご主人も優しいからこそ奥様を傷つけまいと色々我慢してしまったのだと思うのです。
優しい人に甘えることがダメとは言いません。
でも、それが時に暴力になるということを忘れてはいけないと思うのです。
私は可哀想なのだから何をしてもいいという暴力。
優しい人にどれだけ甘えても良いという暴力。
被害者という暴力。
私は弱いのだから、何もできないの。
それはしょうがないでしょう？
あなたは強いんだから、少しぐらいのことは我慢できるでしょう？
そんな風を思うよりも、
もっと強くなろう。
あの人のようにもっと優しくなろう。
そう誓いを立ててみてください。
人は本当は成功よりも成長を望んでいるのだと、私は思います。
今よりももっといろんなことが許せるように。
今よりももっといろんなことが受け入れられるように。
今よりももっといろんなことに共感できるように。
今よりももっといろんなものを愛せるように。
痛みも悲しみも苦しみも怒りも
全てを許し、受け入れ、共感し、愛せるように。
そんなことを望んでいるのではないかと思います。
それら全てができる人を本当に強い人、優しい人、愛に溢れた人というのだと私は思います。
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