イタリアへの旅 —ドツボのテルミニ駅から花の都フィレンツェへの「赤い矢」編— | COCOのおいしい話

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*Rome Termini to Florence Santa Maria Novella in "Frecciarossa"*

 

姉ジャスミンの出張というきっかけに背中を押され、初めてやって来たイタリアは、ローマ近郊の街フラスカティ(前回の記事です→「イタリアへの旅 —彷徨いのフラスカティ編—」)。

 

時差ボケによる不眠に悩まされつつ迎えた4日目の朝、9月21日木曜日。

 

姉の仕事はこの日が最後なので、いよいよ、ローマから夜18時10分の電車で憧れの地フィレンツェへ向かいます。

 

姉とは夕方に落ち合うことにして、夫銀之丞と私は姉のスーツケースを預かり、一足先にローマのテルミニ駅へ、タクシーで向かいました(40分くらいでした)。

 

さて、このテルミニ駅が。

 

来る前の情報収集によれば、とにかく治安が悪いので有名で、曰く「非行の温床」、「犯罪のるつぼ」。

 

観光客を狙ったスリ、置き引き、ひったくりは常習化しており、いちいちニュースにもならないくらいだとか。

 

更に、今年に入ってからは数件の強盗殺人未遂事件も起きていると聞かされては、私はもう戦々恐々。

 

お昼前には着くのでここで手荷物を預け、夕方まで近くの博物館や観光地を回ろうと当初は計画していたのですが。

 

この荷物預かり所で並んでいる間も(長蛇の列が出来ていて、30分も並んだでしょうか)、「スリ置き引きかっぱらいボッタクリに注意、スリ置き引きかっぱらいボッタクリに注意、スリ置き引きかっぱらい…」と唱えつつ(お経かはてなマーク)、絶えず緊張を強いられ。

 

前日もやはりあまり眠れず疲れていた夫と私、スーツケースを預け終えた時にはもうグッタリ気味でした。

 

「ローマにはフィレンツェの後にまた戻って来るし、明日からの本格的な観光に備えて、今日は無理しないでおこう」ということになり、この日の観光は見合わせました。

 

とりあえず、どこかでお昼を食べることにして。

 

前日の夜食べたイタリア料理が美味しかったので、またあんな感じのお店を…と検索して、駅から徒歩12分、というお店に向かってダウンタウンを歩き始めたのですが(ダウンタウンはサンフランシスコを思い出させる佇まいでした)。

 

途中、夫が突然。

 

「Dim Sum!(ディムサム、点心=飲茶だ!)」

 

と言って立ち止まりました。

 

せいろに入った焼売類の写真を載せた、大きな看板(ノボリだったかな?)が出ていたんです。

 

私は「ああ、そうだね、中華料理のお店なんだね」と言って通り過ぎようとしたのですが…。

 

銀之丞、動かない!?

 

エッ、もしかしてここでお昼を食べたいの!?

 

イタリアで飲茶…!?

 

瞬間、数日前の「ホッカイドー・スシ」での、あまり喜ばしくなかった体験が脳裏をかすめたのですが…。

 

銀之丞、「シューマイ、タベル(日本語)。」

 

……人間、疲れると食べ慣れたものが欲しくなるものですよね…?

 

まあ、イタリアンを食べる機会は、これからフィレンツェやローマでいくらでもあるだろうし。

 

ローマの中華料理というのを食べてみるのもまた一興…?

 

ということで、こうなりました笑い泣き

 

 

小籠包と、豚肉とエビ入りの焼売を取ってみました…小籠包は焼売と同じ、厚めの皮で出来ていました。

 

そして夢にまでみた(?)グリーン・ベジタブル!(笑)

 

 

チンゲンサイが山!と出て来て(写真を撮る前に少し取り分けてしまいました、見苦しくてゴメンナサイ)嬉しかったです。

 

ところで。

 

小籠包や焼売には、何をつけて食べますか?

 

夫と私は、小龍包は生姜の千切りにお酢とお醤油を混ぜたタレで、焼売や餃子はやはり酢醤油にラー油を入れたタレで食べるのですが。

 

このレストランでは、刻み生姜とお醤油は出て来たのですが、お酢が出て来なかったんです。

 

そこで、中国系の英語も話せるウェイターさんに、「ビネガーを下さい」と英語で頼んだのですが、彼は「?」という顔。

 

私の発音が悪かったのかと思い、夫に「Vinegar, Please」と言ってもらったのですが、ウェイター氏、やはり「??」。

 

そこで翻訳アプリに登場してもらい、中国系の方だと言うので漢字でいけるだろうと思い「酢」、と書いて見せたのですが、「???」。

 

あっ、そうでした!中国語で「酢」は「醋」と書くのでした!!(アメリカに来て、中華レストランのメニューの「スイート&サワー・スペアリブ=豚のアバラ肉の酢豚」の中国語表記が「糖醋排骨」とあるのを見て覚えました。)

 

改めて、日本語の「酢」をイタリア語に訳したスマホ画面をウェイターさんに見せると。

 

「あぁ、アチェト!」

 

彼は小さく叫んで合点が行ったように頷き。

 

めでたく、黒酢と白ワインヴィネガーの両方を持って来てくれたのでした(黒酢の方でいただきました)。

 

皆さん、イタリア語でお酢は「Aceto(アチェト)」、だそうです(英語のAcid=酸、と近いですね)。

 

 

「アチェト」で思い出しましたが。

 

この日の朝、ジャスミンとホテルで別れる時、「イタリア語で『助けて! Help!』 は 『Aiuto! アユート!』 だよ」と教えて来たのです(私、「旅行で役立つイタリア語」を動画でスコシ、オベンキョして来ました)。

 

だって姉は夕方、一人で電車に乗ってテルミニ駅まで来なければならないのですから。

 

電車・バス・地下鉄はスリにとっての金鉱(!)、聞けば中学生くらいの女の子の集団が、旅行者をぐるりと囲んで…と言う手口もあるというのです。

 

なので、何故か去年の11月から空手を習い始めたという姉に「イザとなったら『アユート!』って叫んで、お得意の回し蹴りなり、空手チョップ(って昭和ですね〜)なりをお見舞するのよ!」と言い置いて来たのですが。

 

用心深い姉は、アプリで「Aiuto」の発音を調べたらしく。

 

私は「アユート」の「ユ」にアクセントを置いて発音したのですが、正しくは「ア」にアクセントで、残りの「ユート」は割と素っ気なく発音するのだそうです。

 

「Aceto アチェト」は「Ace アチェ」にアクセントがあるようで…英語もですが、アクセント

の位置を間違えると全く通じなかったりするんですよね…。

 

結局この旅の間中、姉がこの単語も空手チョップも披露する機会がなかったのは幸いでした…と言うか、残念でしたと言うか?…ニヒヒ

 

 

閑話休題。

 

肝心のお料理の味ですが…悪くはなかったのですが、全ての味付けに私があまり得意ではない五香粉(ウーシャンフェン)が使われていて…チーン

 

日本やアメリカで食べる小籠包や焼売には入っていないですよね?…イタリア人の好みなのでしょうか?

 

でも、シャキシャキのチンゲンサイを心ゆくまで食べられたのでよかったです。

 

 

この後は今夜乗る電車のホーム等を確認しておこう、と駅に戻りました。

 

チケットは、自販機は旅行者には使いづらく、また手間取っている観光客に「お手伝いしますよ」と近づいてはお釣りを盗んだり、または手間賃を請求したりする輩がいる、と聞いていたので、オンラインで予約して購入済みでした。

 

駅の中のショップや本屋さんを少し見て歩きましたが、どこも長時間居られるような所ではなく。

 

駅に隣接しているフードコート「イル・メルカート・チェントラーレ・ローマ(Il Mercato Centrale Roma)=ローマ中央市場」には座れる場所もありそうでしたが、狭くて混んでいたし、何よりまだお腹は一杯で。

 

結局、市場の入り口の側にあった風通しの良いベンチに座って(結構暑い日だったんです)、行き交う旅行者を見るともなしに眺めて過ごしました。

 

フードコート内で買ったピスタチオとレモンクリームのジェラート。

 

 

レモンクリーム、とっても気に入りました。

 

 

さて、17時頃だったでしょうか、姉がテルミニ駅に到着、無事合流出来ました。

 

予約していた電車は、イタリアの鉄道会社トレニタリアが運行する高速列車で、イタリアの新幹線と呼ばれる「フレッチャロッサ(Frecciarossa=赤い矢)」です。

 

テルミニ駅発が18時10分で、フィレンツェのサンタ・マリア・ノヴェッラ駅着が19時46分。

 

フィレンツェに着いてから食事に出るのでは遅くなってしまうし、でも姉がテルミニに何時に来られるかは分からなかったので、食事付きのチケットを予約していました。

 

でも、何しろ初めて乗るイタリアの新幹線。

 

食事といってもどの程度の物が出るのか…サンドウィッチと飲み物程度なのか、きちんとしたミールなのか…?

 

この時、17時半頃でしたがみんな小腹が空いていたので、件の中央市場のフードコートで、ローストチキンと焼いた野菜、ポテト等を3人で分けて食べてしまったのですが、これを後で後悔することに…(いえ、大した問題ではなかったのですが)。

 

 

その後駅の構内へ。

 

 

改札ゲートの横に点々と並んだ電光掲示板を見上げる人、人、人…。

 

これは、自分の乗る列車が何番ホームから出るのかは、発車の5分前にならなければ表示されないからなのです。

 

私達が乗る列車は15分程遅れていて(イタリアでは40分までは遅れと見なされないのだそうですニヤニヤ)、なかなか表示されません。

 

やっと乗り場が分かり、それッ、とホームに向かったのですが。

 

このフレッチャロッサは11両編成。

 

そして私達の車両は…1両目!一番前っ!!一番遠くっ!!!

 

うっそーん!?

 

まさかホーム横を走っている私達乗客を置いて発車することはないよね?とは思いつつ、発車時刻が迫っていたので焦りました。

 

やっと1両目にたどり着けば、入り口のステップの段差がすごくて、スーツケースを持ち上げるのが大変でした。

 

何とか係員さんに荷物を預けて、座席へ…。

 

ようやくリラックスできました〜。

 

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さすがエグゼクティブの車両、リクライニングシートで、足が存分に伸ばせて楽ちん!(でも、ゆったり、を通り越しているような…?)

 

やがてメニューが配られ、ドリンクとおつまみがサービスされました。

 

 

姉はコーラを、私はプロセッコをもらってご機嫌♪

 

このミニパン?とラスク?は結局食べられませんでした…チキン、やっぱり食べなきゃよかった…あせる

 

銀之丞はというと…。

 

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ビールをもらって、今回の旅の中で一番幸せそうな顔をしてました。笑

 

夫は食事は入らないと言ってチーズと生ハムのセットを。

 

 

姉と私はせっかくなので(笑)…。

 

 

野菜とサフランのタリアテッレをもらいました。

 

走る列車の中で冷たいプロセッコを飲みながら熱々のパスタを食べる…何だかとっても嬉しい時間でした。

 

 

この列車はナポリ発、ミラノ行きだったんですね。

 

ナポリとミラノ、いつか行く機会があるといいな…。

 

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7時過ぎ、夕暮れるイタリアの田園風景の中を走り抜け…。

 

予定より10分程遅れて8時ちょっと前にフィレンツェ、サンタ・マリア・ノヴェッラ駅に到着しました。

 

 

これが乗って来た「赤い矢」…ホントに早くて快適でした、ありがとう。

 

と。

 

フィレンツェにたどり着くまでで、随分紙面を費やしてしまいました。

 

憧れのフィレンツェ巡りの記事は、次回に回したいと思います。

 

時差ボケからも次第に回復しつつあり、まずはどうしても登ってみたかった、あの場所を訪れます。

 

 

ではまた。

 

きっと、近いうちに。

 

 

 

 

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