通常の4倍に肥満したネズミとやせたネズミ。血糖値を比較するとやせたネズミが糖尿病だった。今「肥満」の常識が変わろうとしている。痩せた人の多い日本人も高血圧が欧米人と変わらない。

「第3の脂肪」が確認され、これが心臓病やガンを発生させるという。対策は「太ること」、肥満は必ずしも病気をもたらすのではないという。太っているのはいいのか悪いのか?追跡する。

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力士の健康状態を研究している教授がいる。南教授だ。関取は摂取カロリーが6000、一般人の3倍である。しかし血糖もコレステロールも心配ない結果だった。現役力士の多くは太ってはいるが生活習慣病の心配はない。

一方標準体型の一般人。太っていないのに動脈硬化の心配があるといわれた。また別の人は総コレスレロール値が高かった。太っているから不健康、痩せているから健康とはいえないことがわかってきた。

斎藤元大さん、糖尿病を患ったが、新しい薬を服用して、体重が増加したが、血糖値は減少した。

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番組のディレクターは太っているが問題なし。番組のプロデューサーは痩せているけど、動脈硬化の危険性あり。そしてゲストは森久美子さん。まさにうってつけ。

日本医科大学北千葉総合病院で、霜鳥関と、普通の会社員が人間ドッグで診察。力士は内臓脂肪が少ないが、会社員は内臓脂肪が多かった。

BMI21の標準体型の男性。動脈硬化の危険アリと言う診断が出たため、さらに精密検査を受ける。内臓脂肪とも違う第3の脂肪「異所性脂肪」といわれるのが多いという。この脂肪は強い毒性を持っていて、組織に入り込む。ディレクターはこの脂肪が無かった。見た目の体型に関係なく溜まるもので、2型動脈硬化や生活習慣病に直接からんでくるという。

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この「異所性脂肪」とは何か?

皮下脂肪は皮膚の下にあるもので、これは見た目が太ったひとの脂肪。

内臓脂肪が増えてくると、お腹が出てくる。

問題の異所性脂肪は、内臓などに直接張り付いて(脳以外に付く)、自分では気が付かない。

肝臓は普通赤黒いが、異所性脂肪が付いた肝臓は黄土色だ。

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徳島大学医学部、心臓にもこの脂肪が付くことがわかってきた。心臓に溜まった異所性脂肪は、心臓の動きにも影響を与えて、心臓発作に繋がりかねない。さらに外部の血管に付くと、血管が動脈硬化を起こす。

佐田政隆教授は「若い人に増えている。」と警告。

世界的な肥満研究者のテキサス大学フィリップ・シェーラー教授は、すい臓のインシュリンに影響を与えていて、抹殺してしまうという。ミトコンドリアに異所性脂肪が脂肪酸を分泌し、これを攻撃、このミトコンドリアが消滅してしまい、エネルギーを出すことが出来なくなってしまうという。

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スタジオに東京医科歯科大学の小川教授が登場。

「太っているから、痩せているからといって異所性脂肪が多い少ないとはいえない。」

「血液検査で数値が悪いことによって異所性脂肪の存在が疑われる。」

ではどうしてこの脂肪が増えるかと言うと、①皮下脂肪が増えてキャパを越える⇒②内臓脂肪が増えてキャパを越える⇒異所性脂肪へ。

日本人は内臓脂肪も溜まりやすく、異所性脂肪も溜まりやすいという調査結果が出ている。逆に皮下脂肪は溜まりにくい。

つまりは皮下脂肪という脂肪の貯蔵庫が少なく、皮下脂肪が付かないが「脂肪萎縮症」になると、皮下脂肪につくべきものが余ってしまい、それが行き場が亡くなり、内臓に付いたりする。

皮下脂肪を溜める能力も日本人の中でも違いが大きい。プロデューサーとディレクターの違いを見る。やせているプロデューサーは皮下脂肪の蓄積容量が少ない。

キャパを越える脂肪になる。

薬によって、脂肪細胞を増やすことにより改善された例はこれが原因。

では肥満はいいのかというと、貯蔵能力はあるが、オーバーフローした場合は同じことなので、太ることは決してよくは無い。と教授。

要するに太っている人は痩せれば、皮下脂肪の能力は保証されているので、より健康に過ごせる。

しかしだからといって、子供の頃に太らせるのも良くない。

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では異所性脂肪を減らす方法

①脂モノを摂らない。

②1日1万歩は歩く。

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順天堂大学では、異所性脂肪を減らす研究調査が行なわれていた。

食事は、揚げ物を控えて、肉は赤身。

階段を歩いたりで、1日1万歩歩く。

を3日間行なって、なんと脂肪が3割減。一人は半分に減った。

異所性脂肪は、一番先に使われる脂肪でもあり、こういった生活の心がけで対抗できることが証明されている。