こんにちは、培養部門です。
近年、細菌を調べる技術の急速な発達により今まで分からなかった体と細菌の関係性が明らかになりつつあります。人の体は細菌との共生( 協力すること )により活動しています。よって、体の中の細菌の種類や量が異常をきたすと体調が悪くなることがあります。メディア等で腸内フローラという言葉をよく聞くと思います。腸内フローラを整えることは身体全体を健康に保つために重要であり、不妊治療分野では妊娠率の向上や出産率の向上に関わっています。細菌叢は腸内だけでなく、口腔内や皮膚、子宮など様々な臓器に存在しています。
精液中にも細菌叢( 精液フローラ )が確認されており、精液中の細菌叢のバランスが崩れると精子運動率の低下や妊娠率の低下につながると考えられています。
精液フローラは腸内フローラとも関係があり、高脂質な食事( 牛豚肉や乳製品 )を中心に生活している男性は腸内フローラが乱れ、それが影響し精子濃度と精子の運動性が低下したことが報告されています。
実際に意図的にオスマウスの腸内フローラを乱れさせ、メスマウスと性交を行うと生まれた子マウスに悪影響が及ぼされることが報告されました。
父親の良好な腸内フローラは妊娠や健康な児の発育に重要な可能性があります
健康的な生活が精液の質を上昇することは明らかです。
無理のない範囲で健康に目を向けた生活を送ることを推奨いたします。
参考:Filipe T et al. Effect of environmental factors on seminal microbiome and impact on sperm quality. Front Endocrinol (Lausanne). 2024
お知らせ
当院の初診について
当院の不妊外来を初めて受診される際にお電話での予約が必要な理由
当院は不妊治療に関わる先進医療を行なっております。
大垣市在住のご夫婦を対象として、自費診療でAMH( 抗ミュラー管ホルモン )検査、精液検査を実施した場合に大垣市から助成金を受け取ることができる制度が開始されました。
当院で行うことができます。お電話にてご予約をお願い致します。
大垣市在住のご夫婦を対象に妊活検診費( AMH検査・精液検査 )が助成されます
当院はPGT-A実施施設として日本産科婦人科学会に承認されています。
PGT-Aを行うことによって、複数回の妊娠不成立や流産を繰り返す方に妊娠率の向上と流産率の低下が期待できます。
↓詳しくはこちらをご覧いただければ幸いです。
※PGT-A対象者の方で当院に胚盤胞を凍結保存している場合、採卵を行わずに保存してある胚盤胞を用いてPGT-Aをすることができます。
PRP療法とは再生医療の一つです。
様々な医療分野でPRP治療は行われており、不妊治療分野ではPRP療法を行うと子宮内膜が厚くなるという報告が専門の学会から報告されています。
子宮内膜が厚くなると、移植した胚の妊娠率、出産率が向上します。
先進医療、PGT-A、PRP療法をご希望の方、ご興味がある方は当院の不妊外来診察を受診ください。
文責:培養部門
〔生殖医療専門医〕古井憲司