クリーンテックについて日本語で読む
しばらくしているうちに随分と日本語のサイトが増えていましたので、簡単にまとめてみます。以前書いたものも再掲しています。「クリーンテック」という呼称を使うサイトは限られますが、この言葉を使わなくても内容がクリーンテックであるものを拾ってみます。
なんといってもお勧めは今年6月に始まった日経ビジネスオンラインのコラム「Next Big Thing」
。日本のベンチャー・キャピタリストである飯野氏と堤氏が書いていますが、毎回深く丁寧に書かれているコラムはとても勉強になり、世界の状況を踏まえた日本発ベンチャーの動向が詳しく分かります。
同じく日経では日経Ecolomy(エコロミー)にある石戸太氏のコラム「環境ビジネスアメリカNOW」
は大手のコラムらしく、読み応えがある記事が多いです。ただシリコン・バレーの雰囲気よりは産業界の動向が全体として分かるというタイプの記事が多いと思います
スピード感が伝わるブログは「しなやかな技術研究会」
。自分としては情報の幅の広さには非常に勉強させられます。英語の資料も多いですが、日本語の解説コメントが多いのが親切です。
経済週刊誌「ダイアモンド」が9月からはじめたコラムのタイトルは、「エコに群がる世界マネー」
。タイトルから受ける印象はあまりクリーンテックらしくありませんが、ビジネスの視点で一貫して書かれているのは読みやすいです。
最近のテレビだとすでに放送済みですが、10月後半のNHKのクローズアップ現代
が電気自動車と太陽電池
に絞って面白い特集をしていました。日経ビジネスも似たような内容で(ただ二次電池も加えて)特集
を組んでいました。
どのサイトを読んでも日本発の情報より圧倒的に海外発の情報が多いですが、徐々に日本発の情報が増えることを期待しています。。
MJ
タイム誌の「環境の英雄たち」
「今年の人 Person of the Year」を毎年発表する米タイム誌。毎年「環境の英雄たち Heroes of Envirionment」も選定しています。昨年はトヨタのプリウスの開発チームも選定
されました。
今年の「環境の英雄たち」は10月頭に発表されました。この中に以前ブログで書いたシャイ・アガシ氏
(ベター・プレイスの創業者・CEO)やクライナー・パーキンスのジョン・ドー
氏も選ばれています。米国全体としてシリコンバレーの活動が注目を浴びてきたという証拠でしょう。
興味深いことにイノベーターの一人は中国で活躍しています。中国系アメリカ人のペギー・リュー氏
はマサチューセッツ工科大学(MIT)を卒業した彼女は、戦略的コンサルティング会社のマッキンゼーで仕事をした後、中国でベンチャーキャピタルの仕事を始めます。ある日MITの同窓会のイベントで、学長スーザン・ホックフィールド氏の講演に耳を傾ける機会がありました。そのときのメッセージは簡潔でした。中国が責任を果たさなければ地球温暖化問題は解決しないと。ここから彼女の人生の方向は大きく変わります。
中国でクリーン・エネルギーを促進するためのネットワーク団体、JUCCCE(Joint U.S.-China Cooperation on Clean Energy)
を設立して、中国と世界の政界・経済界の要人を結び付けようとしています。彼女の仕事の重要性は既に世界から認識されているようで、前米国大統領のクリントン氏が運営しているグローバル・クリントン・イニシアティブの作業部会のアドバイザーとしても活躍
しています。
世界最大の二酸化炭素排出国になった中国。毎週新たな石炭発電所が建設されているともいわれますが、そこでもゆっくりながらクリーンテック革命の種は成長しているようです。
MJ
次の「グーグル」は?
インターネット検索サイトの雄、グーグル Googleが10週年を迎えました。1998年の創業からたった10年で年間売り上げ1.6兆円を超える驚愕のスピードで成長
しています。
独特の企業として有名なグーグルですが、なんといっても特徴的なのはシリコンバレーのベンチャー精神でしょう。企業のモットー、「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにする
」
は、技術を使って世界をよりよいものにしていくという、(梅田望夫氏のいう)シリコンバレー的「楽観主義」を感じさせます。大企業になっても未だにそうした雰囲気を維持しているのがすごいところです。
常に新しい企業が台頭するシリコンバレー。グーグルが大企業になった今、グーグルのように莫大な成功を収める次の企業は何か、非常に気になるところです。恐らくこれはエネルギー分野から出てくるのでは、と推測する人がいます。
「フラット化する世界」で有名なトーマス・フリードマンは最近エネルギー技術について熱心に語っています。9月に出た彼の新刊はグローバル化ではなくエネルギーについて
のものなのです。そして21世紀はIT(情報技術)ではなくてET(エネルギー技術)におけるベンチャーこそがアメリカの競争性を保ち、世界をリードするのに必要だと説いています。「10万人の人が10万個の[アイデア]に挑戦し、その中で5個ぐらいうまくいくのがでてきて、もしかしたら2つぐらい次の[環境ビジネス]のグーグルが出てくる
」と。
同様に地球温暖化問題を20年以上追い続けている米ニューヨーク・タイムズのアドリュー・レブキン氏も、次のグーグルのような成功はエネルギー業界で誕生するだろう
と予見しています。また彼は最近の若者を「E世代 Generation E」と呼びます
。Eはエネルギーと環境(energy and environment)の頭文字を意味します。
ブッシュ大統領ばかり目立ち環境に悪いといわれているアメリカですが、そのアメリカの若者は歴史の方向性を変えようと努力しているのでしょう。名高いベンチャー・キャピタリストのコスラ氏が言うように、シリコンバレーに集まる「アメリカで一番優秀な人材はエネルギーで仕事をしたいと思っている
」のかもしれません。
MJ