営業の本には
「『買ってください』と言わなくては買ってもらえない」
などと書かれていますが、私はお客さまに対して
「買ってください」と言えませんでした。
その言葉が、買ってくださるお客さまのためではなく、
自分のためのような気がするからでした。
「今日、お決めになってください」も同様です。
お客様に強いているようで言えないのです。
これは良し悪しの問題ではなく、
自分の営業スタイルに馴染まないのです。
化粧品会社の飛込みのときからずっと、
やりたくないことは無理にはやらずに、
他の部分で工夫するようにしてきました。
自分の場合はしっかりお客さまの目を見て、
笑顔で次のような声をかけます。
「こちらでよろしいですか」
「ぜひお使いになってみてください。
きっとご満足されますよ」
「こちらの商品でしたらお客さまのご要望に合いますし、
末永くお使いになれますからお勧めします」
「買ってください」型の販売は、
扱っている商品によってはマイナスになることがあります。
実際、大型の商談のクロージングでは、
プラスよりマイナスに働くことが多いことも何度も目に
しましたし、耳にもしてきました。
押しつけないから、お客さまは安心して心を開き、
いろいろと相談してきてくださいます。
そこから、信頼関係を築くことができますから、
結果として単品買いで終わらず、
家一軒分のトータルでの買い物に繋がることも
少なくありません。
電話台1点を買いに来たお客さまでも
単品買いで終わることはなく、
最終的に目的以外の商品もプラスして
買っていただくことが多かったです。
お客さまが買う予定のないものについても、
雑談の中で説明をしていきます。
お店を案内し通りがかりに目に入った商品も
その特徴について説明します。
1つでも多くのものを購入していただきたい
という気持ちもないわけではありませんが、
今は必要なくても、いずれ買う時の参考に
していただければという思いが強いのです。
その気持ちであれば、お客さまも押しつけがましさより、
むしろ親切で説明してくれていると
素直に耳を傾けてくださいます。
とくに、家具のように長く使用する商品では、
説明を聞かなければ、値段の違いや良さが
分かりにくいものです。
目的以外の商品を説明して、
使ったときのイメージをお話しすると
「そういえば、ソファが古くなっていたな」
「そういえばスタンドが欲しいと思っていたんだ」
「そうか、こんな便利な書棚かあるんだ、
使いやすいからこの際買い換えようか」
「子供部屋のカーテン、小さい時のままだから、
これを機会にディーン向けのカーテンにしてあげよう」
などと追加が出てきます。
「今日はレタスと豚肉を買おう」
と思ってスーパーマーケットに入っても、帰りには
何倍もの商品を買ってしまうことが多いのと同じです。
これは潜在ニーズの掘り起こしです。
お客さまがご自分で気づいているニーズは顕在ニーズ、
お客さまが気づいていないニーズが潜在ニーズです。
「潜在ニーズの掘り起こし」こそが、
営業や販売員の役割だと確信しています。
この話はとても重要なので、続きはまた書きますね。
・・・・明日も読んでくださいね
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