パートから社長になった坂本玖実子の「雨のち晴れ」ブログ -3ページ目

パートから社長になった坂本玖実子の「雨のち晴れ」ブログ

株式会社クラスモア 代表取締役 坂本玖実子 公式ブログ

家具を求めるお客さまのなかには、ご自宅の図面を持って

こられる方がいます。

家具のレイアウトを考えるためや家具が部屋にうまく

収まるかどうかを知るためですが、ほとんどのお客さまは

初めは持ってきたことを言いません。

 

家具店の店員が図面を見てくれると思っていないから、

また、そんなサービスをしてくれると
思っていないからです。

 

しかし、フロアをご案内して、家具の説明をしているうちに

 

「じつは、図面を持っているんですけど、見てくれませんか?」

 

となり、

 

「今日はソファを買いに来たんだけど、テレビボードとか

テーブルとか、そういうものも欲しいんですよね」

 

という話が少しずつ出てくるようになります。

 

 

だから、信頼していただく会話、お客さまのニーズを

引き出す会話がたいへんに大事です。

そのニーズというのも、何が欲しいかではなく、

『どんな暮らしをしたいか』
というところがポイントです。

 

そのためには、お客さまにできるだけたくさんお話して

いただくようにもっていきます。

家具やインテリアには直接関係ない趣味や家での過ごし方の

話など、日常の生活の話をとにかくたくさん聞きます。

それも何気ない会話のなかで、

 

「家ではどんなふうに暮らしていますか?」

「ご夫婦は仲がいいんですか?」

「お子さまとは会話されていますか?」

 

などとはストレートに聞けないので、

何気ない話題のなかから、インテリアに関係する話を

自分のなかに集めていくという感じで会話を進めます。

 

以前お話した、アナウンサーの徳光和夫さんの言う、

インタビュアーの心得の一つ、

「聞くことをあらかじめ決めないで、
相手の答えから話を広げる」

が大切です。

あらかじめ用意した質問だけを次々に
聞いていくのでは、
表面的な話しか引き出せないでしょう。

上手なインタビューのコツは、
相手が話してくれた話から、次の質問をすること。
そうすれば、話が深まり、他の人には話さなかった
ことまで話を引き出すことになるでしょう。

セールスもまったく同じです。
顕在ニーズだけでなく、潜在ニーズを引き出せれば
十中八九、商品は売れます。

 

・・・ニーズの引き出しの話はつづきます。
また読んでくださいね

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「こころの営業法」の特徴は、

お客さまのニーズをできるだけ多く引き出すことにあります。

 

その中心にある考え方は

「答えはお客さまが持っている」

というものです。

 

大手家具店で働いていたときには

いつもお客さまの暮らしの情報をできるだけ多く得ようと

心がけていました。

 

どんな家に住んでいるのか、

家族構成はどうか、

家族の関係性はどうか、

家で過ごす時間帯はどんなふうにくつろいでいるのか、

ペットを飼っているのか、

などなど。

 

これはどんな商品にもいえることではないでしょうか。

 

たとえば、家電量販店では、

テレビを購入しようと来店したお客さまに対しては、

 

どのくらいの広さの部屋で、どんなかっこうで見るのか、

どのくらいの時間見るのか、窓からの光はどうか

あるいは、どんな番組をよく見るのか、

録画することが多いのか、ゲームをするのか、

報道番組か、音楽番組か、それとも映画か。

 

ニーズの違いによって、おすすめする機種や画面サイズが

異なるはずです。

 



お客さまも、自分のニーズを確認することによって、

より自分に合った商品を購入することができます。

それがお客さまの満足につながります。

 

洋服にしても、貴金属にしても、車にしてもそうでしょう。

高級なものであれば、お客さまもあれこれ迷いますが、

そのニーズを的確に拾い上げて、

適切な商品をおすすめするのが営業・販売担当の仕事です。

 

買いたい商品が決まっている場合でも、

お客さまの潜在的なニーズをその場で掘り起こすことができれば

予定外のものをお求めいただくこともあります。

 

テレビを買いにいらしたお客さまであれば、

テレビ台、ブルーレイ&DVDレコーダー、

さらにより良い音で聴くためのスピーカーと

広げていくこともできます。

 

専門店に洋服を買いにいくと、店員から

「他になにかご入りようは?」

と聞かれることがあるでしょう。

男性ならシャツを買ったときに、

「このシャツに合うネクタイはいかがですか」

と勧められることがあります。





店員は、お客さまのニーズをつかんでいれば

より絞った商品をすすめることができます。

それが大事です。

 

何気ない雑談のなかにヒントが
たくさん隠されているので、

とにかくお客さまに話してもらうようにします。

 

いかにお客さまのニーズを引き出すか、

それを営業にどう活かすかを、次回から書いていきます。

 

・・・つづきます。また読んでくださいね

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(この話は、NO.4445のつづきです)

Kevin Wang Photography


購入した家具が部屋におさまりきらずに

悩んでいたお客さまに対して

私は様々な提案を考え、最終的に決めた配置は、
常識にとらわれないものとなりました。

 

一番悩んだのはベッドの位置。

この部屋はワンルームなので、本来なら
手前のスペースにダイニングスペース。
つづいてリビングスペース。
そしてベッドスペースは奥に目立たないように
配置します

そうなると、
婚礼タンスのセットは玄関の目の前
にしか
置けません。

入ってすぐに、背の高い婚礼タンスを並べると、
圧迫感が出て部屋を狭く感じてさせてしまう。
それに何だか夢がない。


そこで、
ベッドは一番手前に配置することに。


ベッドは高さがないので、圧迫感が出ず、

視線も遮られないので、奥の窓まで見渡せて

部屋が広々と開放的に感じられます。

 

奥の掃き出し窓の前にはデスクを配置し

アールヌーボーの美しいランプを置きました。

そこは、部屋に入った時に真っ先に目に入ってくる

フォーカルポイント(見せ場)となりました。

 

提案した配置に
お客さまは大変満足して、

 

「僕は生まれて初めて女性に頼りがいを感じたよ」

 

とおっしゃってくださり、
奥さまもとても嬉しそうでした。

 

以来このお客さまには、新社屋の全家具、別荘の家具など、

家具が必要なときは必ずご指名をいただきました。

 

それから3年後、お二人にお嬢さまが誕生した時には

光栄にも「名付け親になって欲しい」と頼まれました。

また、社名を変えるときも
新社名をつけさせていただきました。



Kevin Wang Photography



いつもいつもお客さまのストーリーに触れることが

できるわけではありませんが、お客さますべてに

人生や生活のストーリーがあります。

そのことを、営業担当は忘れてはいけないと思うのです。

営業にとっては、たくさんいるお客さまの一人であっても

お客さまにとっては一生に一度のお買い物なのですから。

・・・明日もまた読んでくださいね

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(No.44のつづきです)

たくさんの高級家具がぎっしりと納められた
ワンルームの
家具配置をまかせられた私に、
お客さまはお二人のなれそめを話して
くださいました。

 

ご主人さまは再婚でした。

ご夫妻は、ご主人さまの最初の奥さまがホスピスに入院

していたときに知り合ったのでした。

 

そのときの看護師が今の奥さまだったのです。

看護師をしていましたが、
できるだけ人と接しないですむ夜勤の仕事を
選ぶというほど、人づきあいが苦手でした。

しかし、優しく心のきれいな女性なので、
最初の奥さまからも、お子さまたちからも

とても好かれていました。


あるとき、病身の奥さまから

 

「私が死んだら、主人のお嫁さんになってほしい。
主人は優しくて誠実な人だから、
きっとあなたを幸せにしてくれるから」

 

と懇願されたのです。

のちに奥さまは亡くなり、お二人は結婚されました。

お子さまたちも大賛成でした。

 



お客さまからお話を聞いて、私は涙が出るほど
感動しました。

『この家具をうんと素敵に配置して、
お二人にますますお幸せに
なっていただこう。
1つも返品にならないように、
買ってよかったと思っていただけるように』

 

と強く心に誓いました。

 

急いで会社に戻って、私は部屋の図面を起こし、
さまざまな家具配置を考えました。

ただ並べただけ、入れただけでは意味がありません。

使いやすく見た目にも美しい、
最高級の家具が引き立つ
配置を考えて、
何枚も何枚も図面を引きました。

 

・・・明日につづきます。また読んでくださいね

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ある日、ベテランの男性販売員から相談を受けました。


「高級な家具ばかり
1500万円相当をお買い上げ
いただいた
お客さまがいるんだが、

購入してもらった家具が多すぎて部屋にうまく

配置できない。おさまるように配置を考えてほしい」

 

とのことでした。

せっかく納品した家具が返品になることを何とか避けたいと

いう思いがベテラン販売員の表情からは伝わってきました。

 

こちらのお客さまは、会社を経営する50代のご主人と、

奥さまは30歳前後。

親子ほどの年の離れたお二人ですが新婚さん。

結婚に際して奥さまの気にいった家具をすべて
購入したそうです。

 




部屋は60㎡ほどの2LDKをワンルームに改装済。

都内有数の高級住宅地に立つマンションです。

たいへんお金持ちですから、広い新築のマンションが
買えないわけではないのですが、

その場所にこだわりがあったのです。

 
お宅にお邪魔してびっくりしました。

大きくて立派な家具が、ワンルームにぎっしりと
詰め込まれていました。

まるで家具の倉庫のようです。

 

洋服タンス、和ダンス、洋ダンス、半円形カウンターテーブル、

カウンターチェア、クィーンサイズのベッド、ナイトテーブル、

ドレッサー、スツール、デスク、デスクチェア、

3人掛けのイタリア製のソファ、センターテーブル、

ダイニングボード、特大テレビボード、三連の衝立、

衝立、花台、スタンド・・・・

 

部屋の広さに比べて家具の数が多すぎるのは明らかです。

しかも、すべて大型のもの。

 

ソファ以外はどれも、ホワイトシカモアという希少な材料を

使って、一品一品手づくりされたものばかりですが、

これでは不便で生活ができませんし、高級家具も台無しです。

 

「どうしよう・・・・」

 

正直、ため息が出そうになりました。

 

しかし、すべてお客さまが気にいって購入したもの。

1点1点に、奥さまへの愛情が込められています。

入りきらないから返品、というわけにはいきません。

 

ご夫妻から

「何とかよい配置を考えてほしい」

と頭を下げられました。

 

内心は面食らいながらも笑顔で

「はい、おまかせください」

と答えました。


お客さまはほっとされて、お二人が結婚され
るまでの
なれそめを聞かせてくださいました。
それは感動のストーリーでした。

 

・・・ご夫妻には許可をいただいて書いています。

その感動のストーリーはまた明日。

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「昨日買った8万円のリクライニングチェアを
キャンセルしたい」

お得意さまから電話がかかってきました。

 

私が外出中に若い社員が代わりに接客して

いったんお決めいただいたチェアでした。

 

「あとで考えたらなんとなくしっくりこない。

再度選び直したいので相談にのってほしい」

 

という内容でした。

 

実はこの方は女性の公認会計士で、

お金持ちではあったのですが、目立たない

地味目な服装をされる方でした。

ただし、地味でも上質なものを好む方でした。



あらためてご来店いただき、最終的にお求めいただいたのは

65万円のリクライニングチェアでした。

 


最初のチェアの8倍の金額でしたが、

 

「やっぱり貴方に相談してよかった。

毎日、仕事から帰ってきてこの椅子に座るのが楽しみよ」

 

と、とても満足して帰られました。

 

 

若い社員は「あまり高額なものをすすめては悪い」と

判断して、お客さまのニーズを汲み取ることが

できなかったのだと思います。

 

もちろんこれは、高いものを売ればいいという

ことではありません。

 

 

私が以前3,200万円分の家具を売ったときも

 

「こんな高いもの、大丈夫かしら」

 

などとは思いませんでした。

 

「お客さまが長く心地よく使えるものをおすすめしよう」

 

という気持ちでした。

値段ではなく、気にいって長く使っていただけるものを

おすすめするのが一番いいと思っていました。

 

実際にそのお客さまの場合、リビングのソファは

それほど高額なものではありませんでした。

ダイニングセットは500万円ほどのでしたから

それからすれば、本来ならソファも1脚200万円

くらいのものを買っていただくのですが、

実際は40万円のものでした。

 

ソファや一人掛けの椅子は、座ったときに腰が

ぴったりと収まるものが一番いいのです。

お客さまが実際に座ってみて、

 

「あ、これ、座り心地がいいな」

 

とおっしゃったのでおすすめしたのです。

もちろん、品質のよいものでしたが、決めるのは

値段だけではないということです。





高いと感じるか安いと感じるかは、
人によってまったく違います。

営業担当が自分の価値観で
「高いだろう」と考えたり、
「この人はこのくらいの予算だろう」と
勝手に思ってしまってはお客さまに対して
たいへん失礼なことになってしまうのです。


・・・つづきます。また読んでくださいね

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私が働いていた大手家具店は、

一脚 400万円以上するソファや、
1,000万円近くするタンスも扱っていました。

しかし、高級なものばかりではなく、
お手軽なものもたくさんありました。

 

私は、接客するときには
事前に予算を聞くことをしません。

聞いてしまうと、その金額に縛られて、

本当にその方に合うものを見つけにくく

なるからです。


お客さまは気に入ったものであれば、
予算オーバーでも、
喜んでご購入されます。

 
そして、

それが本当の意味でのお客さまのために

なることが多いのです。

 

 

ときどき、若い営業マンが、

 

「こんなに高いものをすすめたら
悪いんじゃないかと
怖くなってしまうんです」

 

と言うことがありますが、

高いか安いかはお客さまが決めること。

販売員が決めることではありません。



そんなときは

 

「高いかどうかを決めるのはお客さま。
自分のお財布で考えてはダメなんですよ。
高いと思ったら逆に失礼です」

 

と伝えます。

 

お客さまにとっては、1脚50万円の椅子でも、

気にいったものであれば、高いとは思いません。

そもそも、いい椅子は100年でも200年でも使えます。

それを考えれば安いとも言えます。

「それよりも、

中途半端なものをすすめたことによって
毎日何となくストレスを感じながら使って、

また数年後に買い替えることになったら、

逆に申し訳ないと思わない?」

 

という話をすると納得してくれます。

 


実際にこんなことがありました。

 

私が担当していたお客さまが、リクライニングチェアを

買いにやってきたときのことです。

 

その日、私はほかのお得意さまのところへ出向いていたため

代わりに若い販売員が応対しました。

いくつかの商品をご案内し、最終的におすすめしたのは

8万円のものでした。

 



お客さまはそれを購入され、配送の手続きもして

帰られました。

 

ところが、翌日私宛に電話が入りました。

その8万円のリクランニングチェアを
キャンセルしたいと
言うのです。

 

・・・つづきます。また読んでくださいね


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家具販売では、会話の中に暮らしの提案を入れることを

大切にしていました。

 

「なぜ、このチェストをお勧めするかというと、

洗濯したものを片手で持ったまま、もう片方の手で楽に

引き出しを開けられますから片付けが早く終わりますよ」

 

「部屋がすぐ散らかってしまう場合は、リビングに

収納家具を置くといいですよ。使う場所としまう場所が

離れていると、モノがどんどん散らかっていきますから」

 

「ご主人様は一日外で経営者として働いて、

疲れて帰ってきたときに、こちらに座ったらいいですよね。

ここからお庭をご覧になったらホッとするでしょうね」

 

このように、お客さまの暮らしを考えて提案していることを、

会話の中に入れると、ただ商品を売りたいのではなく、

一緒になってよい暮らしを考えてくれる人なんだなと

信頼していただけます。


『自分の仕事は単なる家具の販売ではない。
お客さまの幸せな暮らしを提案し販売しているんだ』

と思って仕事をしていましたので、
誇りとやりがいを強く感じることができました。


ご縁ができた方に、心の底から幸せになってほしい、

と思っていれば、それがお客さまに伝わります。

 

信頼を得れば、何を選ぶときにも、

 

「坂本さん、どうしたらいいかな?」

 

「坂本さんはどう思う?」

と頼っていただけるようになり、

やがて全面的に信頼してくれるようになっていきます。

 

「坂本さんがいいと言ったのならいいや。それにしよう」

 

となります。

 

 

営業的には、お客さまに高額なものを買ってもらいたい。

しかし、それが本当にお客さまのためになるのかを

考えなくてはいけません。

 

たとえば、

お客さまが300万円のソファを気にいったとします。

でも、小さいお子さまがいたりすると、

汚さないように神経を使います。

 

そこで、

「これもいいのですが、お子さまのことを考えたら、

ソファはこちらにしておいた方がよろしいかと思います」

 

と伝えます。そして、

 

「お子様がもう少し大きくなってから、

こちらに買い替えても遅くないですよ」

 

という話も入れます。

 

すると、高いものを売りつけようとしないと
いうことで
安心されます。

安心していただくことが信頼に繋がります。

 

安心と信頼に基づいて、お客さまの暮らし方をうかがい、

適切な提案をして、購入を決めていただく―

そんなやり方が結果的に大きな売上げに
繋がっていきます。

・・・つづきます。また読んでくださいね

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一緒に働く仲間の思いがけない行為に、

私はショックを受けて動揺してしまいました。

 

しかし、どんな場合でもお客さまを一番に考えれば、

答はすぐに見えてきます。

 

深呼吸をして心を落ち着けました。

 

「お客さまがご満足いただけるのでしたら、

どちらを決めていただいてもかまいませんが、

私の提案も聞いてくださいませんか?」

 

そう前置きをして、用意していた提案ボードを開きました。



「ソファと椅子を、このようにレイアウトするのが

いいと考えたんです。

なぜかというと、この椅子にはご主人さまが座って

新聞を読んだりテレビをご覧になったりします。

背もたれが高くアームもあるので楽に過ごせます。

 

こちらの椅子にはテニスの練習から帰ってきた
お嬢さまが
足を伸ばして座ります。

 

ご長男はここで宿題をすることもあるでしょう。

 

どの場所からでも、キッチンに居る奥さまと
視線を交わすことが
できますので安心です。

 

ご家族でダイニングテーブルに座ると、
1日の出来事などを
楽しく話し、そして、
リビングではみんなでテレビを見て、
仲良く過ごすというような暮らしを考えたんです。

 

だから、この家具をお勧めしたいし、
この配置にしたんです」

 

と、提案をお話しました。

 

 

すると、説明が終わるか終わらないかのうちに、

 

「それにします!」

 

とお客さまが言ってくださったのです。

 

「そこまで考えていてくれたんですか。

うちの家族の暮らしを考えて、居心地のよさとか、

家族が仲良くできるとか、

そこまで考えて提案してくれたんですね。

それ以上のものはありませんから、それにします」

 

そう言って、決めてくれたのです。

 

温かい言葉に涙腺が緩みました。


買い物をするときには誰でも
気になった商品を実際に使っている
場面をイメージします。

そのイメージが心地よいものであれば、
購入の決心がつきますから、

お客さまのイメージを豊かに広げてさしあげる
ことが大切なんですね。




数年後にお客さまは再来店してくださり、

 

「あの提案は最高だった。あの選択はよかった」

「今でもうちに帰って、自分の椅子に座ると
ホッとできるんだよね」

笑顔でお話してくださいました。
本当にありがたい言葉でした。

 

営業はお人よしではダメ。

理不尽なことがおきるのが、セールスの世界。

何かある都度に傷ついたり、落ち込んだりしない。

どんなことがあっても動じずに、出来事に感謝して

仕事をしていかなくては。

 

様々な経験を通して、

そんな風に考えられるようになりました。

・・・明日につづきます。また読んでくださいね
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お客さまが予想できないような提案を
いつも1つ加えて
いたということを昨日は書きました。
その提案が的を射たものであれば
お客さまは感動して信頼してくださいます。

 


別のお宅のケースですが、
4人家族で輸入住宅を建築中のお客さまでした。

私が担当になり、何度かお店の中を案内して、
いろいろな家具と、
カーテンや照明までほぼ決まって、
次回の来店時には、最終決定をして伝票を
上げることになっていました。

家一軒分、かなりの金額になる予定でした。


ところが、そのお客さまは、
約束とは違う日にいらっしゃいました。

私が休みの日でした。


家にいると、お店から電話がかかってきて、、

「坂本さんのお客さんが来てますけど、どうしますか?」



「え? そのお客さま、今日いらしたのですか。
 次回いらしたときには決めるとおっしゃっていたから、
 すぐに行きます。
 1時間くらいかかりますけど、
 お待ちいただけるかどうか話してください」

「じゃあ、その間、他の人に接客してもらいます」

ということで慌ててお店にかけつけました。




「お待たせしました」

と、代わりに接客してくれていた販売員と交代すると
お客さまの様子が少し違います。

いつものようににこやかにしていらっしゃるのですが、
少し申し訳なさそうです。

明らかにこれまでの雰囲気と違っています。
どうされたのかな、と思っていると、

「今接客してくれた人、すごい人だね。
 海外経験が豊富で、雑誌にも出たんだってね。
 その人が自分だったらこうします、って
  新しい提案をしてくれて、
 それもいいような気がしてきちゃったんだ」



お客さまの目はハートになっていました。

半分、心ここにあらずという感じです。



正直あわてました。


一生懸命対応し、お客さまも私のことを信頼して
くださっていたはずなのに・・・。

どうして?



心臓がチクチクしてきました。

いっしょに働く仲間に、
お客さまを取られるような経験は
それまで1度もなかったのです。


専業主婦歴が長く世間知らずの私は、何かと
初めての経験が多いのですが、
こういうことは特に堪えます。


お客さまには何も悪いところはありません。
私より経験豊富なベテランの販売員が現れたら、
心も奪われることでしょう。



私は気持ちを落ち着けました。

「お客さまが本当に気に入ったものだったら、
それでいいのですけれども」

そう言いつつ、最終的な提案を用意していたので、


「一応、私の提案も聞いてくださいませんか。
そのうえでお決めください。
もちろん、お客さまがご満足できることが一番ですから、
どちらに決めていただいてもかまいません」


私は用意していた提案ボードを広げて、
提案を話し始めました。


・・・明日につづきます。また読んでくださいね

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