一緒に働く仲間の思いがけない行為に、
私はショックを受けて動揺してしまいました。
しかし、どんな場合でもお客さまを一番に考えれば、
答はすぐに見えてきます。
深呼吸をして心を落ち着けました。
「お客さまがご満足いただけるのでしたら、
どちらを決めていただいてもかまいませんが、
私の提案も聞いてくださいませんか?」
そう前置きをして、用意していた提案ボードを開きました。
「ソファと椅子を、このようにレイアウトするのが
いいと考えたんです。
なぜかというと、この椅子にはご主人さまが座って
新聞を読んだりテレビをご覧になったりします。
背もたれが高くアームもあるので楽に過ごせます。
こちらの椅子にはテニスの練習から帰ってきた
お嬢さまが足を伸ばして座ります。
ご長男はここで宿題をすることもあるでしょう。
どの場所からでも、キッチンに居る奥さまと
視線を交わすことができますので安心です。
ご家族でダイニングテーブルに座ると、
1日の出来事などを楽しく話し、そして、
リビングではみんなでテレビを見て、
仲良く過ごすというような暮らしを考えたんです。
だから、この家具をお勧めしたいし、
この配置にしたんです」
と、提案をお話しました。
すると、説明が終わるか終わらないかのうちに、
「それにします!」
とお客さまが言ってくださったのです。
「そこまで考えていてくれたんですか。
うちの家族の暮らしを考えて、居心地のよさとか、
家族が仲良くできるとか、
そこまで考えて提案してくれたんですね。
それ以上のものはありませんから、それにします」
そう言って、決めてくれたのです。
温かい言葉に涙腺が緩みました。
買い物をするときには誰でも
気になった商品を実際に使っている
場面をイメージします。
そのイメージが心地よいものであれば、
購入の決心がつきますから、
お客さまのイメージを豊かに広げてさしあげる
ことが大切なんですね。
数年後にお客さまは再来店してくださり、
「あの提案は最高だった。あの選択はよかった」
「今でもうちに帰って、自分の椅子に座ると
ホッとできるんだよね」
笑顔でお話してくださいました。
本当にありがたい言葉でした。
営業はお人よしではダメ。
理不尽なことがおきるのが、セールスの世界。
何かある都度に傷ついたり、落ち込んだりしない。
どんなことがあっても動じずに、出来事に感謝して
仕事をしていかなくては。
様々な経験を通して、
そんな風に考えられるようになりました。
・・・明日につづきます。また読んでくださいね
※文中の画像はイメージです
ブログ人気ランキング、お陰様で1位です。
今日もポチッと応援よろしくお願いします。