右上の方にについてのアンケートを設置してみました。1日1回投票可能ですので、どしどし投票してみて下さい。o((=゜ェ゜=))o 定期的に設問内容を変更しておりますので要チェック!
------------------------
最近、小難しい話ばかり続いていて大変申し訳なく思うのですが、今回は西部邁氏の『虚無の構造』のまとめシリーズの第7回目をお送りしたいと思います。いよいよ終盤となってきましたね。
前回までのまとめはコチラ
『虚無の構造』
虚無についてhttp://ameblo.jp/claemonstar/entry-11929732472.html
気分についてhttp://ameblo.jp/claemonstar/entry-11960544096.html
生活についてhttp://ameblo.jp/claemonstar/entry-11962571929.html
欲望についてhttp://ameblo.jp/claemonstar/entry-11967560491.html
価値についてhttp://ameblo.jp/claemonstar/entry-11967565052.html
人格についてhttp://ameblo.jp/claemonstar/entry-11967565258.html
それでは、今回は社交についての話です。さっそくいってみましょう(^O^)/。
第6章 社交について―公心なき社会
Ⅰ.社交なき自家撞着
生活において言葉は主に職場と家庭で使われますが、職業的言語は分析的・技術的過ぎて貧弱ですし、家庭的言語は総合的・慣習的過ぎて、その人の言語力はよく分かりません。
そこで、社交の場で言語力が試されるわけですが、そこで発せられるのは多くの職業的言語と少しの家庭的言語のみ。つまり、社交の場においても職場での役割、家庭での役割を引きずってしまっているのが現状です。
これでは活発な社交がなされず言語力も養われません。
社交には一般的に目的がある訳ではありませんが、やはりここでは社交の場を言語力の鍛錬の場として再認識した方がよいのかもしれません。そして、実在あるいは公共心を考慮した言葉遣いがそこで鍛えられていくのです。
そして、また社交の場における会話もニヒリズムの対処法の一つになり得るのではないかと。
Ⅱ.世人の空話
社交の場では一般に世俗のルールが重んじられるが、その平凡なやり取りに甘んじてしまうと「世人」へと堕ちてしまいます。ただ、社交の場自体が少なくなっているのも問題ではありますが。
社交の場で人間関係のバランスを取るのに重要なのは挨拶などの儀礼やマナー(表現方法)だったりしますが、そういう状態できちんとした対話や議論なるものが行われることによって言語力は磨かれていくのです。しかも、それは職場や家庭にもよい影響を与えます。
逆に言語力が衰え、紋切り型の言葉しか使えない状況になると前回の話のように人格が融けていってしまうことになります。
アメリカで発達したディベートは議論を破壊し、社交の場を破壊することに一役買いましたが、社交場の破壊がニヒリストを産み、ニヒリストがさらに社交場を破壊するといった悪循環に陥ってしまっているのです。これを止めるには、この状態を認識しなければならないのです。
Ⅲ.公共心の荒廃
社交場での会話・議論を活発にするにはお互いの立場・役割の交換を繰り返すことが重要なのですが、相対主義に陥らないようにすることに注意が必要です。そのためにも公共心に関する話題を適宜挟み込むことが大事であると。
しかし、公共心に関する話題をうまく挟み込むのにもテクニックが必要です。いきなり唐突に挟み込んでしまうと場をぶち壊してしまいかねません。
話題提供のは入り口としては世論を通じて誰もが知っている話題(事件)や誰もが好奇心を示すであろう秘密(噂話)から入るのがスムーズです。しかし、事件や噂話にのめり込んでしまうとあっという間に世人化してしまうので、あくまでも公共心に関する話題にもっていくためということを忘れないように。
そして、話術として展開するにはやはり普段から使っている言葉が適しており、家庭や職場で使ってきた言葉をうまく融合し、社交の場で展開しなくてはなりません。
また、公共的な話題として政治や宗教に関する話を展開する場合、相互理解のない状態で自分の信を大々的にぶち上げるのも社交の場を破壊することになります。なので、自分の信条は表に余りださず、一般論として話を展開するのがよさそうです。ただし、世論の話を議論の中に組み込もうとしてはいけません。世論の受け売りを社交の場で展開するとニヒリストを量産する結果となってしまいますので。
Ⅳ.「仮想」の社交
高度情報化社会の中において言語の機能のうち表現性・伝達性ばかり重視され、尺度性・蓄積性が軽視されつつある昨今。つまり、自己の内面や歴史に対する意識が薄くなってきているということです。
これでは生きているという実感が薄くなってきてしまいます。
インターネットによる情報交換が活発になり、人と人との結びつきが濃くなるかと思いきや、現状はより孤立感を深める結果となっているといいます。
次から次へとくる情報の波に接しているうちにリアリティが消滅。そして自らの意思も消滅。結局は受動的に情報の波を浴び続ける結果となってしまいます。
そして、インターネットは双方向の意思疎通を可能にするかと思いきや、現実に行われているのは「仕切り屋」による世論操作と情報統制。
しかし、インターネットという仮想の社交場に活力を与えて、それを束ねようとしても、それはファッシズムであり生への抑圧となりかねません。
結果としてリアルの社交場は衰退。そして、社交場は消極的ニヒリストの養成場と化すのでありましたorz。
毎度毎度思いますが、救いのない展開が多い気がするのは気のせいですかね(;^_^A
社交って大切なのかも・・と思われた方はクリックお願いします。
P.S.
リニューアルした進撃の庶民でも引き続き火曜日に『もう一つの進撃の庶民』を連載中です。
http://ameblo.jp/shingekinosyomin/
(他の曜日も漫画「アイドル新党なでしこ」の配信などキラーコンテンツ満載です。応援よろしくお願いします。)
「アイドル新党なでしこ!」の単行本第1巻も好評発売中
アイドル新党なでしこ!1 [Kindle版]遠藤万次郎 (著),香川ヒロ (著)
http://amzn.to/1FKkYWx
P.P.S.
政治や経済についてよく分からない、もっと知りたいという方は下記のエントリーにまとめを作っていますので是非ご覧ください。
政治経済初心者必見!!
http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11932947967.html
くらえもんが今まで解説した本について知りたいという方は下記のエントリーにまとめを作っていますので是非ご覧ください。
くらえもんの気ままに読書まとめ
http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11944673248.html
くらえもんが至高のギャグマンガ「ドラえもん」を独自の視点でおもしろおかしく解説!興味のある方は下記のエントリーへレッツゴー!
くらえもん的ドラえもん解説
http://ameblo.jp/claemonstar/entry-11984784929.html
定番から最新曲まで、様々なジャンルの吹奏楽曲をくらえもんが独自の基準でチョイス。経験者も未経験者も吹奏楽の魅力を堪能あれ。
吹奏楽マニアに捧ぐ