№26
日付:2026/6/27
タイトル:アイ・ワズ・ア・ストレンジャー | I WAS A STRANGER
監督・脚本:Brandt Andersen
劇場名:あつぎのえいがかん kiki スクリーン2
パンフレット:あり(\880)
評価:7

 

いやはや本当に日本人に生まれてよかったと、心からそう思える。平和ボケって幸せです。たまたま生まれた国がシリアだというだけで、こんなにも生と死の狭間で翻弄されることになるのだから。

プロデューサーとして数々の作品を制作する一方で、世界各地の難民支援にも積極的に参加する活動家としても知られるブラント・アンダーセン氏の初監督作品との事。リアリティに裏打ちされた緊迫のサバイバル劇に胸を打たれます。


シリア人医師のアミラが働くシカゴの病院から物語は始まり、彼女がここに辿り着くまでの過酷な経緯を、立場の異なる5人の物語と共に紡いでゆく。

内戦状態にあるこの国で、治療する者と銃を撃つ者、戦火から逃亡する者とそれを金儲けにする者、そして彼らを救助する者。物語はどれも緊張感で覆われスクリーンから目が離せない。5つのエピソードに登場する彼/彼女とその家族の行く末に映画としての見応えを如実に感じながら、やるせない厭戦気分も観る側を支配する。

そしてそのラストで知ることになるアミラの現在。監督が用意した無慈悲な2つの事実に、観客は再び天を仰ぐことになる。

 

世界各地の映画祭で41冠獲得も納得です。冒頭に引用されるW.シェークスピアの戯曲の台詞を現在の問題としてものの見事に映画化したブラント・アンダーセン監督の手腕に脱帽です。平和ボケしていられる我々がその恵まれた状況を再認識する上でも、日本人全員が観るべき作品として推奨致します。

 

他者への攻撃命令を下した国の指導者は全員地獄に落ちると下知してくれたら、この世界がどれだけ平和になることかと、神様に願いたくもなりました。

 

 

 

 

 

 

 

パンフレット

  • イントロダクション
  • あらすじと5つの物語
  • 解説 池上彰(ジャーナリスト)
  • 映画の背景
  • ブラント・アンダーセン監督インタビュー
  • 第74回ベルリン国際映画祭での記者会見
  • キャスト
  • 排斥ではなく、想像を ISO(ライター)
  • コメント
  • メッセージ サヘル・ローズ(表現者)
  • クレジット

チラシ

№25
日付:2026/6/20
タイトル:Michael/マイケル | MICHAEL
監督:Antoine Fuqua
劇場名:シネプレックス平塚 screen7
パンフレット:あり(\1,210)
評価:6

 

実在したポップスターやロック・ミュージシャンの半生を描いた作品って、どうも好きになれない。我々が目にする彼等の姿はあくまでメディアを通しての虚像に過ぎないわけで、そんな彼らが残したエピソードで綴られた伝記まがいの作品が、まるでその実像に迫っているかのような錯覚を与える事に違和感を禁じ得ない。

本作も然り。こういう作品こそ「本作は実話を基にしたフィクションです」と冒頭テロップするべきだと思ってしまいます(←偏屈ジジイ)。

 

という事でスルー予定だったのですが、妻が観たいと言い出して劇場に足を運びました。生前のエピソードに事欠かないマイケルが、紆余曲折を経てソロ・シンガーとして大成功を収めるまでを描いた本作は、どうやら前編的位置付けらしい。

フレディ・マーキュリー@クィーンもそうでしたが、私の世代的にど真ん中のアーティスト。1987年の来日公演も行ってます。正真正銘のドキュメンタリー「THIS IS IT」には涙しました。

 

そして本作。

粋なユニバーサル・ピクチャーズのオープニング・ロゴに始まり、「ボヘミアン・ラプソディ」同様に稀代のスーパースターの数々の名曲が全編にちりばめられている。MJ本人の歌声と甥っ子ジャファーの歌声とが実に自然にミックスされていて、これ以上ないソックリさん振り。

ジャクソン5が世に見いだされ、MJが徐々に頭角を現していくサクセスストーリーと、その陰で彼を苛む父との確執や身体的なコンプレックスが描かれる。「ボヘミアン・ラプソディー」もそうでしたが、彼の数々のヒット曲と伝説的なパフォーマンスの再現が最大の見所であり、その再現振りに感心もさせられる。父の呪縛から逃れ"KING OF POP"の座に駆け上がろうとするMJの心強い味方として登場する彼のボディガード兼運転手や、ソロ・アーティストとしての独立を支える敏腕弁護士の存在の際立たせ方も上手い。

 

なので観に行って損した気にはならなかった。ならないんだけど、なんだかなーって感じです。個人的には。

次作で描かれる彼の終盤の人生は、人気の陰りに加えて様々なゴシップや裁判沙汰も避けて通れない筈。更に興味を失いそうだなと思っていたら、なんと本作は完成後に性的虐待訴訟の和解条件(訴訟について映画などで描写・言及しない)に触れることが判明し、大幅な見直しが施されたとの事(本来3時間超の上映時間も短縮されて今の形になったらしい)。

そんな大人の事情も踏まえた続編が一体どのような形を迎えるのか、ちょっと気になります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大判パンフレット(少しだけ入りきらず)

  • イントロダクション
  • インタビュー ジェファー・ジャクソン
  • キャスト紹介
  • プロダクション・ノート
  • インタビュー アントワーン・フークア監督
  • スタッフ紹介
  • ディスコグラフィー
  • クレジット

チラシ①

チラシ②2つ折り

入場者特典第2弾「特製コレクタブルカード Beat It RED ver.」

№24
日付:2026/6/18
タイトル:TOKYO BURST -犯罪都市-
監督・共同脚本:内田英治
劇場名:シネプレックス平塚 screen6
パンフレット:あり(\1,500)
評価:6

 

予告編と評判の良さで鑑賞意欲が湧いた本作。ちなみに本家「犯罪都市」は全く観ていません。

日本のクライム・アクション作品には欠かせない、新宿歌舞伎町を舞台に繰り広げられる犯罪劇。

最初からテンション高めな暴力シーンのオンパレード。犯罪者側だけでなく警察側も昭和のノリで、暴走族あがりの新米刑事(水上恒司)と韓国から来た敏腕刑事(ユンホ@東方神起)とが、反発しあいながらも事件解決に挑む。最初は水と油の2人が徐々に相手を認め合うという、「48時間」形式な展開も実にオーソドックス。

 

とにかく人を殺しまくる凶悪犯を相手に、この2人が常にステゴロなのはご愛敬。本作におけるアクションの見所は、凶悪犯側の容赦ない殺戮シーンと刑事2人の素手の格闘シーン。特に水上君のプロレスチックなパワー・アクションは、プロの殺し屋と互角にわたりあうところに疑問を感じつつも、見応えはありました。

 

お話がどんどん荒唐無稽になっていく展開に、もうちょっと脚本練って欲しいなとも思いましたが、スピード感あるアクションがこの世界を救ってもいる。福士蒼汰君の悪者役も堂に入っていました。

続編出来たら観に行っちゃいそうです。マ・ドンソク主演のオリジナル版も観てみたくなりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パンフレット

  • イントロダクション
  • ストーリー
  • キャスト・コメント
  • キャスト
  • キャスト・インタビュー 水上恒司
  • キャスト・インタビュー ユンホ
  • キャスト・インタビュー パク・ジファン
  • キャスト・インタビュー 福士蒼汰
  • 水上恒司&ユンホ 対談インタビュー
  • パク・ジファン 日韓のシリーズの架け橋
  • インタビュー 内田英治監督
  • インタビュー 宮地大輔(エグゼクティブプロデューサー)
  • インタビュー アンディ・J・キム(企画・プロデューサー)
  • インタビュー 遠藤肇(フィルムコミッショナー)
  • インタビュー 竹之内努(ロケーションコーディネーター)
  • プロダクション・ノート
  • スタッフ
  • 音楽
  • クレジット

チラシ

入場者プレゼントのフィルム風しおり

この年の劇場鑑賞は19本。

ビートルズ作品のリバイバル上映が行われた年。パンフレットも作成されていたので全国的なイベントだった筈。

でもこの年一番印象深いのは、高校受験の第一志望に落ちた私を深夜のレイトショーに連れて行ってくれた父と観た06と07。どちらも佳作だった。父さん、ありがとう。

 

1977年鑑賞作品一覧:

01 キング・コング

02 激走!5000キロ

03 ビートルズ/レット・イット・ビー

04 ビートルズがやってくる ヤァ!ヤァ!ヤァ!

05 ヘルプ! 4人はアイドル

06 シャーロック・ホームズの素敵な挑戦

07 パニック・イン・スタジアム

08 白鳥の王子

09 ロッキー (2)

10 家

11 スティング 

12 ビートルズ/シェア・スタジアム

13 ビートルズ/イエロー・サブマリン

14 ビートルズ/マジカル・ミステリー・ツアー

15 がんばれ!ベアーズ

16 宇宙戦艦ヤマト  new!!

17 人間の証明

18 アメリカン・グラフィティ

19 サイボーグ009

 

※()内は観た回数

 

 

№16

日付:1977/10/2

タイトル:宇宙戦艦ヤマト

監督:舛田利雄

劇場名:福岡中州ピカデリー2

パンフレット:あり(価格不明)

評価:-

 

「ヤマト」の放送開始は1974年10月なので、当時の私は中1。日曜の夜7時半といえばカルピスまんが劇場だった我が家は、当然「アルプスの少女ハイジ」派で「ヤマト」は観ていなかった。その後何度も再放送を繰り返しながら、ついには劇場版が公開されるという前代未聞のブームを巻き起こすのですが、結局私がTVシリーズをちゃんと一通り観たのは、昨年末にWOWOWが放送してくれたのが初めて。初放送以来、実に半世紀が経っていたのでした。

 

元来アニメ好きなのと、当時の「ヤマト」ブームに背中を押されて、ファンでなくても劇場に足を運びましたが、TVシリーズのダイジェスト版はこれといって楽しめるものではなかった。

 

2026年6月13日

WOWOWライブ放送(2026/1/3)分を鑑賞。

当時のTVアニメのクオリティはお世辞にも褒められたものじゃなかったし、それは「ヤマト」も然りなのですが、昨年末にTVシリーズを一気見して思ったのが、今観てもなかなか面白い。ヤマトが九州沖の海底から浮上するシーンに(今更ながら)心躍り、イスカンダルまでの往復の旅路で繰り広げられるガミラスとの戦闘に用意された様々な駆け引きに感心もしてしまう。たった1隻の戦艦が大軍に挑みながら、どんなに破壊されても翌週には綺麗に直っている不思議も難点と感じさせなかった。

 

TVシリーズ鑑賞後、半年経ってからの鑑賞となりましたが、当時も今もダイジェスト版はダイジェスト版でした。旅立ちから帰還までの全26話を2時間ちょっとに編集するのだから、主要なエピソードを駆け足で紹介しながらナレーションでつないで、少々の矛盾には目を瞑るという仕上がり。

改めてこの「総集編」は初めて作品を観る人のためにあるのではなく、TVシリーズで「ヤマト」の沼にハマったファンが、その感動を追体験するためにあったのだと認識出来ました。

そして本作以降、TVシリーズを編集して劇場で公開するという安易で映画を馬鹿にしたようなアニメ作品が大量に生み出されることになるのでした。

 

 

 

 

 

パンフレット

  • クレジット
  • 企画意図
  • キャラクター
  • ストーリー
  • ヤマトの艦内
  • ヤマトの機能 ここが、こう変わった
  • ガミラスの主な武器
  • 製作者からのメッセージ
  • 銀河のしぶきを浴びながら 小野耕世
  • ガミラス星/イスカンダル星
  • プロデューサーのメッセージ
  • ヤマト・ニュース
私の記憶では、公開時に通常のパンフレットと、海外版の英語のパンフレットが販売されていて、両方を購入したつもりだったのですが、海外版は今のところ見当たらず。