№18
日付:2026/5/15
タイトル:サンキュー、チャック | THE LIFE OF CHUCK
監督:Mike Flanagan
劇場名:109シネマズ湘南 シアター7
パンフレット:あり(\1,100)
評価:5.5

 

劇場で観たスティーブン・キング原作の作品を振り返ってみると、「シャイニング」「クリープショー」「スタンド・バイ・ミー」「ショーシャンクの空に」そして本作(あとはTVシリーズ「キャッスルロック」くらい)。決して数は多くないし監督も様々なので、スティーブン・キングの世界を把握できているとは言い難い。

 

そんな私でも、本作で描かれる“世界”≒“宇宙”の成り立ちに唸らされた。この人の頭の中を覗いてみたい。その想像力と発想力が生み出す刹那の物語。人ひとりが脳内に抱える世界が∞の宇宙と同等の広がりを持った時、この奇妙な世界の住人達が人生の素晴らしさと生きる切なさとを紡ぎ出す。

 

監督のマイク・フラナガンはこれまでもスティーブン・キング作品の監督や脚本を担当していますが、ホラー系作品がお得意のようで。本作ではそんな気配を出すことなく、チャールズ・クランツと彼に関わった人々の人生を描き切っている。ただちょっとモノローグに頼り過ぎな点が気になりました。原作の方はそんな事ないとチャッピーが言っていたので、一度読んでみようと思います。

 

 

ロキ!

 

 

マーク・ハミル!

 

 

 

 

パンフレット

  • イントロダクション
  • 第3章 ありがとう チャック
  • キャスト・インタビュー/プロフィール キウェテル・イジョフォー
  • キャスト・プロフィール カレン・ギラン
  • 第2章 大道芸人サイコー
  • キャスト・インタビュー/プロフィール トム・ヒドルストン
  • キャスト・プロフィール ザ・ポケットクイーン&アナリース・バッソ
  • マイク・フラナガン監督インタビュー
  • 第1章 私の中には無数の人が存在する
  • キャスト・プロフィール ベンジャミン・パジャック&ジェイコブ・トレンブレイ&マーク・ハミル
  • ダンスが運んでくる人生の記憶 山崎まどか(コラムニスト)
  • アメリカ、アメリカ、アメリカ! 金原端人(翻訳家/児童文学研究家)
  • 原作者
  • 監督
  • 『サンキュー、チャック』マイク・フラナガン論 小林真里(映画評論家/映画監督)
  • きっとムーンウォークがしたくなる、読んでも、観ても 高山真由美(翻訳家)
  • クレジット

 

№17
日付:2026/5/10
タイトル:ひつじ探偵団 | THE SHEEP DETECTIVES
監督:Kyle Balda
劇場名:シネプレックス平塚 screen2
パンフレット:あり(\990)
評価:5.5

 

予告編と、なんとなく評判も良さそうなので観に行った1本。さすがに一人で観る気が起きず、妻を誘って鑑賞(娘には断られた)。「ミニヨンズ」シリーズの監督だそうですが、そっちも(面白そうだとは思いつつ)観た事はない。やっぱり最後の決め手はヒュー・ジャックマンでしょうか。

 

その彼は早々に被害者としてあの世へ旅立ってしまうのですが、予告編の通り事件の究明に乗り出す羊たちのキャラクターと、探偵物としてしっかりした筋立てが用意されているのと、最後はホロリとさせる人(羊?)情劇なところも良く出来ていて、評判が良いのも納得です。もう少し前半のテンポが良ければ尚良しなのですが、終わり良ければ全て良しという感じ。笑いに繋がるコミカル度は、それを期待して観に行くと、こんなもんかになっちゃうかも。

 

擬人化された動物やおもちゃが活躍する作品において、人間との関わり具合をどう描くか。基本人間の前では物言わぬ玩具であったり賢いペットや畜産動物の体(てい)を貫く中、本作においては人間様に謎解きを指南するという動物側の人知を超えた越権行為が、この手の物語を成立させるルールを逸脱している気もしました。まぁそんなに目くじら立てる事でもありませんが。

 

 

 

 

 

パンフレットは25×25cmの大判で自宅のスキャナーに収まらず(実物は正方形)

  • イントロダクション
  • ストーリー
  • インタビュー ヒュー・ジャックマン
  • キャスト
  • コメント エマ・トンプソン
  • スタッフ
  • ひつじ探偵団
  • 迷わない、忘れない、沈黙しない! 驚異の完成度で描かれる、ひつじたちの成長譚 SYO(物書き)
  • 愛ともふもふの推理ロジックで綴る、新しいひつじたちの肖像 杉浦みな子(サブカルライター)
  • ミステリー映画史上、前代未聞の名探偵登場! 小山正(映像制作者/ミステリー研究家)
  • プロダクション・ノート
  • 日本語吹替版キャスト・コメント
  • クレジット


チラシ

№16
日付:2026/5/6
タイトル:SAKAMOTO DAYS
監督・脚本:福田雄一
劇場名:シネプレックス平塚 screen2
パンフレット:あり(\1,100)
評価:5.5

 

福田雄一監督による人気漫画実写化シリーズ最新作は再び週刊少年ジャンプの人気連載漫画から。

相変わらず3次元化のクオリティが高くて、先ずその点において原作の世界観を損なわない。オープニングもイカしてる。アクション・シーンはタッグを組んでいる田渕景也アクション監督が今回も切れ味とスピード感のある殺陣を披露。最近は原作の方も登場人物がサイボーグ並みに人間離れしているので、本作での不死身度合いは原作に忠実と言える。

今回福田ギャグのブッコミは気持ち控えめ&相乗効果も少なめで、それはめめを筆頭に登場人物を演じた俳優さんの資質に依るものと思われます。福田組レギュラー陣は、そのキャラに相応しい登場人物が見当たらず友情出演的に現れるも、本来の力を発揮するには至っていない(むしろスベリ気味)。満足度がイマイチ上がらない一因にもなっている。

 

どう見ても続編を視野に入れているようなので、であれば第1作としては登場させるキャラをもう少し控えてもよかったのではとも。少々詰め込み過ぎな気もした(まぁ各キャラの原作相似度を比べるのも福田作品の楽しみではありますが)。

とはいえそこそこ楽しめました。続きも楽しみです。

 

そっくり

 

そっくり

 

うーん、、、

 

可愛いから許す

 

 

特に匠海君がそっくり

 

そっくり!

 

人里離れた研究所の脇を地下鉄が走ってるとかちょっとね

 

 

パンフレット

  • イントロダクション
  • キャラクター紹介
  • ストーリー/相関図
  • 目黒連インタビュー
  • 高橋文哉インタビュー
  • 上戸彩インタビュー
  • キャスト・コメント 横田真悠/戸塚純貴/八木勇征/生見愛瑠/北村匠海/塩野瑛久/渡邊圭祐/志尊淳
  • キャスト
  • WELCOME TO SAKAMOTO STORE
  • TARO SAKAMOTO BEFORE & AFTER [特殊メイク・特殊造形総括 坂林勇貴]
  • 福田雄一監督インタビュー
  • 田淵景也アクション監督コメント
  • 高金幸司[VFXスーパーバイザー]コメント
  • スタッフ・プロフィール
  • 鈴木祐斗(原作者)インタビュー
  • プロダクション・ノート
  • テーマ・ソング
  • クレジット

チラシ①

チラシ②

№15

日付:2026/4/25

タイトル:オールド・オーク | THE OLD OAK

監督:Ken Loach

劇場名:あつぎのえいがかん kiki スクリーン1

パンフレット:あり(\1,000)

評価:6

 

わたしは、ダニエル・ブレイク」以来となるケン・ローチ監督作品。晩年は市井の人々目線で社会問題を描き続けている監督さんですが、今回移民問題を取り上げるにあたっては先の作品同様に、自分も大変だけれど自分より苦しい人達のために汗をかく主人公を登場させて、その信念を描いている。

 

同じ島国同士ですが、移民受け入れの歴史は英国の方が長く複雑でもある気がします。「カセットテープ・ダイアリーズ」なんかでもパキスタン系の移民を両親に持つ主人公が迫害を受けるシーンがありましたし、インドやパキスタンというかつての植民地とのつながりが移民に寛容である分、拒絶反応を生じる機会もより多く過激にもなってしまうような。

日本においてはそもそも受け入れる全体数が欧米に比べ桁違いに低いのと、「郷に入れば郷に従え」の精神と日本の美徳とがより高いハードルとなって軋轢を生んでいる気がします。私はというと、直接的な迷惑を被った事がないので、ヘイトまがいの攻撃や中傷には嫌悪感しか持ちえない。それに迷惑行為を行う不埒者がいたとして、それを移民全体の責任に置き換える批判自体容認しがたいです。

 

本作においては、外野は一人も登場しない。かつて炭鉱町として栄えたこの町の住人とこの町への移住者が、どちらも国や政治に裏切られた思いを抱えながら、弱者が弱者を拒絶する構図を描いている。

デイヴ・ターナー演じるT.J.は何故そうまでして移民たちを支援するのか、その辺は不明で彼にとって“当たり前”の事として描かれている。また移民たちは寂れた英国の田舎町で慎ましやかに生活を送り、そこに迷惑行為は存在していない。この点は洋の東西を問わずどの作品にも共通していて、国や先住民が心の狭い“悪者”として描かれるのを観客として無条件に受け入れてよいものか、悩ましく感じるところでもあります。

 

本作のラストは、御年89歳のケン・ローチ監督の希望と理想と願いが込められているようでもあります。「慈善でなく、連帯だ」というT.J.の言葉が胸に刺さります。「わたしは、ダニエル・ブレイク」を再度観返してみたくもなりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

ケン・ローチ監督

 

パンフレット

  • イントロダクション
  • ストーリー
  • ケン・ローチ監督インタビュー
  • 監督プロフィール&フィルモグラフィー
  • インタビュー レベッカ・オブライエン(製作)
  • スタッフ・プロフィール
  • パブ=公共の家は誰のもの?真の「連帯」への呼びかけ 河野真太郎(イギリス文学・文学研究)
  • キャスト・プロフィール
  • 脚本家ポール・ラヴァティによるプロダクション・ノート
  • それでも“シュクラン”のひと言を 秦早穂子(映画評論家)

チラシ

№14
日付:2026/4/18
タイトル:かもめ食堂
監督・脚本:荻上直子
劇場名:小田原コロナシネマワールド SCREEN8
パンフレット:あり(\1,500)
評価:6

 

めがね」以降、「トイレット」「レンタネコ」「川っぺりムコリッタ」「波紋」と徐々に荻上監督との距離が開いていったのですが、「めがね」の前作にしてこの監督の代表作でもある本作をリバイバル上映で観賞出来ました。

 

北欧フィンランドのヘルシンキを舞台に、日本人女性が開いた食堂に集う人達が紡ぐ物語。アキ・カウリスマキ作品を彷彿させるような色彩美が印象的です。突如現れた日本人によるレストランを訝しく思う地元の方達が、少ーしずつお店を受け入れてくれる様子が、なんともほっこりと描かれている。

なにしろ20年前の作品ですから小林さんも片桐さんももたいさんもお若い。中でも小林聡美さんがとても素敵で、本作の魅力の一つでもあります。

 

かもめ食堂で提供するのは、とんかつ定食や唐揚げ定食や焼鮭定食やおにぎりといった日本食。昨今のインバウンドでとんかつ屋さんやおにぎり屋さんが大ブームになっているのを予見しているかのようです。本作で描かれるruokala lokkiの魅力は、今まさに世界中の人達が感じている日本の魅力そのもの。すごいな荻上監督。

 

映画というのは、論理的な部分と情緒的な部分との折り合いをつけるのがなかなか難しい表現手段なのだと思います。最近の荻上作品はどこかそのバランスが悪い気がする(特に論理面)。いつも「かもめ食堂」のような作品ばかりを撮っているわけにもいかないでしょうしね。でも本作を観るとやっぱり次回作に期待しちゃいます。

 

 

 

 

 

パンフレットは早々に売り切れていて、Filmarksのオンライン・ショップで注文中

 

入場者特典のネームタグ

パンフは売切れなのにこっちはまだあるって、これ如何に

 

どちらも公開当時のアイテムを、可能な限り当時のまま復刻しているのだそう。Filmarkさんのリバイバル上映プロジェクトはこういう点のこだわりが徹底していて嬉しい限りです。