№24
日付:2024/6/9
タイトル:宗方姉妹
監督・共同脚本:小津安二郎
劇場名:TOHOシネマズ小田原 PREMIER
パンフレット:なし ※キネマ旬報社刊「午前十時の映画祭14」(\1,400)あり
評価:9

 

昔は銀座並木座(1998/9/22閉館)が毎年お正月に小津さんの作品を上映してくれていて、足を運んだものでした。昨年の生誕120周年のイベントも期待した上映イベントがなく、「午前十時の映画祭14」で2本の小津作品を取り上げてくれたのはとても嬉しい。

 

晩春」と「麦秋」の間にこんな作品が挟まっていた事に驚きを感じます。古風な姉と奔放な妹。2人の姉妹を中心に、基本何も起きない小津作品にしてはなかなかの小競り合いが生じる本作。カメラが移動したり(ほんの少しですが)、暴力的だったり、殺伐としたシーンであってもいつもの牧歌的な音楽が流れていたり、小津作品らしからぬ単語がセリフに含まれていたりと、興味深かったです。

田中絹代さんと高峰秀子さんが演じる、両極端に対照的でいながらも仲の良い姉妹の節子と満里子ですが、高峰さん演じる満里子のはっちゃけたキャラクターが本作最大の魅力。数ある小津作品の中でも強烈な印象を残す女性の1人でした。