日付:2026/9/23
タイトル:KOKI MITANI’S SHOW GIRL vol.3『ショーガール~きみは最高~』
脚本・作詞・構成・演出:三谷幸喜
劇場名:渋谷PARCO
パンフレット:あり(\1,000)
評価:6.5点

 

シルバーウイーク最終日に妻と観劇。

2014年に始まった三谷幸喜版ショーガール。これまで2014年、2016年、2018年、2020年と観に行って、今回は6年振りかつ“新作”としては8年振りのお目見え。毎回不思議と良席に恵まれる公演なのですが、今回も前から5列目のE列という絶好の鑑賞ポジション。勿論今回もシルビア・クラブさんと川平慈英さんのエンタテイナー2人による極上のショータイムを堪能しました。

 

14時きっかりに「アメリカン・ドリーム」の関谷春子さんによる上演前のアナウンスが流れて始まった本公演。前半のコミカルな寸劇、後半の歌謡ショーという構成はこれまで通り。歴史上の著名人とその妻(もしくは夫)のエピソードを2人が演じる前半のコメディ・パートは、爆笑の連続とまではいかなかったけれど、それなりに笑いの渦を巻き起こしていた。

スタンダード・ナンバーがオンパレードな歌とダンスの後半、J.カビさんの「涙そうそう」にグッときました(川平さんも涙ぐんでいるように見えた)。

そしてこの日一番の盛り上がりが、ショーの終盤に訪れる。「最後にもうひと盛り上がりしようぜ」と川平さんが観客に呼び掛けたタイミングで流れた、段取りとは異なるバースデーソングと、唐突に花束を手に登場する三谷さん。私は全然知らなかったのですが、この日は川平慈英さんの64歳の誕生日なのでした。三谷さんからの温かい感謝と祝福のメッセージ(その中で川平さんが故・福田陽一郎氏の“愛弟子”だと知りました)に、今度はホン泣きの川平さん。観客席も大盛り上がりとなりました。観劇したのがこの日で良かった!

終演のアナウンスも関谷春子さん。上演時間1時間45分。

 

 

 

 

 

 

 

 

パンフレット

  • Music List
  • メッセージ 三谷幸喜
  • 対談 川平慈英 × シルビア・グラブ
  • 対談 三谷幸喜 × 荻野清子
  • インタビュー 本間憲一(振付)
  • the history of SHOW GIRL
  • スタッフ

フライヤー

 

これまでの「ショーガール」

KOKI MITANI'S SHOW GIRL

「ショーガール」 ~こんな出会いも悪くない~

「ショーガール」 ~こんな出会いも悪くない~ ②

「ショーガール」vol.2 ~告白しちゃいなよ、you~

ショーガール~告白しちゃいなよ、you(Social Distancing Version)

 

№42
日付:2026/9/21
タイトル:ルックバック
監督・脚本・編集:是枝裕和
劇場名:小田原コロナシネマワールド SCREEN3
パンフレット:あり(\2,000)

評価:8

 

アニメ版の完成度を踏まえると、なんで今になって実写版を?と思った本作。是枝監督作品じゃなかったら多分観に行かなかった。

鑑賞前に勝手に抱いていた、そんなネガティブなイメージは、ほどなく払拭される事に。一番の難関は予告編でも感じた2人が出会うシーンだったのですが、そこを乗り切った後は、スクリーン上の情感豊かなシーンの連続に只々惹き込まれた。

 

原作のひとコマが持つ情報量は絶妙な匙加減で実写に変換・再現され、原作のコマとコマの行間を紡ぐ時間の流れはエモーショナルな映像と音楽で紡がれている。最近今田美緒さんや出口夏希さんの出演作を観ていて、ただ美形なだけではない、女優さんとしての魅力に惹かれ続けている私ですが、本作の出口さんも蒔田彩珠さんも、藤野と京本をナチュラルに好演。是枝監督は演じる女優さんが持つ雰囲気や魅力を引き出すのが本当に上手い。

原作既読なだけに、これから起こる出来事は判った上での鑑賞となりますが、本作に限っては、それがプラスに働いたようにも思えました。

 

じゃあ

藤野ちゃんは

なんで

描いてるの?

 

という京本のこの問いへの答えを、本作はちゃんと描けてもいた。評価は敢えてアニメ版と同じ点数にしました。

是枝監督作品としては「海街ダイアリー」に次いで好きな作品となりました。

 

気になったのが、うちの近所の映画館が公開当初から軒並みどこもガラ空きな点。興行成績大丈夫なのかしらと、佳作なだけに心配になりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

パンフレット
2千円もしますが、読めば内容に納得。レビューやコラム記事がないのも正直嬉しい

  • イントロダクション
  • ストーリー
  • インタビュー 七瀬ふうり(藤野歩役)
  • インタビュー 岡田六花(京本奏役)
  • キャスト紹介/コメント
  • 「メタルパレード」ネーム
  • インタビュー 出口夏希(藤野歩役)
  • インタビュー 蒔田彩珠(京本奏役)
  • インタビュー 是枝裕和(監督・脚本・編集)
  • インタビュー 上野千蔵(撮影)
  • インタビュー 冨田和彦(録音)
  • インタビュー 久野遥子(撮影)
  • インタビュー 坂東祐大(音楽)
  • 劇中に登場する4コマ漫画集
  • 原作の『シャークキック』からイメージして描かれた映画オリジナルのネーム
  • 藤野キョウ読切作品の原稿の一部と、『シャークキック』設定画&コミック表紙集
  • インタビュー 藤村緋二(漫画監修・指導・制作)
  • 藤野の部屋と京本の部屋
  • プロダクション・ノート
  • スタッフプロフィール
  • 対談 藤本タツキ × 是枝裕和
  • クレジット

入場者特典(第2弾)のSpecial Booklet Volume1

  • イントロダクション
  • 登場人物
  • 特別対談1 藤本タツキ × 是枝裕和 <創作談義編>
  • 特別対談2 是枝裕和 × 出口夏希
  • 特別対談3 是枝裕和 × 蒔田彩珠
  • 作中原稿解説『メタルパレード』
  • 藤野キョウ 読切作品 一部解説
  • 『メタルパレード』作家(西村野道)コメント
  • 「メタルパレード」 藤野キョウ

チラシ①

チラシ②二つ折り

№41
タイトル:ヒンド・ラジャブの声 | THE VOICE OF HIND RAJAB
監督・脚本:Kaouther Ben Hania
劇場名:あつぎのえいがかん kiki スクリーン2
パンフレット:あり(\1,000)
評価:ー

 

中東各国で繰り返される紛争を題材にした作品を観る機会が増えている昨今ですが、昨年観た「ノー・アザー・ランド 故郷は他にない」に続いて公開された、ガザ地区の今を描いた作品。「ノー・アザー・ランド」はドキュメンタリーでしたが、本作はそうではないし、かといってフィクションとも言い切れず、「リアリティ」という映画が用いた手法に近い。ヨルダン川西岸地区ラマッラーにある人道支援組織「赤新月社」の緊急通報センターに届いた少女からの実際の音声を用いた、緊迫の救出劇をスクリーンに再現。

 

「Save the Children」HPより

 

少女とコンタクトをとるオペレーターと、関係各所との調整役とが救助隊の出動をめぐり火花を散らす。車で僅か8分先のガソリンスタンドで助けを待つ少女の声と、その背後で響く銃声をオペレーターと共有する観客は、二次被害を恐れ救助隊の安全確保を優先する調整役の当然の判断との間でジレンマに苛まれながら、事態の推移を只々見守るしかない。“世界が傍観した6歳の少女の声”という本作のキャッチコピーが胸に刺さる。

 

赤新月社の全メンバーが、そして観客が無事を願いながら迎える救出劇の結末。ここで描かれる事実をただ傍観するしかない平和ボケした日本人に出来ることは、この作品を日本中の子供たちに観てもらう事くらいではなかろうか。パンフレットのインタビュー記事で、カウテール・ベン・ハニア監督はこう語っていました。

「『火垂るの墓』には、言葉にならないほど心を動かされたことを覚えています。地理的には離れた国の物語ではあるけれど、そこには確かな人間同士の繋がりがある。『火垂るの墓』を愛する人なら、『ヒンド・ラジャブの声』にも繋がりを見出してくれると信じています」。

 

本作に点数をつける事など私には出来ませんでした。

 

 

 

 

パンフレット

  • 受賞歴
  • イントロダクション
  • ストーリー
  • ヒンド・ラジャブの事件について
  • 第82回ヴェネチア国際映画祭授賞式 カウテール・ベン・ハニア監督声明文 2025/9/7
  • カウテール・ベン・ハニア監督 オフィシャル・インタビュー
  • カウテール・ベン・ハニア監督 オンライン・インタビュー by ISO
  • 真実の反論/パレスチナ問題とメディア 高橋和夫(先端技術安全保障研究所会長)
  • ヒンドの「声」に応答すべきは誰か 安田菜津紀(NPO Dialogue for People副代表)
  • 現実と映画の境界で、不条理を暴く ISO(ライター)
  • 戦闘場面を見せずに戦争の実相を描ききった意欲作 きさらぎ尚(映画評論家)
  • コメント
  • キャスト
  • スタッフ
  • パレスチナ赤新月社メンバー
  • 本編の最後に出てくる写真について
  • あとがき ヒンド・ラジャブの母親の声明
  • クレジット

№40
日付:2026/9/17
タイトル:ファーストボイス ―私たちの逆転裁判―
監督:前田哲
劇場名:109シネマズ湘南 シアター3
パンフレット:あり(\)

評価:5

 

109シネマズの試写会で鑑賞。

世の中の常識というのは時間をかけて変わってゆくもの。喫煙ルール、飲酒運転、お茶くみが当たり前だった女性の一般職採用に寿退職、、、私自身、過去は路上で煙草を吸っていたし飲酒後の運転もしていましたが、今では絶対にありえません。

そんな常識の壁を打ち破ろうと、勝算のない勝負に挑んだ女性弁護士たちの痛快裁判劇を目指した(と思われる)本作。ただ大事な部分、原告の痛みであったり弁護士たちの戦略だったりが、全然描けていないように思えた。

 

あくまでもここで描かれているのは性被害ではなくセクシャルハラスメント。不当解雇に憤る元編集者の上原恵(ファーストサマーウイカ)が最後に頼った弁護士と共に長い戦いが幕を開けるのものの、当時の世相と共に描かれる彼女たちの奮闘振りが、映画の面白さに転換できていない。恵が支援者との初の会合に向かう際の出来事はまさにその象徴で、観ていて響いてこないし恵の苦悩に共感もできない。法廷シーンにおける検事と弁護士の論戦も極めて凡庸で、裁判劇としても見所がない。豪華出演者を揃えておいてこの演出の拙さは、昭和の角川映画を思い起こさせた。

 

事前情報なしで観に行っても、結末は容易に想像がつく本作。予定調和に向かう過程が実に平凡というかありきたりというかなぞった感ばかりで見応えに欠ける中、クライマックスに用意された(きっと事実に基づいたであろう)エピソードと、綾瀬はるか嬢が最終弁論でふるった熱弁が、本作を救っていた。

ただそこに至るまでの物語の大半に観るべき所がなかった私には、試写会で良かったと思えたのでした。

エンドロールで流れるちゃんみなの曲がイカしてた。

 

 

 

 

 

 

 

 

チラシと

二つ折りのプロダクション・ノートが書かれたシートが、試写会入場時に渡された特典

この年の劇場鑑賞は8本。

これだけ本数が少なけりゃ、そうそうハズレがある筈もないと思いつつ、当時本当に満足したのって、08くらいじゃなかろうかと。

期待とのギャップがあったのが04と06だったのですが、この2本とも、後年観返して愛すべき大切な作品となりました。そして最近観た03も、懐古主義でもなければ回顧バイアスがかかっているわけでもないのですが、何故だか当時よりも今の方が惹かれました。

02は同じようなテーマの邦画に比べ、さすがの出来だった。

 

1989年鑑賞作品一覧:

01 ダイ・ハード

02 告発の行方
03 カクテル  new!!

04 彼女が水着にきがえたら 

05 インディ・ジョーンズ/最後の聖戦

06 魔女の宅急便 

07 007/消されたライセンス

08 ブラック・レイン