読書が妊婦に与える影響 〔ルドルフ・シュタイナー〕 | 瑞霊に倣いて

瑞霊に倣いて

  
  『霊界物語』が一組あれば、これを 種 にしてミロクの世は実現できる。 
                            (出口王仁三郎)  

 “今日、妊娠中の女性が読むにふさわしい本は、一冊もありません。

 最近、私はバーゼルで本屋に立ち寄りました。黒人文学の新刊が置いてありました。黒人がしだいに、ヨーロッパ文明の中に入ってきているのです。人種差別をしているわけではないのですが、いたるところで飛び跳ねるような黒人のダンスが上演されています。いまや、黒人文学まであるのです。それはものすごく退屈ですが、人々はむさぼり読んでいます。

 黒人文学がもっと出版され、妊娠中の女性が黒人文学を読むなら、どうなるでしょう。

 黒人文学を読むことによって、ヨーロッパの子どもたちは単調になり、混血児のような髪、混血児に似た姿になります。黒人がヨーロッパに来て、混血児を生ませる必要はないのです。

 「精神文化のなかに含まれるものが、今日まったく注意されていない」と、言わねばなりません。私たちが読み、物語るもののなかに、しだいに健全な教育が浸透していくことでしょう。

 そうしたら、いつか、妊婦のための小説が書かれるでしょう。その小説を妊婦が読むと、美しい人物を思い浮かべることになり、強くて美しい子を生むことになります。

 女性が妊娠中に頭の中で行なうことが、下腹部で生じる活動の誘因になります。妊婦は自分が思い描くもの、感じるもの、欲するものから、子どもの形態を作りあげます。

 ここで、精神科学が明瞭に理解されます。もはや、「精神は人間に影響しない」とは言えません。人間は一生のあいだ、のちに教育によって訂正されないかぎり、母親が妊娠初期に行なったことの影響下にあるからです。妊娠初期以降は、そんなに重要ではありません。すでに人間は、一定の形態に形成されているからです。妊娠初期は特別重要で、意味深いものです。母胎のなかの胎児の物質的な起源を知ると、精神科学の真理が開示されます。

 本当に理性的に考えれば、「上方から流れてくる熱と、下方から流れてくる冷えが、正しく出会わねばなりません。上から来るものが、下からくるものと、正しい方法で出会うことが分かるにちがいありません。

 妊婦が精神的・心魂的に体験するものが影響して、子どもが大きな顔になったり、小さな顔になったり、心臓がだめになったり、呼吸がだめになったりするということが、明らかになります。そうすると、「人間は精神・心魂の影響を受けている」ということが分かります。”

 

(ルドルフ・シュタイナー「人智学から見た家庭の医学」(風濤社)より)

 

*昭和初期にエロ・グロ・ナンセンスなるものが流行ったことがありましたが、戦後の日本人の精神の荒廃について考えると、何だかそのあたりに原因があるように思います。日本でもシュタイナーの幼児教育に関心をもっておられる方は多いようですが、より重要なのは胎教です。

 

・エドガー・ケイシー

 

 “覚えておきなさい。人は、瞑想したり、祈ったり、求めることで、偉大な魂をこの世に招き入れるための環境を作り出しているということを。

 なぜなら、妊娠期間には、生まれ来る子供に対して責任を持つ人たちの態度や、子育ての務めを引き受けようとする人たちの姿勢が、彼ら自身にとって、また他の人たちやこの世界にとってすら祝福となり得る偉大な魂を招き入れるかもしれないからだ。

 昔からいわれているように、この世に子供をもたらす人々はまことに祝福された人々である。(540-7)”

 

 “子供は何歳くらいから教えたり、しつけを始めるべきだろうか。

 妊娠の何か月も前からだ。その影響力は完全なる賜物の与え主に全く属するものである。(5752-2)”

 

 “ある人たちが述べているように、ハイアラーキー(霊的階層組織)は地球での経験を通して魂が進化向上することを忘れているわけではない。それゆえ、そのような(ハイアラーキーの干渉による)霊的進化が稀だというわけではない。しかし、より自然な霊的成長は、そのような魂をゆだねられた人たちの交流や祈り、献身を通して行われるものである。

 なぜなら、これまでも述べてきたように、生まれる機会を求めている実体の側に、ある種の選択があるからだ。この物質世界、物質性の中にあっては、しばしば自らの霊的意義を否定するような仕方で躾けられたり、教え込まれている。

 魂がこの世に入ってくるのは霊的成長のためではないだろうか?

 ただ単に物や心や肉体の充足のために生まれてくるのだろうか?

 道であり、我らの手本であるキリストにあっては、これらの体と心と霊の側面は常に一つのものとして捉えられる。イエスの母は充分にこれらのことを心にとどめ、思いめぐらされたのである。

 これが全ての親に対する戒めでないとしたら、他にどのような意味があるだろうか?

 成長過程にある子供の感情から発せられる言動についてよくよく熟慮せよ。聖書にあるように、彼らを進ませるべき道に躾けよ。そうすれば大人になって道から外れることはないだろう。(1521-2)”

 

(レイチェル・ランネルズ「エドガー・ケイシーが示す愛と結婚の法則」たま出版より)

 

・出口王仁三郎聖師との質疑応答

 

問 ―― 胎教を世の中では漸くやかましく口にしだしましたが、実際必要なものでせうか。

答 ―― 必要やとも、妊娠したら直ぐ妊婦の室は綺麗にして綺麗な絵を掛けて置くと綺麗な児ができる。鬼とか、おかしな絵をその室に貼って置くと、そんなような児ができる。妊娠中に妊婦が火事を見ると本当にアザができる。だから妊娠中には火事を見るなと云うのや。酒を呑むと酒呑みの児ができるし、果実ばかり食べると果物好きの児ができるし亦猿みたような細長い顔の子ができるもんや。そして米をやつと食べておくと丸々とした肥えた子ができる。

 

問 ―― 私は聖師様の書かれた観音様をいつも見てゐました。

答 ―― 観音さんばかり見てゐると観音さんみた様な顔になる。何しろ妊娠の時くらい感じの強くなる時はない。胎教は一番肝心である。聖人の教え等を聞かすのはよい。悲哀なことを聞くとそんな子ができる。

問 ―― では、妊婦は物語(出口聖師著「霊界物語」)等を沢山拝読するといいですネ。

答 ―― それはいいとも。

 

     (「出口聖師座談会集」『愛児の為めに 昭和七年三月十五日夜』より)

 

*結局、ルドルフ・シュタイナー、エドガー・ケイシー、出口王仁三郎聖師の三人とも同じようなことを言っているわけですが、要するに、受胎の時の両親、特に母親の意識が霊界に感応して、胎児に受肉する魂が決まるとともに、その容姿もまた母親が妊娠初期に見たり読んだりしたものに影響される、ということです。もし、高いレベルの魂に自分の子どもとして生まれて来てもらいたいのなら、両親は常に意識を神に向け、祈りや瞑想、隣人への奉仕など、霊的な生活を送るべく心掛ける必要がありますし、美しい容姿の子どもが欲しければ、やはり聖母とか天使のような美しい容姿の方々の絵を鑑賞したり、心を浄化してくれるような霊的な本を読まなければなりません。

 

*ただ、ケイシーのリーディングの中には、偉大な魂が俗物の両親、たとえばギャンブル好き、もしくは飲酒癖のある両親のもとに生まれたというケースも複数あります。何らかのカルマによって、あるいはその魂にとって必要な試練なのかもしれませんが、そのようなことも少なからずあるようです。また、たとえ生まれてきた子供が高貴な魂の持ち主であったとしても、必ずしも学業の成績が良いわけでもなく、また不細工な顔、不格好な容姿であることも実際にあります。さらに、高い魂ほど、地上の環境に中々適応できなくて苦しむ傾向があるように見受けられます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人気ブログランキング
人気ブログランキング