宇宙の息に生きる | 瑞霊に倣いて

瑞霊に倣いて

  
  『霊界物語』が一組あれば、これを 種 にしてミロクの世は実現できる。 
                            (出口王仁三郎)  

・野口晴哉先生 (野口整体)

 

 “八月のある日、私は整体操法の原理を説く原稿をコピーして、二階の室で吸い込まれるように何度も読み返した。書体から見ると、昭和二十二年ごろのものだろうか。先生が三十五、六歳くらいのものだ。

 

 「宇宙を貫いて真に存在しているのはエネルギーの波のみであります。この世の根底は物でなく、形でなく、色でなく、音でなく、ただエネルギーの集中と分散があるのみであります。その集中分散というも、人間の感覚から出発した見方であって、宇宙の息のみが、この世に於ける真実の存在なのであります。

 吾々の生きているのも、吾々が今あるのも、宇宙の息によるのであって、生きているということのうしろに、いつも自然の妙機があるのはその故であります。自然の妙機によってその生を保っているのではない、生きていることそのものが自然の妙機なのであります。

 それ故、宇宙の息に生くれば、その息は調い、エネルギーの集中と分散のリズムが保たれるのであります。

 手技のテクニックで刺激と反応の平衡を維持するつもりになっていることが、すでに間違いであって、整体操法は、生物説を実地に移す技術でもなければ、治療的刺激を与えるものでもないのでありまして、そのつきつめた一点は、ただその息一つになるのみということにつきるのであります。それ故、人間の自然性ということから、一瞬も離れて存在しないのであります」”

 

(「月刊全生」昭和59年10月号 野口昭子『オンリーワン』より)

 

*「宇宙の息と一つになる」とは、結局「神ながら」、「産霊(ムスビ)」と同じことを言われているのだと思いますが、この文章を三十五、六歳のころに書かれたとは、野口晴哉先生がいかに凄かったかがわかります。

 

*整体操法において、「手技のテクニックで刺激と反応の平衡を維持するつもりになっていることが、すでに間違い」とありますが、野口晴哉先生によると、何も考えずにただ「天心」の状態でありさえすれば、手は自然に相手の身体の悪い所に移動し、特に意識せずとも、気は不足しているところへ勝手に流れていく、のだそうです。天才的な指圧師であられた、増永静人先生も、「必要なのは敏感な手ではなく感応する手」と言われ、原始感覚を取り戻すべきことを主張されています。根元的なエネルギーと同調するだけでなく、相手との同調、一体感も大切なことのようです。

 

 

・合気道の呼吸(いき) 合気道開祖植芝盛平翁

 

 “おのが呼吸(いき)の動きは、ことごとく天地万有に連なっている。つまり己れの心のひびきを、五音、五感、五臓、五体の順序に自己の玉の動きを、ことごとく天地に響かせ、つらぬくようにしなければならない。

 また、息の動きはすべての万有万神へ、己れの精神から発するところのひびきである。”

 

 “「気の妙用」は、呼吸を微妙に変化さす生親(いくおや)である。これが武(愛)の本源である。

 「気の妙用」によって、心身を統一して、合気道を行ずると、呼吸の微妙な変化は、これによって得られ、業が自由自在にでる。この呼吸の変化は、宇宙に気結び、生産び(いくむすび)、そして緒結びされる。

 また、呼吸の微妙な変化が五体に深く喰い込み、喰い入ることによって、五体はその働きを活発にし、千変万化の神変の働きを示すことができる。変化とは違う。

 こうなってはじめて五体の五臓六腑は、熱と光と力が生じ結ばれ、己の心の意のままになり、宇宙と一体となりやすくなるのである。

 この呼吸の微妙な変化を感得することによって各自に合気道の業が生ずるのである。

 呼吸の微妙な変化は真空の気に波動を生じさせる。この波動は極烈であるか、遅鈍であるかということで、宇宙に種々なる成因をつくる。この波動の極烈と遅鈍によって、心身の凝結が知られる。”

 

 “呼吸の凝結が、心身に漲(みなぎ)ると、己が意識的にせずとも、自然に呼吸が宇宙に同化し、丸く宇宙に拡がっていくのが感じられる。その次には一度拡がった呼吸が、再び自己に集まってくるのを感ずる。

 このような呼吸ができるようになると、精神の実在が己の周囲に集結して、列座するように覚える。これすなわち、合気妙応の初歩の導きである。合気を無意識に導き出すには、この妙応が必要である。

 こうして合気妙用の導きに達すると、御造化の御徳を得、呼吸が右に螺旋して舞い昇り、左に螺旋して舞い降り、水火の結びを生ずる、摩擦連行作用を生ずる。

 水火の結びは、宇宙万有一切の様相根元をなすものであって、無量無辺である。

 この摩擦連行作用を生じさすことが、できてこそ、合気の神髄を把握することができるのである。”

 

 “大地の国之常立大神(くにのとこたちのおおかみ)、いまのすべての立て直しをやった姿が合気である。国之常立大神、気結び、生結びですべてのことが完成する。どんなことでも出来得るようになる。国之常立大神は、天地修理固成の祈りの御名である。また、地球修理固成は気の仕組みである。息陰陽水火の結びである。そして御名は伊邪那岐、伊邪那美の大神と顕現されて、その実行に移したのが合気、どんなことでも出来るようになってくる。”

 

(植芝吉祥丸監修「合気真髄 合気道開祖・植芝盛平語録」柏樹社より)

*以前にも書かせていただきましたが、合気道の開祖、植芝盛平翁は皇道大本の信徒で、出口王仁三郎聖師のもとで霊的な修行を積まれ、大正時代の出口聖師のモンゴル行きにも同行されています。また、開祖の内弟子の一人で、現在はフロリダで合気道の道場を開いておられる五月女貢先生によると、植芝開祖は「合気道が強くなりたければ霊界物語を読め」と言っておられたということです。

 

 

 

 

 

 

 


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