コレラ、O-157、食中毒の予防法 | 瑞霊に倣いて

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  『霊界物語』が一組あれば、これを 種 にしてミロクの世は実現できる。 
                            (出口王仁三郎)  

〔O-157菌に冒されないために― 私の検疫官体験〕


 “終戦直後、中支派遣軍150万、地方人50万が復帰のため上海に集結したとき、コレラが発生した。消毒剤はもちろんない。水道は揚子江の水が、無処置のままストレートで入ってくる。便所は穴を掘ってアンペラをぶら下げただけ、蝿はブンブン。このなかでのコレラ対策は堺のO-157の場合と比較にならぬ悪条件。
 そのなかで、一名の二次感染者も出さなかった。そのことをここに付記して、O-157予防のご参考に供したいと思う。その詳細は、光人社発刊伊藤桂一先生著「かかる軍人ありき」に収録されているので、ここにはその要点のみとしたい。
 ご承知のとおり、胃は胃酸と称し、塩酸、ペプシンが消化の主役である。その塩酸も幽門近くは酸が強く、指を入れると痛いくらいである。この塩酸にふれて生き残れる菌はない。手足の消毒も大変であるが、この胃酸を腸内疾患の予防に利用すべきである。ところが、コレラ菌や赤痢菌がどうしてこの難所を通り抜けるのか。
 私は上海では検疫官という役を仰せつかって最後まで残された一人であるが、たまたま漢口から2000人ばかりの敗残兵さながらの兵が、当キャンプに入ってきたとき、そのなかに24名のコレラ患者がいて、それらは一応隔離されたが、そこここに便の垂れ流しである。ただちに緊急コレラ対策会議が開かれ、結局名案がなく、末席の筆者の提案が用いられ、全軍に布告されたのであるが、問題は、なぜ塩酸の胃袋をばい菌が通り抜けるかということである。
 それは胃の中では食べた順に消化され、最初に食べたものが、幽門に近い幽門洞とか幽門管というところでpH1から2、塩酸(0.012~0.05%)の洗礼をうける。アルカリ性消化液を分泌する十二指腸側は当然アルカリ性。幽門部が酸性になったとき酸性の消化物が十二指腸に送られ、十二指腸が酸性になると反射的に幽門は閉じ、十二指腸はアルカリの消化液で胃から送られたものを中和し、さらに、アルカリになり、胃の幽門部の内容が酸性になると、幽門が開く、この繰り返しであるが、最後に食べたものが幽門部の酸にふれるためには、少なくとも25分はかかる。
 したがって、食べたもののうち酸にふれない部分には、菌が生きているわけである。このとき水か何か液体を摂れば、消化の邪魔になるので、液体はトンネルする。このときが菌が生きて十二指腸に行けるチャンスである。したがって、菌を十二指腸に送り込まないためには、食事中、または食後少なくとも30分は水を飲まないことである。また、空腹時は胃内の酸は少ないから、空腹時でもコップで一気に飲むということをしないで、小きざみに飲むようにする。
 以上の実行だけで、コレラ菌とO-157菌も防止できる。少なくとも以上の事実からコレラに関しては実験ずみである。ただ、この方式は、胃を切った人と無酸症の人には通用しない。
 上海の場合は、さいわい胃を切った人は皆無であった。終戦前、胃を切って助かった人は稀であり、わたしの知る限りでは一人もいなかった。また、無酸症も労働のはげしい軍人には皆無であった。だが、現在は胃を切っている人は少なくないので、コレラ、赤痢の流行時はバイ菌を口に近づけないこと。現在、小学校でやっている方法に準ずるほかはない。(ぬまた・いさむ 元北里研究所員)”

〔沼田勇 “「飢疫」と「飽疫」(「大腸菌O-157」問題の根源にあるもの)“の論文より引用、1996年「現代農業増刊・食べものクライシス」(農文協)に収録〕

*向中野義雄「土を喰らう」(講談社)より。この柳沢少尉のモデルが沼田勇先生です。

 

*水分は、空腹時に少しずつ飲むのが良いようですが、暑い時期は熱中症の危険がありますので、水不足にならぬよう注意せねばなりません。特に、病気で発熱しているときは、水分を多くとる必要があります。

 

 “大概の病気は、松と土と水さへあつたら治るものである、風邪其他熱のある場合には、雌松を煎じてのむとぢきに熱が引く、神様にお供へしたものならば一層結構である。お土は傷をした場合にぬりつけるとよい、切瘡、火傷、打身腫物などなんにでもよい、又、水は万病の薬であって、諸薬、水に越したものはないのである。熱のある場合病人が欲しがれば井戸の汲み立の水をどんどん呑ましてやつたらよい、水道の水はくたぶれて居る、井戸水は生気溌溂として居るから井戸水に限る。私は嘗てひどい熱病患者にどんどん水を呑まして治してやった事がある、医師は一寸も水を呑ましていけないと云って居たが、そんな事はない、水位薬になるものは無いのである。”

 

(出口王仁三郎述・加藤明子編「如是我聞 水鏡」天声社より)

 

*文中の「かかる軍人ありき」の著者、直木賞作家の伊藤桂一先生は、ご自身の軍隊での体験をもとに、多くの戦場小説を書いておられます。この「かかる軍人ありき」に掲載されている沼田軍医の話は非常に興味深い内容でした(たとえば雑草食の話で、植物毒のほとんどはアルカロイドであり、二百度で毒性を失うため、加熱すればほとんどの雑草は食べられる、など(もちろん例外もあるはずです))。他にも玄米正食(マクロビオティック)の祖、桜沢如一(ジョージ・オーサワ)先生は沼田先生の先輩だとかで、玄米おにぎりのことなども書いてあります。また、伊藤先生は、野口晴哉先生に師事し、長年にわたって整体を実践されており、そのときの体験が1969年の作品「源流へ」に載っています。

*あと、O-157について、大腸菌は死滅するときに毒素を放出するので、安易に抗生物質を飲んだりすると大変なことになります。納豆はこの点、細菌を殺さずに弱らせて体外に排出させるので安全です。以前のO-157の流行が関西で起こったのは、納豆を食べないことと関係があるのかもしれません。

 

 

 

 

 


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