納豆の効能 | 瑞霊に倣いて

瑞霊に倣いて

  
  『霊界物語』が一組あれば、これを 種 にしてミロクの世は実現できる。 
                            (出口王仁三郎)  

 “納豆菌は、腸内の有害菌に対して抑制する力があり、須見教授によると、体内に千から二千個のO157が侵入した場合でも、納豆菌を10の6乗個(およそ納豆の糸一グラム中に含まれている量)を食べるだけで、O157は全滅してしまうという。
 また須見教授によると、秋田のあたりでは昔から、お腹の調子が悪いとき、とくに子供がよくわからない病気で下痢をしたときなどは、納豆を食べるとか、熱湯に溶いて飲むということが行われていたという。
 このように納豆菌には消化器系疾患への薬効があるということは意外と知られていない。下痢や消化器官の疾患に対する薬で、一週間、二週間、三週間と納豆菌の入った薬を飲むと非常によい効果があり、一日あたりにすると、納豆わずか一グラムか二グラムほどで効果が出るという。
 したがってO157に対して納豆が何らかの効果があったとしても、まったく不思議ではないという考えのもとに、須見教授は細菌と納豆菌の混合培養実験を行ったのであった。
 日中十五年戦争期の海軍の医学雑誌(海軍医誌、1931年)には、便の中にパラチフスが発生し、いつまでも消えない場合に、納豆を食べたところ治ってしまった、と紹介されている。このほかにも赤痢などが流行したときに納豆を食べて治していた、など多くの過去の事例があるのにもかかわらず、ほとんど巷間に知られていないのは、戦後に抗生物質が多く使用されるようになって、それらの過去の知恵が消されてしまったという事情がある。抗生物質の効果は強烈である。そんな激烈な速攻性の前に納豆の研究は無視されてしまった、その結果、戦後の納豆研究は非常に薄くなってしまったのである。
 ところで、十分発酵した納豆は腐ることがない。これは、あくまで納豆が抗菌物質をつくっているからで、納豆菌の培養液を濾過して、無菌の液をとり、そのなかへいろいろな菌を入れると、だいたいすべての菌を抑えることができるそうだ。
 サルモネラ菌やチフス菌に対しても同様な結果が得られている。
 これら病原性大腸菌やサルモネラ菌に対する抗菌作用もすでに過去において立証済みのことである(小沢恭輔、衛生技術会発表、昭和58年)。
 これら抗菌作用は、納豆菌が複数の抗菌物質をつくり出すためと考えられてはいるものの、具体的にどんな抗菌物質がつくられているかは、現時点において十分には解明されていない。ただ一つわかっているのは、ジピコリン酸で、これは昭和11年に日本人が発見した抗菌物質である。このジピコリン酸は、納豆の粘りのところに多く入っていることも分かっている。
 より正確にいうと、納豆菌は悪玉の菌を殺すのではなく、発育を抑え、体外へ排泄させる役目をしている。したがって毒素は発生しない。さらによい点は、善玉菌に対しては、逆に菌が増えるのを助けるという働きをもつという。まさに現代の清潔社会において納豆はよりいっそうその威力を発揮するだろう。”

 “このごろ何かと話題の「ビフィズス菌」も、健康な腸をつくるために重要な役割をしている。バランスがくずれるとこのビフィズス菌が減り、下痢になるという。納豆の繊維質は、大腸ガンなどの予防だけでなく、これらビフィズス菌の活動を助け、腸内の悪玉菌が増えるのを抑える役割もしている。
 しかしビフィズス菌は酸に弱いという性質をもっている。口から摂取しても大半が胃酸によって死滅して、肝腎の働き場所である腸にまで多くが到達できないといわれている。もし腸にたどりつけたとしても、1~2日ぐらいで消滅してしまう。
 反面、納豆はビフィズス菌よりもはるかに持続性が長く整腸力が優れている。”

               

(町田忍「納豆大全!」小学館より)


 “私は海外に行く時は、必ず乾燥納豆を持っていきます。東南アジアや南米などの山の中の少数民族の発酵食品の調査や、ついこの間はカンボジアにも行ってきましたが、もちろん乾燥納豆を持参しました。そういう所に行くと、日本人の体に合わない食べ物がどうしてもあります。そのためにだいたいの人は下痢をします。カンボジアでは一緒に行った若い人たち7人が食中毒にかかりひどい下痢をしましたが、彼らと同じものを倍以上食べているのに、私だけが何ともなかったのです。
 これは実は、納豆のおかげだと思っています。私は海外に一カ月とか長期滞在するときには必ず乾燥納豆を作って、3キロほど持って行きます。そして毎日のように乾燥納豆を食べています。すると、私の腸の中には納豆菌がうようよいますから、そこに食中毒菌が入ってきても、納豆菌に全部蹴飛ばされる。私の腸は納豆菌の巣になっているわけです。納豆菌だけでなく、ヨーグルトなど発酵乳酸菌飲料などの摂取による乳酸菌の巣でもいいのですが、とりあえずいい発酵菌の巣を腸の中に作っておけば、ほとんどの悪玉菌はやられてしまうのです。”

〔乾燥納豆の作り方〕
材料:納豆 10パック、 シソの葉 10枚、 かたくり粉 小さじ2、 塩 小さじ2~3

1、シソの葉を天日で干してパリパリに乾燥させ、それを手でもんで粉状にする。
2、納豆にかたくり粉小さじ1、1のシソの葉、塩を入れてよくかき混ぜ、それを皿などに薄く広げて天日で4~5日干す。
3、十分に乾燥したら、さらにかたくり粉小さじ1をふりかけ、袋に入れて保存。 

   (「NHK 人間講座 小泉武夫 発酵は力なり」日本放送出版協会より)

*今日7月10日は納豆の日だそうですので、納豆の効用について紹介させていただきました。
【注意】血栓を予防する薬「ワルファリン」を処方されている方は、納豆を食べると薬の効果が薄められてしまうため、注意が必要です。