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メンタルの弱い旦那
やんちゃな息子２人、老犬一匹をつれて
認知症の母と少し偏屈な父と同居開始
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父が仕事の日は
私か姉が母が寝るまでのお世話をしている
この日は私が当番だった
夕飯を食べ終わり
パジャマに着替えさせ、歯磨きをして
「お母さん、ベッドで寝よう」
そう言って、母をベッドに寝かした
「おやすみ〜！ゆっくり休んでね」
そう言って寝室の電気を消すと
「ありがとう。おやすみ」
と母は目を閉じた
その後、私が隣のリビングで本を読んでいると
ガタガタッ
寝室のドアの音がして、母がトイレへ行く姿が見えた
数分後、今度はリビングへやってきた母
私の顔を見て微笑んだ
「どうしたの？眠れない」
そう聞くと「そんなことないんだけど・・・」と母
「もう時間も遅いから寝よう。もうちょっとでお父さんも帰ってくるし」
そう言って、再び母を寝室へ連れて行きベッドに寝かした
「私、ここで一人で寝るの？」
と不安そうな表情をする母
夜になると、認知症の母は不安が増すようだ
我が家ではない何処かへ帰りたがるのも夜が多い
「そうだよ。ここ毎日お母さんが寝ているベッドだよ。
お父さん帰ってきたら隣に寝かしてあげてね」
私がそう言うと
「あなたも一緒に寝ましょうよ」
そう言って、母は自分が掛けている布団をめくり
となりを開けてくれた
いままで何度も寝かしつけているけれど
そんなことを言われたのは初めてで、私は一瞬、動揺してしまった
でも母は不安そうな表情をしているし
私もこの日は、朝から仕事だったり子供たちや母のお世話で疲れていた
布団の誘惑に勝てるわけもなく
「そうしようかな」
と言って、母の隣に寝転んだ
「お母さんと一緒の布団で寝るのなんて何十年ぶりかね」
と思わず言うと
「あら、そうねぇ」と母は何処まで理解できているか分からないけれど
嬉しそうに笑ってくれた
私もなんだか懐かしい気持ちで胸がいっぱいになる
私がとっても小さかったころ
怖い夢をみたときは、夜中に両親の布団に潜り込んでいた
そのときのことを思い出したのだ
あのときは、私が怖くて母に一緒に寝てもらっていたけれど
今は母の不安を少しでも解消するために添い寝をしている
なんだか不思議だなぁと思いつつ
「おやすみ」そう言って私は目をつぶった
数分後・・・・
あつい・・・・
とーっても暑い・・・・
母は今、エアコンをつけている寝室で
すごく薄い羽毛布団を掛けて寝ている
羽毛布団でないと寒がってしまうためだ
しかし実際にその羽毛布団を掛けて寝てみて、よく分かった
この布団は想像以上に保温効果があり
とても温かいことに
ジワジワ汗をかいてきた私
エアコンの設定温度を下げたいな・・・と思いつつも
動いたら母を起こしてしまうかも
そう考えて動けずにいた
そして数十分後
母の寝息が聴こえてきたので
そーっとベッドから這い出た
私が添い寝をして安心したのか
母はよく寝ていた
私は急いでエアコンの設定温度を下げる
人間、”年を取ると暑さを感じない”というのは本当らしい
今年の夏、母が熱中症にならなくて良かった
たまには母と添い寝してみることも必要なのかもしれない
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